お手軽ツールで今更学ぶアナログ(19) LT1790、マイクロパワーSOT-23低損失リファレンス

JosephHalfmoon
Joseph Halfmoon

前回は、電圧を周波数に変換するコンバータだったですが、今回は、参照電圧の生成用のデバイスであります。LTという型番からは、リニアテクノロジの名が浮かびまするが、買収されたので、またまた今やアナデバ様です。素人目にはとても小さなレギュレータに見えますが、電源ではなく、リファレンス電圧の発生器という位置づけ(5mAくらい流せるみたい)。

アイキャッチ画像にかなり「よった」写真を掲げさせていただきましたが、ともかく小さいです。SOT23パッケージ。半田付け苦手な私としては、ほぼ手半田で実験できる限界の大きさであります。この小ささからしても、このデバイスの狙いは

バッテリで動くような装置

であります。当然、低消費電力は必然と。よって「マイクロパワー」、「低損失」と来るわけですな。データシートのダウンロードのために、Analog Devices社の該当デバイスのページへのリンクを貼り付けさせていただきます。

LT1790 マイクロパワーSOT-23低損失リファレンス

上記のページから、日本語の「参考」データシートをダウンロードしてしまうと、折角のこのデバイスの一面しか見えないことになります。日本語のデータシートは、

2.5V電圧

特化であります。日本人は2.5Vしか買わないと思われているのか?英文版の「family」データシートに当たると、ようやくこのデバイスの全貌が明らかになります。

  • 1.25V
  • 2.048V
  • 2.5V
  • 3V
  • 3.3V
  • 4.096V
  • 5V

これだけの「参照電圧」そろっています。でもね、3.3Vとか2.5Vとかありがちな電圧に混じって 2.048V とか 4.096V とか半端じゃね、などとお考えのアナタ。

ぼーっと生きてんじゃねえよ

と多分怒られます。よくみてくだされ、1mVを単位としてみれば、2の11乗と2の12乗であります。DA変換なのか、AD変換なのかは用途次第ですが、明らかにアナログとデジタルの橋渡しのための「参照電圧」に見えます。

今回、その2.048V品と4.096V品の二つを例によってSOT23搭載用のBOB基板に半田付けして、とりあえず電源入れて電圧出ていることを確かめよう、という趣向です。本当に評価しようなんざ、恐れ入って手がでません。温度も気にせず、流れる電流も気にせずで、とりあえず無負荷で言っているとおりの電圧が出ていることだけ確かめようという「お手軽さ」であります。

なお、小さなSOT23パッケージなので、マーキングは略号です。

  • 2.048V品 LTXU
  • 4.096V品 LTQB

6種もグレードがあるのですが、マーキングからは分かりません。今回半田付けしたのはAC(ACS6)というグレードの筈。回路的には、普通のレギュレータと変わりません。INとOUTにキャパシタをつなぐだけ。入力電圧のスペックは以下のようです。

  • 2.048V品は入力電圧 2.8V以上18Vまで
  • 4.096V品は入力電圧 4.6V以上18Vまで

今回は、以前使った9VのACアダプタがブレッドボードに接続したままになっていたので、そのまま入力電源にしています。キャパはデータシートの通り。ブレッドボードはこんな感じ。

LT1790 test circuit

ここで何時もならM1Kか、Analog Discovery2におでましいただくのですが、メンドクサイし、ハンディマルチメータでいいんじゃね、ということで電圧測定はDMMにまかせました。

2.048V品の無負荷の状態がこれ。

LT1790 2.048V reference
3mVばかり上目の電圧が読み取れていますが、仕様的にはどうなんだろ。

まずはチップの方、グレードACは、全部で6種あるグレードの上から3番目。スペックは、

  • MIN 2.04554V
  • MAX 2.05046V

読みそのままなら、MAX微妙なあたりですが、だいたいハンディDMMの精度もありまさーね。使用の中華DMMは、非常にお求めやすい価格の割に機能豊富?な一品。でも、意外と(失礼)ちゃんとしていて精度はこのDC電圧測定レンジだと

±(0.8% of rdg + 3 dgts)

だそうです。妙に出来る出来ると信用のおけない値でなく、実力相応の値が書いてある印象。読み値(rdg) 2.051で、レゾリューション1dgts=1mVなので、プラマイ19mVってなところでしょうか。測定器の精度がそんなものなので、個人的には納得の値だな。。。

なお中華DMMでなく、立派な日本の測定器メーカー日置さんのこのページをDMMの精度計算するときに参照させていただきました。

つづいて4.096V品。

LT1790 4.096V referenceこちらは読み値は、TYP値を6mVほど上回りますが、例によってDMM側の精度を計算するとプラマイ36mVくらいあります。参照電源なんざ、測定するのは10年早いという感じ。なお、デバイスのスペックとしては、

  • MIN 4.09108V
  • MAX 4.10092V

です。接続するだけでこの精度の参照電圧得られるので、私のようなアナログ音痴でもなんとかなる?

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