「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の2019年9月号はオペアンプの基本回路です。そういえば似たようなことをM1Kでもやったよね。でも測定内容が微妙に「アップグレード」してました。ゲインを測れ、ではなくスルーレートとか、オフセットとか。でもね、恐れ多いことなんだが、またあるのよ。
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さて、今回記事(日本語)のURLを以下に貼り付けておきます。
そして上記記事の末尾の課題に対応する解答編は以下です。
September 2019 StudentZone Quiz Solution
恐れ多いことなんだが、今回も言わせてください
アナログ素人が、アナデバ様に恐れ多いことだが、今回も言わせてくだされ。
その1、記事の中で「振幅2V」とか書かれているの、普通の言い方で振幅1Vの意味ですよね
以前にも書いた件です。最大値+1V、最小値-1V、平均0Vの正弦波は振幅1Vと表現するのが普通じゃないか、と思います。アナデバ製のADALM2000を測定に使う記事でありますが、わたしゃADALM2000を手元に持っていないのでその挙動は不明。私はDigilentのAnalogDiscovery2を使ってるんであります。すみません。すくなくともAnalogDiscovery2のAmplitudeの指定で1Vとすると先ほど述べた波形となります。そんなこんなだで、今回は記事指定の「振幅値」で実験すると出力が大きくなりすぎてサチるところが多数。記事指定の振幅がピーク・ツー・ピークだと勝手解釈すると、大体OKです(それでも大きすぎるところもあったケド。)
その2、冒頭「準備するもの」でご指定の部品個数が違います
これまた細かい話ですが、以下のとおり。
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- 抵抗 1kΩ 1個とありますが、2個必要でした。
- 抵抗 100kΩは書かれていませんが、必要でした。
- オペアンプ OP97 は2個と書いてありますが、1個で済みました。
その3、解答編のその2のゲイン違ってます
解答編の「その1」のゲインが式にはマイナスが付いているのに、=でつないだ最後がプラスになっているのは、「コマケー」のでまあいいか、としましょう。しかし、「その2」のゲインの計算は違ってますな。そう思って下の方を見たらコメント欄に読者の突っ込み入ってましたな。執筆者から「タイポ」だとお返事ありました。よかった。
最初はユニティ・ゲイン・バッファ
いわゆるボルテージ・フォロワですな。測定結果をちゃちゃと並べていきます。以下黄色C1が入力、青C2が出力。
スルーレートを測れ、というご指示があったので、必要なところに測定用のカーソルを置いてみたもの(測れといわれたのに計算してないケド。)なおVp=5V、Vn=-5Vです。
次は反転増幅器
まずは入力振幅「500mV」、ゲイン4.7倍となる筈の回路の様子。
帰還抵抗を10kΩに変更し、ゲイン10倍。電源がプラマイ5Vです。OP97は、4.1~4.2Vくらいでサチってしまうみたい。回路内部でドロップしている分ね。
どのくらいの入力でサチるか探れと言われたので、ゲインを4.7倍に戻して振幅850mVにしてみました。ギリギリひずんでいない?
950mVにするとダメでした。画面キャプチャ忘れ。
今度は反転増幅器を加算回路にしてDCオフセットを調整せよ、と
指定の状態のグラフ。約1Vほどレベルがシフトしている設定。
正弦波入力のオフセットを調整して、レベルシフト状態をほぼほぼ解消したもの。入力オフセットの設定はマイナス220mV。
最後は非反転増幅器で飽和するまで帰還抵抗値を上げよと。
最初はゲイン2倍。
次の指定だと約6倍になる筈。「振幅2V」のご指定を勝手解釈で「振幅1V」にしているけれど、とうぜんサチります(クリッピング発生。)
帰還抵抗を100kΩにしてみよ、とのご指示。計算ゲイン101倍。ほぼ方形波みたいになっちゃった。
入力振幅を落としてクリッピングが起こらない振幅を探れ、と。だいたい40mVくらいにすると良い感じです。
まあ、今回もADALM2000でなく、AnalogDiscovery2でやってみましたが、特段の問題なく出来た(ホントか?)感じです。