前回は、NPNトランジスタでエミッタ接地回路という「定番」で分量が多いとかふて腐れて最初の回路だけ動かして中断しました。今回は残りを「始末」です。今年こそはアナデバ様のリアルタイムの進捗に追いつきたいので急いで進行。ちょっと納得いかないのに踏みつぶしている?
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「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の今回は前回に引き続き2020年6月号です。記事(日本語)へのURLは以下です。
ADALM2000による実習:NPNトランジスタで構成したエミッタ接地回路
今回は末尾の問題への解答編もあります。
June 2020 StudentZone Quiz Solution
前回は「図1」のシンプルなエミッタ接地回路をLTspiceでシミュレーションして、各部の抵抗値などを決めました。そして ADALP2000キットの部品類で回路を作り、Analog Discovery2を使って(本当はADALM2000使えということですが)実機動作を観察しました。
図5「もう一つの構成例」
正直いって、この回路、全然腑に落ちていないです。一応、以下のような定数でシミュレーションしてみました。
シミュレーションの結果、以下2枚のグラフではかなり記事記載のグラフと「寄せてある」のですが、この回路の意味するところよく分かりませぬ。こういう設定の仕方じゃ、きっとイケないのだと思います。何か間違っている。よくわからないので、諦めてパス。こんなことではイケないと思いつつ。
図7に「寄せた」結果グラフ
ついでにコマケー話を一つ。図5の回路図上の可変抵抗のところの矢印、抵抗と「間が空きすぎて」いて最初、可変抵抗に見えませなんだ。ほんとコマケー話なんだが。
負帰還による自己バイアス回路
次もシミュレーションのみです。わざわざ実回路を作っていると時間がかかるので現物は飛ばしました。すみません。
シミュレーションは以下の定数で。
結果は、記事記載のグラフとはちょっと似てないところがありますが以下です。
エミッタ・ディジェネレーションの追加
言われるままに追加してみたものがこちら。以下ではRE=1kΩでシミュレーションしてみています。
シミュレーション結果の「ま、だいたい、いいんじゃね」波形が以下に。
さて、上のグラフの青色の出力波形をおぼえておいてくだされ。次では1か所の変更で青色が元気になります。
コンデンサを追加してACゲインをUP
上記のエミッタ・ディジェネレーション回路のREに並列にコンデンサC2を挿入することでゲインを高めてみよ、と。こんな感じですかね。「とりあえず」1μFいれてみました。
結果はとても分かり易いです。変更はコンデンサC2の1か所ですが、シミュレーション結果の青色V(vce)みると5~6倍の振幅になっています。ご利益あらたかだな。
最終的にできたこの回路だけは、実機で確認してみることにいたしました。テスト用回路の写真は冒頭のアイキャッチ画像に。実機では2つの可変抵抗をグリグリと回せば波形が変化します。以下は、グリグリやって「それっぽい」波形の位置で止めたもの。黄色のC1が入力信号、青のC2が出力信号(Vce)です。
全部が全部腑に落ちたとはとても言えないのですが、まあ、それらしく動いたからいいか(何時ものことだけれどいい加減だな。)