前回は、「磁石が近づいた」ときに「スイッチ」的な動作をするホールICでした。今回は、光の反射を検出して「スイッチ」をいれるフォトリフレクタです。例えば紙がセットされていることを検出するなどの用途向けですかね?フォトリフレクタはフォトインタラプタの兄弟的なセンサで、原理的にはフォトカプラと同様。
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フォトリフレクタもフォトインタラプタも、LEDで発した光をフォトトランジスタで受光して電流を流して「スイッチ」動作をさせる点では似たような「センサ」であります。
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- フォトインタラプタは、LEDとフォトトランジスタが対向していて2つの間を物体が横切るのをLEDの光が途切れることで検出
- フォトリフレクタは、LEDとフォトトランジスタが同じ方向を向いていて、その方向に光を反射する物体がやってきたのを検出
と光の通過か反射という検出方法が違うだけで、電気的には同等のデバイスです。LEDとフォトトランジスタがワンパッケージに入っているという点ではフォトカプラとも近縁に思えます。しかし、表に光が出てこずに、アイソレーションと信号の伝達が主目的のフォトカプラとは用途が決定的に異なりますな。
どちらかというと、フォトリフレクタよりも、フォトインタラプタの方が一般的かもしれません。今回、Rohm社のフォトリフレクタ(反射型フォトセンサ)を触ってみましたが、Rohm社のホームページへ行くと、フォトインタラプタの方が優遇されている感じがします。「周りもの(回転体)」の回転速度とかタイミングを知るのに使うフォトインタラプタの方が市場が相対的に大きいからかな(どちらも地味なデバイスだけれども。)
フォトリフレクタ(反射型フォトセンサ)は上記の「フォトインタラプタとは?」の下の方に、ちょっと付けたし的な感じで掲載されとります。
サンプル評価用に組んだ回路
電気的には独立したLEDとフォトトランジスタであります。
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- LEDの発光には適切な電流を流せばよい。電流制限抵抗をつけるだけ。
- フォトトランジスタをON/OFF動作させるには、適切な負荷抵抗をつけてフォトトランジスタに流れる電流を電圧にして出力すればよい。
のだと思います。このデバイスを通例使う場合、多分5Vか、もっと高い電圧で動作するスイッチ的に使うのじゃないかと想像するのです。しかし当方、後でマイコン接続するつもりなので、今回は3.3V電源でも動くことを確かめたく接続してみました。こんな感じ。
そして、4番端子を観察しながら、適当な「反射材」(白色の紙などが適当みたいです。)をフォトリフレクタの「目」の前に差し出してやれば反応してくれるはず。なお、抵抗値などの計算について、Rohm社からアプリケーション・ノート的なものが出てました。
実際にブレッドボード上に組んだ回路がこちら。
なお、LEDは赤外です。反射材とフォトリフレクタとの間の適正な距離は 6mm とのことですが、10mmや15mm離してもそれなりに検出する感じがします。しかし、あまり近づけると「反射」というより「目隠し」になってしまうみたいで検出しなくなるようでした。多分、インタラプタであればデバイスの隙間に入れば距離など考える必用ないのに比べて、リフレクタは適正な距離を確保しなければならない分、メンドイということかもしれませぬ。
動作波形の観察
白の紙片を上記の回路の前を動かして得た波形が以下です。ダラダラとアナログ的な動作をしているように見えるところは、紙片の距離が離れたり、近すぎたりしている部分です、距離センサ的なアナログ動作をしています。といって数mmから十数mmの微妙な距離の範囲内の話ですが。
キチンと適性な距離を保てば、物体の在、不在を非接触でセンスするセンサとして、使い易いんじゃないかと思います(センスする相手がこのデバイスの赤外線波長をを反射してくれる素材ってことも条件に含まれると思います。インタラプタであれば、赤外線を通さない素材というだけで使えるので、これまたその方がお楽か。)