以前から気になっていた「うさちゃん印」のチップを遂に入手、インストールして動作確認するところまでやって見ました。Digi international社傘下に入った元Rabbit semiconductorのRabbit 4000チップです。最新機種のRabbit 6000と比べると2世代前とは言え、Z80テイストの8ビット機としてはなかなか強力。
※「鳥なき里のマイコン屋」投稿順Indexはこちら
何か面白いものないかな~と探していて見つけました。
です。例によって秋月電子通商殿で見つけました。「値段づけ間違ってる?」かとまで思われるお求め易い価格です(3000番台の機種のキットよりずっと安かったです。古い機種なので投げ売り?)マイ・ブームになったので次回の部品購入の折、もう一台買いたいような気がしています(値段が上がっていなければ。)
Rabbitプロセッサについては以下の回で調べています。
鳥なき里のマイコン屋(38) Digi、Rabbit、独自進化の強力8ビット
かいつまんで言えば、Z80とアセンブラレベルで上位互換「的」(完全ではない)な8ビットのマイクロプロセッサ。なのですが、命令セット、レジスタからメモリ空間など独自拡張しまくりの上、最上位機種の6000シリーズでは200MHz動作でLANとWiFi対応という「化物」8ビットです。今回入手は2世代前の
Rabbit 4000
を搭載したRCM4010というモジュールの開発キットです。それでも
-
- 60MHz動作
- SRAM512KB、Flash512KB
- Ethernet I/F(10BaseTだけれどもね)
という概略スペック。なお、Digi international社の Rabbit ホームページは以下に
開発キットの構成
開発キットはずっしりと重い箱に入って届きました。重さだけでもお値段以上かもしれないです。メインディッシュは、以下の2枚のボードです。
左がRabbit 4000プロセッサとFlash、SRAMそしてEthernet I/Fを搭載したCPUモジュールで、右が電源コネクタ以下のインタフェースピンおよび、開発用のユニーバーサル基板部分を含むプロトタイピングボードです。念のいったことにバックアップ用のボタン電池のフォルダには電池まで実装済(そうとう古そうなので電池がまだ生きているか知らんけど。)
2枚のボードはプロトタイプボードの中央やや上にある50ピンコネクタで接続します。スペーサなどもキットに含まれてます。
次にケーブル類ですが、まずフラットケーブルが2種。どちらも片方の端はIBM-PC式の9ピンの「RS-232C」です。上の方のケーブルには途中小さなボードが挟まっておりプログラミング&デバッグ用です。途中の小ボードはデバッグインタフェース?かと思いましたが単なるレベル変換みたいです。古いとは言えRabbit4000は3.3V IOのチップなので、5Vのシリアルには直結できないためです。9ピンDSUB使わなければ出てこない問題ですが、当時はまだシリアルというと9ピンDSUBだったからかな。もう一方は通常のシリアル通信用です。これまた「わざわざ」プロトタイピングボード上にレベル変換チップ載っています。
そして、Ethernetケーブル(Rabbit4000のI/Fが10BaseTなのでCAT.3かとも思いましたが、普通のCat 5eでした。よかった。)と、結構デカイけれども9V1A品ACアダプタ、です。
これ以外に、CD-RとEasy Referenceという大きなシートも含まれていましたが、この件は後で。
ボードを組み立てて電源を接続
組み立てそのものは難しくもなく、大した手間もかかりません。電源ONにしたところが以下に。電源コネクタの上の電源LEDが赤く光っているのが見えますか?
開発用ソフトウエアのインストール
開発用ソフトウエアは、Dynamic Cという、ANSI-C言語(C89?)を独自拡張したらしい(独自拡張好きだな)C言語です。当然C11とか「近代的」な言語仕様じゃないと思います。知らんけど。
同梱のCD-ROMに記録されているバージョンはWindows10などには対応していないようです。インストーラは立ち上がるのですが、先に進みません。そこでDigi international社のページから最新版をダウンロードさせていただきました(要登録。)こちらはすんなりインストール成功して立ち上がりました。
Dynamic C は、エディタ、書き込み、シリアルモニタ、デバッガ等の機能をすべてまとめたIDE環境です。最初にやるサンプルプログラムは、
PONG.C
みたいです。コンパイルもすんなり成功。エディタで開いているところが以下に。
Runしてみると、シリアルモニタ画面に切り替わり、黒い点が四角の中で跳ね回ります。ちょっとフォントの指定に問題ありそうだけれど、Rabbit4000動作してますな。ちょっと感動。
なお、まず最近のパソコン(私のパソコンは最近ではないが)には9ピンDSUB付いてないので、最近あまり目にしないIBM-PC式の9ピンDSUBのシリアルインタフェースが必須な点は注意が必要です。また、そいつらのデバイスドライバも要注意です。Windowsが標準でサポートしていなかったりします。メーカからドライバのダウンロード必要かもしれません(私の購入したものも付属のCD-ROMのドライバはダメでしたが、メーカへ行くとちゃんとWindows10/11用みたいなドライバおいてありました。)とりあえず1本あれば、プログラムの書き込みとRUNした後のstdioとの通信はできました。
鳥なき里のマイコン屋(151) PlatformOのunittest、使ってみた へ戻る