お手軽ツールで今更学ぶアナログ(104) ディスクリート・トランジスタでアンプ出力段その2

Joseph Halfmoon

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の2021年11月号の2回目です。前回はLTspiceで動作観察だったので、今回はブレッドボード上に回路を組み立てて「お手軽ツール」で動かしてみます。まあまあ期待通りに動いた、と思ったらそうでもなかったりして。なぜ??

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前回も掲げましたが、学生でもないのに勉強させていただいとります アナデバ様の2021年11月号Web記事(日本語版)へのリンクが以下に。

ADALM2000による実習: アンプの出力段

アナデバ製の学習用万能計測ツール ADALM2000 を使えとの思し召しとはチト違い、Digilent社Analog Discovery2使っております。まあ中味の主要チップはアナデバ様製みたいだし。

基本構成、プッシュプルの出力段回路

前回、LTspiceかけるのに使った回路図を再掲載いたします。エミッタ・フォロワ回路を2つ重ねた回路であります。前回観察しましたとおり、電流は流せるのですが、入力電圧が0V付近でどちらとも電流流せない領域があって特性が折れ曲がってしまうのでした。

PushPullCir

まず入力信号に3V振幅(ピークツーピーク6V)、オフセット0V、1kHzの正弦波を加えよということであります。以下波形では、黄色C1が入力信号、青色C2が出力信号です。以下のグラフでは0V付近の折れ曲がり(歪)がイマイチみずらいです。

CIR1_TIMpp6V

XYグラフが以下に。入力X軸、出力Y軸です。入力電圧が0Vプラマイ0.6Vくらいの範囲(デッドゾーン)が出力されない領域になっとりますな。これは予定どおりの挙動かと。CIR1_XYpp6V

どうも6Vピークツーピークでは時間グラフ上のインプレッションが弱いせいか、3Vピークツーピークでもやって見よとのご指示があります。以下は上から振幅を半分にした上に周波数を100Hzに落としたもの。0V付近で出力波形(青)が見事に歪んでいるのが分かります。予定どおりね。

CIR1_TIMpp3V

その時のXYグラフが以下に。

CIR1_XYpp3V

 

ゼロクロッシング歪みを除去する回路その1

さてお待ちかね(誰が待つというの?)のゼロクロッシング歪みを除去する回路その1です。前回のLTspiceの回路を再掲載しました。ダイオード接続のVBE分で「プレバイアス」をかけるのだそうな。そうすればちょうどデットゾーン分を手繰り寄せて上下連続させられる?ただし、アナデバ様の思し召しでは、VBEのそろったデュアルトランジスタを使え、ということなのに使えてません。ADALP2000所蔵の2N3904および2N3904で代用してます。特性も測ってない、成り行きで組み立ててます。前回のシミュレーション上では特性そろってますが、実機では大丈夫なのか?

組み立てた回路の様子が以下に。

2021NOV_DUT2

さて、まず振幅1V、オフセット0V、1kHzの入力信号を加えた場合の波形。黄色の入力信号と青色の出力信号、ほぼほぼ重なっています。0V付近の折れ曲がり見えないし、いいんじゃね。CIR2_TIMpp2V

上記をXYグラフにしたものが以下に。私には線形に見えます。よかった。CIR2_XYpp2V

振幅を1.5VにしたときのXYグラフがこちら。あれれ、+1.5V付近でサチっている感があるのよ。。。

CIR2_XYpp3V

振幅を3Vにしたときの様子が以下に。プラス側、マイナス側ともサチってしまっています。なぜ?

CIR2_XYpp6V

ゼロクロッシング歪みは予定通り除去できたみたいだけれども、上下でサチってしまうのはなぜ。確か、シミュレーションじゃ3V振幅くらいじゃサチらないように見えたのだけれど。ううむ。。。(またそのうち?)

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