以前にも大文字のCO2というサンプルデータセットを扱ったのですが、今回は小文字の co2 です。小文字の方が話がデカイです。地球規模での皆さまの関心、CO2濃度の上昇についてのデータです。サンプルデータセットはある時点までのデータですが、このデータセット自体は現在も測定中です。ここを入り口に地球規模の変動を確かめる?
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まず以前にやった大文字の方の CO2 という名のサンプルデータセットについての記事は以下です。
データのお砂場第4回 イネ科植物における二酸化炭素の取り組み
今回の小文字の方の co2 という名のサンプルデータセットについての解説ページは以下にあります。
Mauna Loa Atmospheric CO2 Concentration
ハワイ島マウナロア山の3397m地点におかれた観測点におけるCO2の時系列データです。R所蔵のサンプルデータセットのデータは1959年1月から1997年12月までの濃度データ、単位はppmです。このサンプルデータのもとは、Scripps CO2 Programの
だそうです。このプロジェクト自体は現在も営々と続けられていて、最新データをダウンロード可能です。トップはこのマウナロアのデータですが、他の測定ポイント(地図上でみると都市の影響など受けにくい大洋や極地の地点、それも異なる緯度が網羅されている感じがします)のデータもあります。今回サンプルデータセットはマンスリーですが、ウイークリー、デイリー、10分版のデータまであります。恐るべし。
なお、どうも測定には、manometric という用語を冠して名付けられている装置が使われているみたいです。調べてみたら以下のサイトに写真や説明図がありました。上記のデータを測定しているのが同じような装置なのかは分からないです。しかしppmの100分の1レベルの有効数字のデータなので、それなりの装置なんだと想像します。
NOAA Global Monitoring Laboratory
最近は日本中にマイコン+CO2センサの簡易測定装置が普及した感がありますが、多分、数十から数百ppmくらいの精度のそれらと比べるとこの装置は段違いかと。
まずは生データ
生データは、TS(時系列)データで、測定間隔は毎月、ppm単位のco2濃度です。
解説ページの処理例は単純プロットのみ
今回のサンプルデータセットの解説ページには処理例の記載があるのですが、極小。
上記で「ちょっと良かった」のはexpression()関数の使い方ですかね。実際のプロットが以下に。
見事に季節変動ありの、右肩あがりのトレンドのあるデータです。恐ろしいデス。しかし現実は、このデータセットの末尾から20年以上も経過しとります。
季節変動、トレンドの分離
上のグラフ描いておしまいでは芸がないので、トレンドと、季節変動を分離してグラフを描いてみました。大分前にやっていた筈。例によってやり方は同志社大の先生の以下のページを参照させていただきました。
処理方法が以下に
plot(stl(co2, s.window="per")) title(main = "co2 data set")
作製したグラフが以下に。
seasonal 季節変動は、春先から初夏にピークを迎え、秋から晩秋くらいにボトムとなるような変動でした。多分、co2は植物の生育状況で変動するのであろうけれど地球規模です。北半球(陸が多い)と南半球(海が多い)の夏と冬、そして「遅延要素」の結果なのでしょう。もしかするとハワイの緯度ではそうだけれども、他の地点では変わるのかも。地点ごとに比較してみると面白いかもしれませんぬ。
しかしそれにしても trend は一直線、単調増加。ヤバイっす。