定番回路のたしなみ(8) 定番とは言えない?ダイオードロジックでANDしてORして

Joseph Halfmoon

前回ダイオードの回路であったのと、別シリーズでTTLをBJTで組み立てたりしたので、今回はダイオードロジックを実験してみます。ダイオードがあれば、ANDでもORでも論理回路は作れるのだ、と。遅いので近年使われないような気もします。トランジスタと組み合わせたダイオード・トランジスタ・ロジック(DTL)は大昔の定番回路か。

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ダイオードロジック

論理入力信号一本一本にダイオードを1個1個順方向に取り付けてその出力を相互結線、そこにプルダウン抵抗を接続すればダイオードを使ったOR回路のできあがりです。そのとき電気的な特性が許す範囲で、入力信号の本数などはいかようにでもなると。とってもお楽。

そしてORの回路のダイオードを逆方向に取り付けなおし、プルダウンをプルアップに変更すればAND回路になると。こんな感じっす。diodeLogicCIR

ダイオードを通過すれば電圧レベルがVf分落ちるし、そのままこの「ロジック」を接続しつづけるのは無理があり、この出力にトランジスタをとりつけて「レベル」を回復してやる必要があります。大昔は使われた回路方式みたいっす。「Diode-transistor logic」で検索っと。

上記の 1N4148 小信号用ダイオードをつかった「LOGIC回路」をLTspiceした結果が以下に。黄緑と青が入力信号。赤がORの出力、水色がANDの出力です。入力vb1の立下りとvb0の立ち上がりが微妙に重なってしまっているので、AND出力に細いグリッジが載ってしまってます。御勘弁。

diodeLogicTIM

2入力ORとANDの実機確認

ブレッドボード上に、2入力のOR(左)と2入力のAND(右)を組んだところが以下に。簡単?diodeLogicDUT

Digilent社Analog Discovery2の2チャンネルづつしかないオシロやアナログパターンジェネレータではちょいと見ずらいので、16本まで使えるロジアナ/ロジックパターンジェネレータ機能を使って上記の動作を確認してみました。

左側のNameにあるとおり、下からORの入力2本、ANDの入力2本、ORの出力、ANDの出力です。DiodeLogicLogAna

実用的にはこの出力の先に、バイポーラなり、MOSFETなりで「増幅」する回路を取り付けるので出力は反転、NANDもしくはNORとして使うのではないかしらん。といって、今はダイオード・ロジックなんて使わんか。

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