前回は高精度オペアンプ(両電源)「4種盛り」にてド定番な反転増幅回路を嗜みました。今回も高精度カテゴリですが、単電源オペアンプを使用して非反転増幅回路を実験してみます。使用するオペアンプはLT1006。入力電圧範囲はグランドまで可能なので、0Vに近いmV単位くらいの信号をADにかけやすいくらいの電圧まで100倍増幅。
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今回実験に使用のオペアンプ
今回実験に使用のオペアンプはアナデバ製の以下のオペアンプです。
残念なことに、一言も「レールツーレール」とは言ってません。上記ホームページから引用させていただくと、
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- 入力電圧範囲がグランドまで拡張されている。
- 電流をシンクしながら出力がグランドまで振幅する。
ということで、下のレールの方は届くけど、上はダメね、という感じみたいです。負荷抵抗の値にもよりますが、5V電源時1kΩ負荷でも上はせいぜい4Vくらいまでみたいっす。
しかし単一電源の電源電圧は最低2.7Vから。3V系、3.3V系のIO電圧の相手デバイスにも対応できるのではないかしらん。
まずはLTspice
LT1006はLTspiceのデフォでExampleモデルが含まれております。それが100倍の非反転増幅回路だったので、それを流用させていただいております。ただし、実は実機実験の方を先にやっており、実機実験のときの入力波形などに微妙に「寄せて」ます。
上記の例は電源電圧3Vですが、5Vでシミュレーションしても結果はほぼ同じです。以下黄緑が入力信号、赤が出力。違いは左側の電圧の値だけにみえます。
ゲインは以下で求まるので
1+R1/R2
ちょうど100倍されとります。
現物回路で実験
99kΩの抵抗が無いので、33kΩを3個シリアルに接続しております。
まずは電源電圧5Vのときの結果が以下に。黄色がVin、青がVoutです。電圧違い過ぎるので左のメモリはVinのものです。右側の測定結果みるとVinのほぼ100倍の波形がVoutに現れているのが分かります。
電源電圧5Vでも3Vでも波形はほぼほぼ変わらず。