アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年2月号(和文版)の実習です。連載ようやく旧に復した感じ?っす。さて今回は、アナデバ製の学習用部品キットADALP2000所蔵のトランス2機種についてその周波数特性を測れ、というお題です。最初は1:1、つづいて1:2、2:1といった巻数比でやれ、と。
※「お手軽ツールで今更学ぶアナログ」投稿順 indexはこちら
今回実習させていただく記事(和文)へのリンクは以下です。
今回は上記記事の前半のみ実習させていただいとります。例によってアナログ素人の年寄がアナログ権化のアナデバ様の記事に申し上げたいこと、これありということで。
実習に使用するトランス
今回実習に使用したトランスは、以下のアナデバ製のパーツキット所蔵のものです。
型番としては以下の2種です。
-
- HPH1-0190
- HPH1-1400
どちらも米国イリノイ州は、coilcraft社の製品です。同一の巻き数のコイルが合計6巻まいてあり、それぞれ独立端子に両端が出ているので「いろいろ実験」しやすいデバイスです。多分学習用?データシートへのリンクが以下に。
coilcraft社の製品を拝見していると「俺もコイル巻きて~」という気がしてくる逸品であります。
巻数比1:1、特性の評価
独立したコイルが「6巻」巻いてあるデバイスであるので、巻数比的にはいろいろな組み合わせで実験できるようになってます。2種のデバイスの違いはコイル1巻あたりのインダクタンスの違いです。データシートによると
-
- HPH1-0190L 12.2μH±20%
- HPH1-1400L 89.6μH±25%
今回は1:1とは言え、ご指示は、1:1(REDと呼称)、2:2(BLUEと呼称)、3:3(GREENと呼称)の3種類で周波数特性を測れというものです。
「図2.トランスの評価回路」という回路図が掲載されており、そのとおりに1:1結線したものが以下です。
当方手元で上記を測定したグラフが以下に(アナデバ様のご指示はアナデバ製ADALM2000で測定ですが、例によって当方ではDigilent Analog Discovery2を使用であります。すみまっせん。)
上記に対応するハズの周波数特性のグラフが図4に掲載されているのですが、図4では位相が0°付近になってます。明らかに同極性の測定みたいです。しかし上記の測定結果は明らかに逆極性。トランス素人が図2の回路図をひっくり返して確認してみましたが、図2の回路図の通りだと2次側逆極性になる筈。
それに疑いの目で見てみると図4の測定結果、Magが-7dB付近にあるのも不思議。トランス自体1:1で、かつ測定はCH1に対する相対指定でやれと書かれているので、Magは0dB付近にいるハズなのでは?ううむ。
不埒にも位相グラフは0°付近にいる方が見やすい、という1点で、2次側が同極性になるように回路をヒックリ返して実験してしまいました。その結果が以下に。
-
- HPH1-0190L、1次2次1:1
-
- HPH1-0190L、1次2次2:2
-
- HPH1-0190L、1次2次3:3
-
- HPH1-1400L、1次2次3:3
-
- HPH1-1400L、1次2次2:2
-
- HPH1-1400L、1次2次1:1
結構時間かかったんだが、代わり映えせん結果よな。