過去回でGemini様はハード不得手じゃないかと不埒なことを書いてます。でも前回、回路図をアップロードした上でプロンプトにお願いしてみたところ「もっともな」ご回答をいただけました。なんだ回路図を入力しておけば良かったのね?今回投げかけてみるのはトランスインピーダンスアンプです。シンプルだけれどチョイとムズイやつ。
※Google様の生成AI、Gemini(無料プランだけれども)を使って回路を「吟味」してもらっています。
トランスインピーダンス・アンプ
普段は電圧波形を扱っていることが多いじゃないかと思います。でもセンサなどを扱うときに電流波形、それもビミョーに小さい電流の変化を捉えなければならないケースがままあり。そういうときに使うのがトランス・インピーダンス・アンプっす。μA単位の電流波形が、あれよあれよといううちにV単位の電圧波形になるっと。
今回は別シリーズの過去回で使ったトランスインピーダンスアンプの回路図をGemini様にアップロードして、ご相談申し上げてみたいと思います。
回路図が以下に。アップロードしてから気づいたのです。下記の回路図はシミュレーション用ではなく、何の検証もしてないヒトがみるだけのものでした。こうして眺めると、OPAMPの電源の上下の端子名、間違ってますわい。青い文字は今書き込んだものです。そんな回路でも受け入れてくれた心の広い?Gemini様です。コマケーことは言わんでも分かっておる?
最初のプロンプトへの入力
回路図をアップロードした上で、前回とまったく同じ茫漠とした問いかけをまずしてみました。
この回路が何だか分かりますか?
Gemini様の回答3案、すべて上記を「非反転増幅回路」と判定してました。あまつさえD1のOP999(赤外線フォトダイオード)を入力保護用などととぼけたことを言ってます。回路図シンボルのせいなのかも知れないけれどもこれはダメだ。そこでOP999は赤外線フォトダイオードだとお教えしてみたら、OP999の説明を始めたりして肝心のトランスインピーダンスアンプから遠ざかります。
仕切り直しでプロンプトに再入力。
さらからの再入力の投げかけが以下に。こんだけハッキリ言ってんだからわかるっしょ。
OP999、赤外線フォトダイオードを入力としたこの回路が何だか分かりますか?
ホンワカした筋はあっているのだけれど、OP999をオペアンプって何。ちゃんとOP999はフォトダイオードだっていったじゃん。
上記の回路は、以下の別シリーズの過去回で赤外線リモコンの「生波形」を取得するために使ったものです。
部品屋根性(112) AD8656でトランスインピーダンスアンプ、赤外線リモコン生波形
赤外線リモコン用には専門の受光モジュールがあります。お手頃価格で入手性も高いです。しかし受光モジュールを使ってしまうと内部に「復調回路」まで含まれているので01のデジタルな波形になってしまいます。通常はその方が嬉しいわけですが、復調前の生波形が観察して~ということでアナログ素人の老人がわざわざトランスインピーダンスアンプもどきを作って波形を観察しておったわけです。
「用途」は見抜かれたけれども、上記の記述から、もっと性能の良いトランスインピーダンスアンプへの改良はちょっと望み薄やな~。
やっぱ専門ツールだね
生成AI、Gemini様には申し訳ないのですが、Web上にはトランスインピーダンスアンプを設計するためのリソースが存在しているのです。アナログの権化、アナデバ様の以下のページです。
フォトダイオードを選定し、動作条件、使用するオペアンプなどを入力していくとあれよあれよといううちにトランスインピーダンスアンプを設計してくれる専門ツールです。まあ、アナデバ様のツールなので選択できるオペアンプはアナデバ製に限られますが。。。
実際に上記ページで条件入力して設計していただいた結果が以下に。
2回路入りのオペアンプの使ってない回路の始末までご指示いただいているのはプロフェッショナルな証拠やな。
その時のパルス応答波形が以下に。ターゲットのパルス幅は一応5μsとしてあります。「生波形」のパルス幅は10μs以上ある筈なので。
当然、周波数応答のグラフもあり。まあ「生波形」には十分でないの。知らんけど。
横に別なボタンもあって、それ押すとアナデバ様にオペアンプの発注までできるようになってるみたい。押さんけど。