特許の失敗学[10] 特許庁の広報 ビジョン

特許の失敗学

特許庁の広報

特許庁のステータスレポートを見てみようと、特許庁のHPを探していました。興味を引くコンテンツが多数ありまして、また興味発散しそうなので適当なところで区切ります。
特許庁には広報課は無く、総務部総務課に広報室があります。広報室の予算は潤沢なように拝察いたしますが、SEOは気にしてないと見えます。あるいは、官庁としては民間企業のようなHPにはできないのでしょうか。民間企業のSEO担当者にしたら羨むような環境ですな。

「特許の失敗学」の過去記事のフォローアップも行います。
出典:明示のないURLは全て特許庁ウェブサイトです。

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特許の失敗学[9] 特許庁のサービス はじめての方へ

特許の失敗学
特許庁のサービス
個人発明家が「いかに無料でお手軽に特許調査するか」という記事を書く予定でしたが、調べるうちに「知財システムのパラダイムシフト」を知りました。AIがひたひたと知財の世界にも進出しています。このままだと調べものが発散して記事が書けないので、特許の基本に戻ります。まずは特許庁が無料で提供しているサービスからの紹介です。Araha が知財部門を離れて数年になりますが、特許庁のサービスは驚くほど拡充していました。 “特許の失敗学[9] 特許庁のサービス はじめての方へ” の続きを読む

特許の失敗学[8] クレーム(その3) 発明の本質

特許の失敗学
「発明の本質」

クレーム(特許請求の範囲)は特許担当者にとって最重要なアウトプットです。上手いクレームができると仕事の達成感があり、特許出願に続く特許権利化や特許権活用に期待できます。上手いクレームとは、特許法の特許要件を備え、必要十分な最小の構成要素で、瑕疵が無く、かつシンプルなクレーム、であると考えます。その前提として「発明の本質」を捉えねばなりません。発明者のみならず、特許担当者や担当弁理士も「発明の本質」が何かを考えます。ところが優れた発明は「発明の本質」が解明しがたいことがあります。後年の実施製品を見て「発明の本質」に気が付いて後悔するという失敗は「特許あるある」でしょう。 “特許の失敗学[8] クレーム(その3) 発明の本質” の続きを読む

特許の失敗学[7] クレーム(その2)NGワード

特許の失敗学
NGワード
特許クレームは契約書と同じく一言一句、注意深く記載しなければなりません。特許クレームにはNGワードのようなものが多数あるため注意しないと失敗します。特許審査官は、当然ながら欠点のあるクレーム記載を理解していますが、問題点を出願人に教えてくれません。審査官は特許法や審査基準に基づいて審査して必要な拒絶理由を通知するのであって、審査した特許が有効(収益可能)かについては出願人に通知することはありません。 “特許の失敗学[7] クレーム(その2)NGワード” の続きを読む

特許の失敗学[6] クレーム(その1) Simple is best

特許の失敗学
Simple is best
テレビ番組に特許ネタが出てくると、知財業界人は思わずコメントをしたくなります。近年で最も有名なのは『下町ロケット』でしょう。実際の特許訴訟を扱ったNHKドキュメンタリー『逆転人生』にも多くのコメントがあります。
逆転人生「最強アップルVS.貧乏発明家」
この「クリックホイール特許」の話は『逆転人生』のタイトルとおりに感動的な実話です。しかし失敗学の観点では、失敗の状況をNever give upで成功達成した「はやぶさ」と似た実例であり、失敗の実施を繰り返してはなりません。 “特許の失敗学[6] クレーム(その1) Simple is best” の続きを読む

特許の失敗学[5] 特許は法律文書

特許の失敗学
特許は法律文書
特許は法律文書です。「特許の失敗学[1] 特許と論文」では著作権について違いを考えました。今回は特許文書と技術文書との法律的な違いです。特許文書を技術文書と同じつもりで作成すると失敗(残念な結果)となります。「特許は法律の世界」を意識したのは知財部門に異動した後のことで、設計者時代には特許の理解が浅く、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られそうなArahaでした。 “特許の失敗学[5] 特許は法律文書” の続きを読む

特許の失敗学[4] 「2対6対2の法則」

特許の失敗学
「2対6対2の法則」
今回は特許には直接関係しない「失敗学」の番外編です。
「特許の失敗学[3] 特許副業のススメ」の投稿後に、[作家・江上剛氏の記事] を読んで、かねてから疑問に思っていたことが、なんとなく理解できた気がしました。
「2対6対2の法則」とは、会社をはじめとする組織において、勤勉な人が2割、普通の人が6割、怠け者が2割という比率に分けられるというものです。働きアリの社会で観察された事象が、人間社会の組織にも当てはまるという驚きの法則です。 “特許の失敗学[4] 「2対6対2の法則」” の続きを読む

特許の失敗学[2] 自筆明細書


「当社の知財状況は、以上のとおりでございます。」
「ところで、出願費用が結構あるけどなんとかならんのかね。」
「はい、知財部門でも明細書作成しておりますが、特許出願のうち~%は社外の特許事務所に委託しております。」
「そこは、キャッシュアウトを減らすことを考えんと。」
「技術者たるもの特許くらい自分で書かないとね。私の若いころは自分で特許を書いていたよ。」
「は、技術者の教育目的も含めて発明者の自筆明細書を検討いたします。」
というような会議結果がトップダウンで降りてくると、技術者が特許明細書を書く計画となります。この計画は失敗に終わる可能性が高いです。 “特許の失敗学[2] 自筆明細書” の続きを読む

特許の失敗学[1] 特許と論文


特許と論文
技術者や研究者にとって、特許と論文とは情報収集の手段であり、成果のアウトプットとして重要でもあります。これらの共通点はありますが、実務では大きな違いがあります。ネット上には「特許と論文の違い」で検索すれば、多数の記事を読むことができます。それら記事を参考にしつつ、Araha が考える特許と論文との違いをまとめました。 “特許の失敗学[1] 特許と論文” の続きを読む

特許の失敗学[0] 私の知財歴


「あなた、最近どんな失敗しました? 」
2019年末のNHKドラマ「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」のヒロインが初対面の相手に尋ねる質問です。初対面でこの質問はドラマ演出と思いきや、最近の就職面接の定番の質問のようです。このドラマは「失敗学会」の監修とのことです。
NHKTVドラマ「ミス・ジコチョー」 – 失敗学会
http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=news1078

「特許の失敗学」
は、私の経験から特許に関連する失敗を開示することにより、発明者の皆さんの他山の石としていただくことを目的としています。 “特許の失敗学[0] 私の知財歴” の続きを読む