介護の隙間から(8) バイタルセンサ、徘徊検知だけじゃ勿体ない

JosephHalfmoon

今回注目するのは、バイタルセンサー(脈や呼吸といった生体特有の情報をセンスするセンサ)を用いた見守りシステムです。どうも荷重センサとか無線タグとかばかり考えていると、計測の対象は人間様なのだ、ということを忘れそうになります(私の個人的な反省です。実際に販売されている各社の人々は忘れることはないでしょう。)。人をケアするのが目的、あまりセンシング、センシングとはいいますまい。けれど本当のところ、MCUの方でSiLabs社調べていたときに、脈拍センサ(こちらはオーソドックスなLED使った接触型)を見つけ、そういえば徘徊検知分野でも、バイタルセンサを使っている会社さんがあった、それも特小無線使った非接触のタイプだった、と思い出したのが今回の入口です。

まずは、会社のURLを貼り付けておきます。

株式会社ミオ・コーポレーション

ホームページに行ったらトップから「非接触のバイタルセンサ」がバーンと登場します。そして「1万台突破」の景気のよい文字が躍っています。そちらのページでいろいろ説明があるのですが、パスするわけにもいかないので、こちらでも一応説明しておきます。電波法的には特小無線のカテゴリなのですが、無線をコミュニケーションに使うのではなく、電波のドップラー効果を使った一種のレーダー装置です。24GHz帯をつかっています。ドップラー効果なので、原理的に近づいたり、遠ざかったりする動きのあるものを検出できる筈です。実用的には、ベッドサイドに設置した装置から3mくらいの範囲で、呼吸による身体の動きや、身体の表面に現れる脈をセンスできるのだそうです。ハイテク!と思わず関心してしまいました。しかし、です。呼吸とか「一歩離れたところから」測れてもどうそれを価値に転換するかな~とちょっと考えてしまいました。呼吸とか脈拍とかを医療用途で計測するとなると薬機法(いまだにこの言い方慣れません、「薬事法」が頭に染みついています)の世界で、この技術の得意とする範囲からは外れそうです。かといって「脈拍センシング」の最大の市場はスポーツ(マラソン走る人用の腕時計など。市民ランナーだけでも結構な数)の筈です。広いところで走り回ることになるので、まさにこの技術からは射程外。折角の技術ですが「徘徊検知」の狭い範囲だけではどうなのよ、と考えてミオ・コーポレーションさんのHPへ行ったのでした。が、メーカさん、ちゃんと考えていました。当然でしょうね。すみません。もし関係者の人見ていたら、浅墓な私メをおしかりください。

ベッドの上にいる、いないを呼吸センシングでとらえることはできるわけです。とりあえず「離床センシング」としてはこれでOK。でも、せっかく呼吸、脈拍とれるのです。まずは、呼吸なし、のような緊急事態の検出にも使われているようです。さらには、「睡眠の質」を計測するタイプもあるようです。ベッドの回のときに取り上げたパラマウントベッドさんとは方式は異なります狙いはかぶりそうですが、これこそ、あるべき姿か。

なお、この会社さん、介護系の専業というわけではなく、電子デバイス系のガチのハード屋の匂いがプンプンします。介護の仕事も直接やったことはあるけれども、会社のスタンスとしては電子系のハード開発。一応SDKっぽいソフトも供給するけれども、できたらソフト開発、システムとして作り上げて、設置して、オペレーションして、といったところはやりたい人がやって頂戴、という感じなんでしょうか。電子デバイスを使っても、介護分野専業という感じのシステムハウスさんとは毛色がちょっと違うようです。

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