ついウキウキしておりますのは、GW「明け」とともに秋月電子通商に発注しておりました「部品」が届いたからであります。アナデバ製ADALP2000パーツキットであります。アナデバ様のICよりどり満載。しかし、思い出してしまいました。Araha氏からの宿題があったのです。ADALP2000で楽しく遊ぶのは後にして、忘れないウチに宿題を進めておくことにいたします。
※かえらざるMOS回路 投稿順 INDEX
宿題の詳細にご興味のある方は、帰らざるMOS回路(5)で「弁明」しているのでそちらをご覧ください。ぶっちゃけ、NMOS「もどき」回路をディスクリートで構成するにあたって、
デスクリートのMOSトランジスタは電流ながせ「過ぎ」る
がために、今回の実験環境下では、回路によっては「醜い」電流制限抵抗を入れないとならないケースがある、という問題です。せっかくのMOSトランジスタの特性がひん曲がってしまいます。作るのは論理回路と言えど「許せない」と(Araha氏が)。そこで抵抗じゃなくて、トランジスタを直列に並べたらMOSの特性を損なわず、電流制限できるじゃないか、というのが宿題その1であります。ま、氏もおっしゃっていましたが、
MOSトランジスタを並列に並べる(S, D, G共通の複数トランジスタ)
というのはLSIの内部ではよくやる手です。1個じゃ足らないときは何個も並列にして電流稼ぎます。しかし、直列(G共通)で多数並べるというのは、普通やりませんわな。電流制限するためには、致し方なかろう、と。
具体的な回路にしないと分かりにくいと思うので、左のような回路を描いてみました。(良い子はマネしないように)
氏は5個もならべりゃ大丈夫じゃん、みたいな楽観的なことを言っていましたが、私は心の中で「データシートのON抵抗とか確かめてないでしょ。。。」とツッコミをいれておりました。
わたし的には、この倍の数くらい並べないと、使える電流容量「予算」に見合った小電流化は果たせまいと見積もって(とはいっても心の中です、手を動かして計算などしていないのは同じ)いたのですが、左のように7個で実際に測ることにしてしまいました。その理由は、次の写真を御覧ください。
例のディスクリートチップの変換基板(ADALP2000 を買ったお陰でこの手の基板を英語で “Breakout board for surface-mount device”、短縮してBOBと呼ぶことに気付きました。)を手元の小さなブレッドボードに刺し込んでいったところが、ギリギリ8個目が乗らなかったがための7個です。キリが悪いケドしょうがない。ブレッドボードにたかだか7個ならべただけでも、十分、後悔が先に立つ感じがしました。(まあ、後で本題のNMOS回路に流用できることに気付いたので、よしとします。)
それにしても、これ全体で
1個のNMOSトランジスタ
相当の回路にしたわけで、その大きさにはあきれる限りです。これを基本トランジスタにして論理ゲート組み立てるなど思いもよりませんな。プンプン。
とは言え、ちゃんと、特性を測りましょう。トランジスタのIV特性を。例によってアナデバM1Kをとりだし、CH.Aでこの「トランジスタ」のS(ソース)、D(ドレイン)間にSVMIモードで遅い三角波を加えて、SD間の電圧に対して流れる電流を測ります。CH.Bはといえば、G(ゲート)に固定電圧を与えるのに使います。
実際に、回路を組む時は電源電圧5Vの予定ですが(そうNMOSでも後期、5V単一電源の世界の模擬)、5Vかけてしまうとどれだけ電流流れてしまうか恐ろしいので、とりあえず下のような設定で、まずは3Vで見てみました。
ゲート電圧3VでIV特性みれば、5Vが「無謀」な試みであることが分かるに違い無い。
なにせM1Kに許された総電流予算は「200mA」までと限られているので、最初からバンと流したわけじゃありません。そろそろと電圧を上げ、様子を窺いながらです。
心の中で「だいぶM1Kにも慣れてきたワイ」などと自惚れつつ。
でました、Ids-Vds特性のグラフ、ゲート電圧3Vの時です。
御覧のとおり、3Vでも70mAちかく流れています。ちょっとね、トランジスタ「1個」でこれではね、ロジックをね、組めないね、多分。すみません。やっぱり、要所に電流制限抵抗いれる方が楽。なにせ、表面実装部品の変換ボード作るだけでも大変、気力が持ちませんワイ。
ちらちらと横眼で、届いたばかりのADALP2000の箱の中を眺めれば「表面実装のアナデバ製ICをBOB化してブレッドボードに刺さるようにしてくれたもの」が多数であります。老眼で苦手な半田付けをしないで済む!それにいつも適当な数値の在庫が無くて困る受動部品類も、いろいろな比率を試せるように一通り入っている。これは遊べる?
でも、折角ブレッドボードに差し込んだBSS138の方もも少し使ってやらないと。