お手軽ツールで今更学ぶアナログ(57) ADALM1000の最後にオペアンプ AD8542

Joseph Halfmoon

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」は2019年5月号にたどり着き、ひとつの節目を迎えました。今までお世話になってきた「お手軽ツール」アナデバ製ADALM1000(M1K)を使った実習の「最終回」なんであります。連載は続くので「中締め」というところか。1回に無理やり詰め込んだ感ありの疲れる一回です。

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さて、今回読ませていただくのは、以下にリンクを貼り付けさせていただきました「オペアンプ」に関する記事なんであります。

「ADALM1000」で、SMUの基本を学ぶトピック17:基本的なオペアンプ回路

基本的なオペアンプ回路といって以下を1回に押し込めてあります。

    • ボルテージフォロワ
    • 非反転増幅器
    • 加算回路
    • 反転増幅器
    • コンパレータ

アナログの権化のアナデバ様(ADI社)なので、こんな基本は御茶の子さいさいで、飛ばしたいのだと思いますが、振り返ると今までのゆるゆるとした進捗は何?とちょっと言いたい気もいたします。ま、多分、来月から使用するツールが変わるので「進行」の都合だったのかもしれません。

解答編はいつもよりお役立ちな感じのものが存在します。以下です。

May 2019 StudentZone Quiz Solution

1点だけ、文句を垂れさせていただくと(日本語翻訳版記事)、先頭付近に「準備するもの」において抵抗一本にいたるまで部品とその数量が列挙されておるのですが

    • 1kΩの抵抗1本て書いてありますが、2本いりますぜ。
    • オペアンプAD8541は2個と書いてありますが、1個しか使いませんぜ

いいんだよ細けーことは。

なお、オペアンプAD8541ご指定なのですが、アナデバ様のアナログ部品キットADALP2000の手元のものに含まれているのは AD8542 です。AD8541は1回路入り、AD8542は2回路入りなので、AD8542があれば、AD8541の2個分で使えます。汎用CMOSオペアンプ、単電源動作、入出力レールツーレールです。そういえば、別件で「あるといいな」なオペアンプとほぼ一致(ちょっとGB積足らない?)。

AD8542のデータシートなどは以下からダウンロードできます。

AD8542 オペアンプ

これまた細かい話ですが、2回路入りのオペアンプを使って1回路の実験をやるので、念のため使わない回路が暴れださないようにしておかないとなりません。その辺検索したら、こちら資料(新日本無線、勿論日本語)が真っ先にヒットしましたのでリンクを貼りました。

ユニティ・ゲイン・アンプ(ボルテージ・フォロワ)

緑が入力信号、オレンジが出力信号です(以下全て同じ。)ボルテージフォロワなので、同じY軸使うとピッタリ重なって何だか分からないので、Y軸の位置をチョイとずらしてあります。

Unity Gain Bufffer当然、ボルテージフォロワを一つ作って許してくれるようなアナデバ様ではないので、入力を分圧(2分の1)してオペアンプに接続した上で、負荷抵抗10kΩをつけよと言われます。こんな感じ。振幅半分になりわすわな。

UnityGainBuf_iHalf_o10kそのまま、負荷抵抗を1KΩにしてみよとあります。ボルテージフォロワが頑張って電流流してくれるので、波形が変わらないところを観察せよ、ということでしょうか。こんな感じ。

UnityGainBuf_iHalf_o1k続いて、負荷なしで、入力の分圧比を50%くらいから15%くらいへ変更してみます。実際にオペアンプに入力される振幅がガックリ減るので、オレンジの出力も激減(予定どおりの15%。) 出力側は影響し難いけれど、入力側の影響はモロ見え、ってか。

UnityGainBuf_i15_oInf

反転増幅回路

さて今度は基本の反転増幅回路であります。増幅率約4.7倍。表示設定面倒だったので、CH-A、CH-Bともにオフセット2.5V指定してしまったので、2.5Vが0Vとして表示されています。実際の回路の2.5V端子には2.4Vを割り込む程度の電圧が出力されているので多少ズレている感じがしますが。ま、反転増幅しています。当然か。

INV_AMP

続いて、フィードバック抵抗の値を変更して増幅率上げてみよ、と。10倍ご指定。サチリました。その様子を観察せよとのことだと思います。なお、レールツーレールとは言うものの、GND側は0V(オフセット表示では-2.5V)まで振れていますが、上の方は約4.8V(オフセット表示では約2.3V)付近でサチっています。だいたい上の電源の5V端子も5Vまでは出力されておらず4.9Vを割り込んでいる感じなので、オペアンプ分の電圧降下は0.1Vよりかなり少ないのではないかと思います。でも完全に0ではないみたい。

INV_AMP_10x

加算回路

次の加算回路で、今まで登場しなかったM1Kの機能、デジタルIOが登場しました。素っ気ない制御パネルはこんな感じ。

DigitalIO

上記のように、制御パネルには8端子ありますが、実際にジャンパ線を差し込めるのは4端子しかありません。もしかすると他の4端子は半田付け必要?

とりあえずデジタル出力を使って加算回路を構成しているようすが以下です。

May2019DUT

デジタル出力には、0指定のとき0V、1指定のとき3.3V、HiZ指定のとき2.5Vになる「筈」とのことですが、流石です。ちゃんと電圧測っておけ、とのご指示で書き込むための表まで用意されています。測りました。結構ドロップしてる?DigitalIOtable

ご指定の加算回路<反転>(2.5Vコモンであるので、ちょっと変則だというご指摘あり)に4ビットの入力与えたときのアナログ出力(2.5V基準)sumAmpTable

この測定あたりで、既に疲れています。

非反転増幅回路

非反転の2倍増幅、ありがちな。

NonINVAMP当然、増幅率をあげるとサチります。本当は、サチリ始めるあたりの抵抗値を求め、いろいろ考察すべきなのですが、もうイケません、疲れました。一応サチッた、サチッたと次へ。ただ、今みると、表示レンジが狭いのね。本当にサチッているのか?

NonINVAMPclip

コンパレータ

続いて、オペアンプの開ループ使用ということで、比較器やります。基準電圧は2.5V(実際には2.3Vくらい?)。コンパレータしてます。これまた表示レンジが狭いままだ。疲れていたとはいえ不注意な。

COMP

これまた、いろいろあるけれど、パス、パス、パス。疲れたので皆パス。1回に詰め込み過ぎですよ。文句言ってんじゃないよ、自分。

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