お手軽ツールで今更学ぶアナログ(56) スピーカのインピーダンス測定、再び

Joseph Halfmoon

今回はスピーカです。半年くらい前に1度やった記憶があるのです。そのときはStudentZoneの記事どおりにやったわけではないので、今回は「そのとおり」にやろうと致しました(でも計算面倒でカンニングしてしまいましたが。)まあ、問題なくM1Kも動いているみたいだし。でもアナデバ様(ADI様)のフェイントに引っかかっているのに気づきましたぜ。

まずは訂正です。前回アナデバ様StudentZoneの2019年3月号の解答編が見当たらない、などとブーたれておりましたが発見しました。2月号の解答編の後に4月号の解答編があったので、浅はかにも3月無いじゃん、と書いてしまいました。誠に申し訳ございません。4月号の解答編の後、(別ページへ移った後の)5月号の解答編の前に3月号の解答編がありました。フェイントに引っかかりました。訂正文を前回記事に挿入いたしました。

さういう分けで(どういうわけだ)「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」は2019年4月号です。記事(日本語)へのURLを下に貼り付けます。

「ADALM1000」で、SMUの基本を学ぶトピック16:ラウドスピーカのインピーダンス・プロファイルを測定する

アナデバ様に恐れ多いことですが、図4にCB-Vが2本ありますぜ。1本は2.5V電源と記載すべきところでないかと思いまする。いいんだよ、細かいことは。。。

また課題に対する回答編は「ちゃんと」以下にあります。

April 2019 StudentZone Quiz Solution

正直に言うと、練習問題、自力で解かずにカンニングしてしまいました。一瞬、2元連立方程式になるので解けるかも、と思った私は馬鹿でした。胸に手をあてて考えてみると私の数学力では途中で計算間違うに決まっていると「確信」いたし、解答みてしまいました。すみません。

スピーカのインピーダンス測定

今回やることはスピーカのインピーダンス測定です。例によって最初はオシロのグラフの確認からです。こんな感じ。緑が入力の電圧波形、水色が電流波形で、オレンジが出力の電圧波形です。

Speaker1000HzTIME

0V中心に振れているように描いてますが、実際には2.5V中心で駆動しており、例によってAlice Desktopのオフセットを2.5Vにして観察(2.5Vが0Vに見える)しています。入力のRMS値はほぼ1Vrmsになるように振幅調整済。

いろいろ周波数で測れとのご指示なので、数点測定してRMS値をファイルに記録いたしました。とりあえずここまではOK。

さて続いてはお楽しみのボード線図なのですが、最初以下のような「のっぺり」したボード線図を取得して、あれあれまた、M1Kおかしくなった?と慌てました(緑が入力、オレンジが出力、黄色が位相です。)bode_Back

スピーカを見て問題に気づきました。実は実験開始前に、ご指定のADALP2000キット所蔵の小型スピーカ、乱暴な取り扱いにて配線が取れていたので半田付けして「直し」ました。そのときにスピーカを下に向けて置いてそのまま実験に入っていました。スピーカからすると口を塞がれて「鳴れ」といわれている感じ。上向きにおきなおしたらこんな感じです。

bode_Front

ちゃんとあるべきあたりに共振周波数のピークが現れました。スピーカは力学的な要素が電気特性にバッチリ連動しているので、でるべくして出た現象であります。実験らしくていいじゃない?やっぱ、スピーカボックスの設計大事なんだね。。。

インピーダンス曲線の取得

ご指示のとおり、ボーデ線図で取得した生データをCSVファイルに書き出し表計算ソフトでインピーダンス曲線を描いてみました。アイキャッチ画像に小さい画像を掲げましたが、おおきいのは以下に。

ImpedanceCurve

良い感じ。

その後、この測定結果からL, C, Rの値を推定し、SPICEでシミュレーションしてみよ(当然LTspiceでしょう)、との課題があるのですが、先に述べたようにL,Cの値の計算に挫折してしまいました。解答を覗いてシミュレーションを行った結果が以下に。

まず回路図。

SpiceSpeakerCIR2それからボード線図(AC解析結果)
SpiceSpeakerBode2

インピーダンス・アナライザの結果

課題が終わったので、今回はこれで終わりかと思ったら、まだまだ続きがありました。前回も使用したAlice Desktopのインピーダンスアナライザで共振点付近とその前後を調べよということです。一応、3点で観察したのですが、あまりに地味なグラフなので共振点付近の1枚のみ掲載いたします。

Imp341Hzこの「ほぼほぼリアクタンスが0」の点を見つけるのにちょっとかかりました。先ほどのボード線図で大体の周波数に当たりはついていますが、ボード線図は決まった系列で測定点を選んでいるだけなので微妙なところまでは分かりませぬ。周波数設定をウロチョロしながら見つけたのがこの設定です。オレンジ1本、ピッタリ実軸方向。手間をかけたわりにとても地味。

M1Kの調子も戻ったみたい(?)だし、やるぞ、と思ったらM1K(ADALM1000)の記事は後ちょっとでおしまいなのね。。。

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