お手軽ツールで今更学ぶアナログ(61) ダイオード1N914実験その2、ADTL082登場

Joseph Halfmoon

前回に引き続き「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の2019年8月号の2回目です。やることが多いので2回に分けて実験しましたが追加の課題などまで手が回ってません。今回はJFET入力のオペアンプADTL082も登場。例によって実体配線図には異議あり。恐れ多いことですが。

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さて今回は、ADALM2000:ダイオードと、その応用回路 の後半、2g と 2hの実験であります。ダイオードの実験といいつつ、2gには オペアンプADTL082も登場します。ADTL082のデータシートなどは以下に

ADTL082 オペアンプ、デュアル、JFET入力、低価格

型番を見れば分かるとおり、このデバイスは TIのTL082の互換です。手元の在庫にTL082があったような気がしたので探してみたのですが、見つかったのは1回路入りのTL081でした。冒頭のアイキャッチ画像に、ブレークアウトボードに搭載されたADTL082と、TI印のTL081を並べた写真を掲げてあります。

実体配線図のADTL082の「ブレークアウト」ピン配置に異議あり

さて、アナデバ様には恐れおおいことですが、ADTL082「ブレークアウト」ボードを使った回路の実体配線図、すくなくとも手元のアナデバ製ADALP2000アナログパーツキットに含まれるADTL082の「ブレークアウト」ボードのピン配とは違っています。

記事に記載の実体配線図のパーツはADTL082「ブレークアウト・ボード」使用に見える。しかし、そのピン配置はICそのものの端子配列のまま、に見える。

ADALP2000のブレークアウトボードは、部品ICとDIP化された端子の方向が90°ローテイトしたレイアウトになっており、かつ順序が逆転するスタイルなので、ピン配は実体ICと「鏡対象」になっています。実体配線図のようなブレッドボード配線はできませぬ。TL082のDIPがあれば、実体配線図通りでイケると思ったのですがね。

実験 2g. 絶対値回路

2gの実験は絶対値回路ですが、これまた前半の「半波整流回路」と後半の「絶対値回路」にわかれます。

前回もダイオードを使った「半波整流」はやったのですが、ダイオード分の電圧降下がありました。今回はADTL082つかって、電圧がドロップしない半波整流です。

ブレッドボード上に組んだADTL082使った回路は以下です。

2g_1_dutこれを使って半波整流したときのグラフが以下に。黄色が入力波形、青色が出力波形です。ADTL082の反転増幅器のお陰で、前回の半波整流器と違った「注文通り」の波形が得られています。

2g_1さて、後半の「絶対値回路」のブレッドボードが以下です。前半の回路で使っていなかったもう一個のオペアンプも使って出力を生成しています。

2g_2_dut_b

その波形を観察したものが以下です。正の電圧部分では黄色と青色がピタリと重なります。期待どおりですが、見分けがつきにくいので青の出力波形を前面に出してみました。黄色の上半分は青の後ろに隠れています。

2g_2絶対値、とれてますね。

実験 2h. 電圧ダブラ回路

電圧ダブラ回路は、再びシンプルなダイオードとコンデンサ、負荷抵抗の回路に戻ります。シンプルですが、回路の動作は記事の説明を「じっくり」読む必要があります。追加の課題で「負の出力電圧」を得る回路を考える宿題があり、これについては回路シミュレータでやりたい、と思いました。これはまたそのうち(いつになるんだか)の課題としてしまいました。ADTL082だけで十分疲れたので。

電圧ダブラ回路の波形の例は以下です。コンデンサはC1=10μF、C2=1μFです。

2hまあ、これも予定通りの波形が得られたので、まあ良しという感じですか。もっと勉強になる追加の課題がいろいろあったのだけれど、気力が続きませぬ。なんだかな。

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