私は最近知ったのでありますが、「オペアンプの」新日本無線と、「電源ICの」リコー電子デバイス社が2022年1月合併するのだそうです。そして合併後の新社名は「日清紡マイクロデバイス」。あれれJRCでもRICOHでもない。日清紡のCMをTVで目にしますが、「何をやっているか知らない」間にこんなところに手を伸ばしていたのね。
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まずは、正式な経緯の確認。新日本無線のWebサイトから辿ると、
そして新会社の概要が2021年10月29日に発表されていました。
合併統合は2022年1月1日付けだそうです。直ぐだな。
簡単に整理
まさに目の前に新日本無線製のオペアンプ NJU7043 があったので、写真をとってアイキャッチ画像にしてしまいました。そこには燦然と JRC と刻まれています。
しかし、日本無線(JRC)と新日本無線(会社としての略称NJR)は違う会社です。今回改めて新日本無線の沿革を見ると、
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- 新日本無線はもともと日本無線の全額出資子会社、「埼玉日本無線」だった。
- その後、新日本無線と改称、外資(レイセオン)の資本が入ったりもした。
- 日本無線の半導体部門やマイクロ波部門を譲渡された
- 2005年に親会社が日本無線から日清紡に変わった
ということみたいです。新日本無線だから、NJR。でも半導体のデータシートには JRC マークを付けているのでそれは使っていいことになっているのでしょう。私にとってはJRCといえば新日本無線のオペアンプ。MUSEみたいな高級オペアンプには縁がないケド。なお会社概要的には、新日本無線株式会社、本社所在地東京都中央区日本橋横山町、資本金約52億円、売り上げ約360億円、従業員1470名(いずれも2020年12月期)だそうです。
一方、親会社だった日本無線 ご本家JRCを見てみると、
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- 2010年に日清紡ホールディングスの連結子会社となり
- 2017年に日清紡ホールディングスの完全子会社となる
ということで、こちらも日清紡ホールディングス傘下になってました。知らんかった。なお、業界内では NJRC という略称で知られる長野日本無線もあります。こちらの方は、
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- 2016年に日本無線の完全子会社
となっていますので、日清紡ホールディングスからすると孫会社となるみたいです。
一方、ファミコンのチップ(6502ベースだと思う)を作っていたことで一部の界隈では知られているリコー電子デバイスは、
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- もともとリコー社内でコピー機向けのICを作っていた
- その後、電源ICとかリセットICとか現在にいたる半導体製品ラインを構築
- 2018年に日清紡ホールディングスが株式の80%取得(リコーが20%)
ということで、日清紡ホールディングス傘下に入ったみたいです。RPxxxといった型番の電源ICが看板じゃないかと思うのです。全然関係ないラズパイが、RP2040を出して一躍RP型番が世界中に流布してしまったので、RPxxxというとラズパイだと思うやつが出てくるのじゃないかしらん(そんな奴いないか。)なお会社概要的には、リコー電子デバイス株式会社、本社所在地大阪府池田市、資本金10億円だそうです。
知らなかったけれど、こうしてみると日清紡、アナログ半導体やら無線やらに着々と手を伸ばしていたのね。。。
日清紡、ホントに「名前は知ってる」けれど「何をやっているかは知らない」でした。