真空管マニアのご友人はいるものの、私にはまったくその趣味はないです。しかし真空管をシミュレーションしたいと思ったのは、続く戦争のせいと言えなくもないデス。たまたま第2次大戦時の対空火器管制装置の回路図を見、どんなもんだったのか知りてーと。そのためには真空管のSPICEシミュレーションをするしかない、と。
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「真空管」と唱えた瞬間に、アナログの権化、オーディオの化身の方々が登場され、Web上の情報源も大量に存在するようです。その中でも真空管のSPICEモデルということで、皆さまがご推挙されているのが、以下のページです。
今回は、ありがたく、上記のページから以下のモデルをダウンロードさせていただきました。
SPICE用真空管モデル(240種) Ver. 3.20 (2016/3/7)
ただし、上記ページからダウンロードできるモデルは、PSpice系統の文法に合わせてあるものみたいです。金沢電気電子工房 様 の以下のページにLTspice向けに変更する方法が書かれてました。ありがとうございます。
べき乗を記述するのに、ダウンロードしたモデルは ^ (サーカムフレックス、ハット、キャレット)を使っており、LTspiceは ** であるので、その違いを修正せよ、ということです。もともとバークレー版のSPICEはFORTRANで書かれていたハズなので、べき乗は ** じゃなかったのか?と思いますが、PSpice(これも広く使われた商用のSPICEの代表選手の一つでしょう)では ^ になってたのね。。。知らんけど。
(なお、以下でやっているモデルの組み込み方法は上記ページの金沢電気電子工房様式にくらべると簡略化版です。ぶっちゃけ手抜き。)
さて、実際にシミュレーションしてみる回路は、以下の御本のP.104から勝手にパクらせていただいとります。
作って楽しむ真空管オーディオアンプ MJ無線と実験編集部編 2013年9月30日 誠文堂新光社
といってもご本そのままではなく、シミュレーションしやすいように勝手に捻じ曲げてしまっております。すみません。
また、登場する真空管については、HIROちゃん様の以下のページに現物写真もあり感謝感激であります。やっぱ真空管はとってもよく知っている人が多いなあ。愛されているデバイスぞなもし。
そういえば、多くの日本の半導体屋は半導体デバイスのことを「石」ということが多い(シリコンだからか?)のだけれど、某「かっての東芝」出身者は「玉」という人が多かったような。真空管から来とるような気がしますぜ(信じてはいけませぬ、個人の感想です。)
真空管のシンボル
前々から気になっていたのですが、LTspiceには真空管のシンボルが含まれております。ライブラリの中で「Misc」というフォルダを開くと見つかります。3極管はこんな感じ。
このシンボルを回路図に配置した後、右クリックでアトリビュートエディタを開き、Valueフィールドを該当の真空管モデルの名前に書き換えます。Prefixは最初からX(マクロモデル)になっているのでそのままでOKっす。
そして、先ほどの ^ から ** に修正したマクロモデルのファイルを .include すればモデルの設定は完了です(インクルード先はLTspiceのパスの設定に入っているフォルダであること。)
LTspiceでシミュレーション
そのシミュレーション結果が以下に。黄緑が入力V1、青が出力(C2とR4の間のノード。)
ちゃんと増幅しているみたい。
先の世界大戦で帝国海軍の方々が向き合わざるを得なかったのかもしれない対空火器管制装置、ぶっちゃけ真空管使ったアナログコンピュータ的なやつ、わかっるのか?わかったからといってどうということもないデスが。