前回はインバータ、74HCU04を使ってリングオシレータを作ってみました。チョイとマイナーかも。でも今回は胸を張って言えます、定番回路だと。74HCU04のインバータ(リニア使い)でXTAL(水晶振動子)を発振させてみたいと思います。どうも発振器業界では何気に74HCU04は人気者みたいっす。ホントか?
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水晶振動子
水晶振動子、クリスタルこそは現代のIT社会を支えるデバイス(底辺だけれども)だといえましょう。セラミック振動子とかMEMSオシレータとかいろいろあるんだけれども、やはり水晶は基本中のキホン。これを抜きにはできませぬ。
例によって秋月電子通商殿で部品を購入させていただいた際、「かっての定番であった」(今でも定番?)水晶振動子も注文してました。
3.579545MHz品
とな。御存じの方はアナログ・テレビの時代の年寄ばかり?失礼。
なお購入デバイスのメーカは台湾のMEC社です。
MERCURY Electronic Ind Co., Ltd.
さて、水晶振動子はキホン中のキホンであるだけに、国内のメーカ各社、電子部品商社各社ともに解説ページが充実しとります。ちょいと検索しただけでこんな感じです。多分これ以外にも沢山あるだろ~と。
まずは商社系から。最初はマクニカ殿。
マクニカ殿にはこの手のデバイスのイメージないのですが、やはりキホンであるだけに解説ページがありあした。それも「新人エンジニアの赤面ブログ」とあり、新人エンジニアの人が勉強して書いているのかな?それだけに初心者から楽しく学べる感じです。アナログ素人のこの年寄にもわかりやすいです。どうもFPGAを売りたい?感じが読み取れます。そのせいかFPGAで水晶発振回路は構成可能か?という問いかけをするも、自ら否と答えてますな。具体的な発振回路や定数などのデータは近くに見当たりませんでした。
つづいてRSコンポーネンツ殿。
通販でお馴染みのRS殿ですが、こちらの記事には京セラ殿が協力されているみたいです。セラミック系?のイメージですが、発振回路の玄人に違いありませぬ。選定ポイントを列挙していてわかりやすいです。また、水晶振動子の原理と構造についても解説があり、設計の考え方、ノイズにも言及と幅広いです。ただ、やはり近くに具体的な回路や定数などは見当たりませぬ。
さて、国内メーカ系のページが以下に。最初はセイコーインスツル殿。
ごく簡単な説明は、後に掲載のマッチング結果を理解できる程度のものです。末尾にリンクあり。ここが充実。ルネサス、マイクロチップ等々、マイコンメーカ各社の具体的なデバイス名とセイコーインスツル殿のクリスタルのマッチング結果のリスト(勿論具体数字列挙)が充実してます。つまりここを見れば(パクれば)、マイコン毎の定数はOKだと。お手軽。ただし、時計メーカーだけあって、32.768kHzの時計用の水晶発振回路向けみたいっす。
つづいてセイコーエプソン殿。
「注意事項」なのできわめて淡々と記述してます。あまり初心者向けではないかも知れないデス。一応発振回路例と定数の「目安」はありますが、そのものズバリ感はなし。なお、同じ「セイコー」のインスツル殿が時計用の32kHz振動子中心なのに対して、上記ページはMHz以上のATカット振動子のみ言及です。
お次は大真空殿。
分かりやすい解説に加えて、諸元の測定方法なども書かれています。また、気になる異常発振、不具合対策などにも言及あり、設計する人には役に立ちそうな感じです。解説のPDF化ファイルをダウンロード可能。思わずダウンロードさせていただきました。ただしここに具体回路例、定数等はなしです。
最後にNDK殿。
このページには、ディスクリートのBJTおよび74シリーズICを使った具体的な発振回路例と定数が列挙されております。私が見たかったのはコレだ。コピペ(パクリ)できるから。半面、各定数を理解させるような解説は不在です。
今回実験した回路
各社の解説ページで、74HCU04が例に挙げられてます。フツーの74HC04でなく「アンバッファ」タイプの74HCU04を使うのよ、と。さて74HCU04で構成した発振回路の回路図が以下に。台湾製の部品なのに、NDK殿の上記ページの回路例をそのままパクリってお茶を濁したかったのですが、手元にピッタンコの部品の在庫がなく「近そうな値」を突っ込んでます。テキトーな回路図なのでよゐこは真似しないように。
実機動作確認
さて、そのうえ実機確認もテキトーです、ブレッドボード使用。本当は発振精度とかノイズとか考えると基板のパターンも大事なんだけれども。まあ、動いたからいいか。結果オーライ。
電源電圧3Vで発振させた波形が以下に。3.579545MHzとはちょいズレてますが、測定器側の精度もあるし、こんなもんか~。
まあ、発振してるからOK。いい加減な。