アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』2023年2月号の実習3回目です。前回は負の参照電圧を生成するのに「正の参照電圧をひっくり返す」元としてバンドギャップリファレンスを使ったシャントレギュレータを使いました。今回はシャントレギュレータに部品を追加してシリーズレギュレータにせよと。ご無体な。
※「お手軽ツールで今更学ぶアナログ」投稿順 indexはこちら
アナデバ様のStudentZone 2023年2月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
ADALM2000による実習:負のリファレンス電圧を生成する方法
また末尾の課題の解答編(英語のみ)も以下にありました。
February 2023 StudentZone Quiz Solution
電源ヘッドルームを確認せよと
以下は前回「リファレンスのリファレンスにシャントレギュレータ」の回路の積み残しです。シャントレギュレータの参照回路、バンドギャップをつかった回路なので、電源電圧に依存せずに動作するところを確認せよ、という趣旨じゃないかと思います。電源電圧に依存せずにといっても程度問題なので、どのくらいまで一定電圧で頑張れるのか「ヘッドルーム」を調べろと。
前回は±5Vを使っていた正負電源を、片方ずつ変化させて実際に出力電圧を測定してみます。X軸がVpまたはVnの電源電圧、Y軸が出力の負の参照電圧です。
まずはVn=-5V一定のまま、Vpを0Vから5Vまで変化させた場合の様子。
-1.25V付近が「狙い目」ということでイマイチ微妙な制御のできないボリュームで調整済です。上記をみるとVpが1.5V付近ですでに-1.25V近くまで出力がでてますが、よく見るとVPが2.5Vくらいまで上がってようやく-1.25Vに到達という感じです。
続いて今度はVp=5V一定で、Vnを-5Vから0Vまで変化させた場合。
上記をみると、電源電圧が-2.8V付近から出力は-1.25Vになっている感じです。
まあ、正負どちらも絶対値で3~5Vくらいの電源がもらえれば、負の参照電圧は安定出力できるみたいっす。
シリーズレギュレータに組み替えよと
さて今回STEP3の本題は、前回の「シャントレギュレータ」の先にもう1個トランスタをとりつけて「シリーズレギュレータ」化せよというのです。前回、ブレッドボード用に描いた回路図を改造してみました。
もともといい感じにできていた?回路を変更するとなにか見苦しい図面デス。
現物の方も前回のブレッドボードの隙間に無理やりもう1トランジスタ追加しているので配線が汚いです。2D的な配線で収めることを良しとしているのに、今回は苦し紛れに3D的空中配線のジャンパを使ってしまいました。イマイチ。
さて肝心の現物動作です。VP=+5V、VN=ー5Vです。参照電圧出力のDC電圧を測定したものが以下に。左側の太いマイナスは負の意味ですぞ。-1.284Vとな。
同じときの+の参照電圧です。これがヒックリ返されて上記の電圧になっておると。こんな感じ。
+1.285Vとな。配線は汚いけど、動作そのものはいいんでないかい。アナデバ様の言う通りだもの、間違いナイ。