アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』2023年5月号の実習2回目です。前回は「先っぽ部分ムツカシー」などと書いて実機で心拍が取れないのは先っぽのせいみたいなことを「匂わせ」てしまいました。すみません。私の勘違いでした。バグはブレッドボード上の結線にあり、直したらば心拍とれました。よく見ろよ自分。
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アナデバ様のStudentZone 2023年5月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
先っぽ部分の「隠蔽」工作
ブレッドボードの結線をチェックして間違いを修正したらあっけなく心拍波形がとれてしまった前回の回路です。しかし、気にしていた「先っぽ」部分に手を入れなかったわけではございましせんぞ。赤外線LED(QED123)と赤外線フォトトランジスタ(QSD123)部分の「工作の」ポイントは以下です。
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- QED123とQSD123の軸線を「正対」させること
- QED123とQSD123の間に指が挟まって位置が安定すること
- 外乱光などが悪さをしないように隠蔽すること
まずQED123とQSD123は、生体計測用のデバイスなどではなく、ともにアリガチな砲弾型?のプラスチックパッケージに入ってます。足2本は下から生えており、丸い頭は反対側を向いてます。直にブレッドボードに刺し込むとQED123は上方向に赤外線を放ち、QSD123は上方向の赤外線を検出してしまいます。
今回は「透過型」にて人間の指を観察し、その血流の状態により赤外線の通過量が変化するのを検出する、という方式であるので、指を挟みこむように適切な隙間を空け、かつ、QED123の発した赤外線がQSD123の「いい角度」に受信されるようにデバイスの物理的な配置を固定する必要があります。
また挟み込む指がブラブラと動いてしまうとそれがそのまま信号に載るノイズとなる筈。よってある程度「ホールド感」のあることが望ましいです。
そして最後に、外からの赤外線はそのままノイズとなる筈なのでなるべく少なくしたいです(西日のガンガンあたる窓際で実験しているので暑いっす。多分赤外線も跳梁跋扈。)
実験結果
まずブレッドボード上に組んだアンプ回路の検証用の波形が以下に。黄色C1がテスト用の入力信号、オフセット500mV、振幅1m、周波数1Hzの信号です。青色C2がブレッドボード上のアンプ回路で増幅された波形です。
だいたい150倍くらいに増幅されとるようです。
さて、テコ入れした「先っぽに」接続し、C1波形の代わりに指から得られた波形を増幅してみたものが以下に。
いかにも心拍という雰囲気(ホントか)の波形がとれましたな。多分、お医者ならばこの波形をみて動脈硬化がありそうとかツッコミが入りそうですが。とりあえず不整脈は出ていなそうで重畳。1.3737Hzということは60倍すると82とな。そんなもんかい?