お手軽ツールで今更学ぶアナログ(165) 心拍数の測定、珍しく末尾のQuizをやってみた

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』2023年5月号の実習3回目です。前回あっさり心拍が観察できてしまったので、そのまま通りすぎようかとも思ったのですが、あんまりスルーが過ぎるんでないかい?ということで珍しく末尾のQuizをやってみました。今回はQuiz解答「ネタバレ」必至なのでご注意を。

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アナデバ様のStudentZone 2023年5月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。

ADALM2000による実習:心拍数の測定回路

末尾のQuiz

アナデバ様の記事の末尾には、毎回Quizが掲載されとります。今回は珍しく?実験した回路各部に関する計算問題多数。一通り計算したら回路の理解はバッチリ(ホントか?)な感じでした。解答編(英語のみ)は以下に。

May 2023 StudentZone Quiz Solution

記事を読めば計算式などみな書かれているのでそのとおりに電卓たたいて計算すれば何の問題もないのです。しかし、今回はいつもお世話になっております以下のアプリを使ってます。電子回路の定番計算用の電卓機能が含まれているもの。

Electrodoc Pro

今回使用しているのはアンドロイド用のPro版(有償)アプリですが、iPhoneでもWindowsでもアプリストアからインストールできるみたいです。

さて前回実験した回路の回路図上にQuizの項目の対応を記入してみました。2023MayCircuitEC

問題1のその1

問題1のその1は赤外線LED QED-123のIF(電流値)を求めよという問題です。上の回路図の赤枠のところ。赤外線だろうがなんだろうがLEDの電流制限抵抗を計算するときに普通は目標のIFからRを求める時のアレの反対っす。Electrodoc Proにも当然そのような計算機能は含まれてます。こんな感じ。QED123_IF

QED-123のデータシートからVfの値を引いてきてVccとRの値を入力すればよろしと。何も頭を使っておらんな。

問題1のその2

初段のプリアンプのところのハイパスフィルタのカットオフ周波数を求めよとの問題です。上の回路図のオレンジ枠の部分。値を当てはめれば以下のようです。HPFcutoff

周波数 338.628mHz(ミリHzですぞ!)を脈拍[BPM]に換算すれば、19.8 bpmとな。とてもひくい20bpmより下の脈拍はとれない設計ってことですな。

問題1のその3とその4

その3はボルテージフォロワ直前のRCフィルタ(緑枠)、その4は最終段の反転アンプ(紫枠)のローパスフィルタのカットオフ周波数を求めよというお題です。実は2つの定数は同じだ、ということで計算は1回で完了っと。LPFcutoff

周波数3.386Hzを脈拍換算すると 203.16 bpmね。よっぽど激しい運動しないとこのような脈拍にならないでしょう。この年寄であれば200に達する前にお陀仏かもしれんです。

問題1のその5

最終段の反転アンプの増幅率Avを求めよ、というお題です。こういうオペアンプの計算も基本的なところは電卓用意されとります。便利。AMPgain

というわけでゲインは-470倍とな。まあね、周波数いうと3Hzちょいまでの範囲でこの倍率で増幅できれば良い、ということであります。

問題2と問題3

最初に掲げた回路図上に描いた色付き枠(とパラメータ)の関係をみれば自明かと。

たまにちゃんとQuizをやると達成感あるな(計算したのはElectrodoc Proだけれども)

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