前回DIP化したCMOSオペアンプAD8656を今回はトランスインピーダンス・アンプ構成で使用したいと思います。遥か以前の過去回で「設計」してあったもの。今回実機に実装してみたのは、赤外線リモコンが発する「生波形」を取得したいがため。リモコン受光ユニット内部でやっている「信号処理」を自前でやるための準備です。
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赤外線リモコン波形の受信
赤外線リモコンが発する信号を受信したいのであれば、各社からでている「赤外線リモコン受信モジュール」を使って受信するのがお楽。「お求めやすい」価格のデバイスだし。それを使えば「0/1」のデジタル信号としてリモコン波形をGetできます。後はパルス幅などマイコンで検出して所望のフォーマットで解釈すればコマンドの解読OK。本シリーズでも以下の回でシャープ製の受信モジュールを使用して「復調済のデジタル波形」を取得済です。
部品屋根性(106) Sharp GP1UXC41QSで赤外リモコンの波形を再取得
しかしモジュール使ってしまうと空間を伝わってくる赤外線波形そのものは分かりませぬ。「受信モジュール」内で、多分、アンプしてフィルタかけて復調して積分して01の波形にしている、ハズなのですが、そこはおまかせっと。今回はことさらに「生波形」を取得するところからやりて~と。
OP999用トランスインピーダンス・アンプ
940nmピークの赤外線を使うリモコンの「生波形」を捕まえたいということなので、ほんとは940nmに感度ピークのあるPINフォトダイオードを使いたかったのです。しかし、手元にあるPINフォトダイオードはOP999のみ。ピーク周波数は若干低めの900nm弱くらいなのですが、940nmも「見える」よね、ということでお願いすることにしました。だいたい、リモコン波形はそれほど高速な波形ではないので、PINフォトダイオード+トランスインピーダンス・アンプというのはちょっとモッタイナイのかも知れんです。ただ、はるか以前の別シリーズ記事にて、すでに「設計済」ということで。
お手軽ツールで今更学ぶアナログ(16) アナデバ、フォトダイオード回路設計ウイザード
上記記事にてアナデバ様のWebツールによって設計された回路を、手持ちの部品の定数で勝手改変(多分確実に改悪)した回路が以下に。
とりあえずこれでOP999が拾った赤外線が電圧波形として見えるハズ。
実機回路
上記回路をブレッドボード上に(OP999は外だけど)実装したものが以下に。PINダイオードの隣に置いてあるのは「素性のよく分からない」中華リモコンであります。これが発する波形をPINダイオードで「生」取得するっと。
リモコンのコマンド全体が見える時間スケールで波形を取得したものが以下に。
上記はリモコンのボタン1を押したときの波形のハズ。実際、Sharp製GP1UXC41QSモジュールで取得した波形が以下に。
今回の「生波形」と受信モジュールでは信号の極性が反転しているので、そこを頭の中で変換してやると、一致しているような気がしますです。
ただし、生波形らしいのは取得波形を拡大したとき。こんな感じでサブキャリアが見えてます。受信モジュールでは処理されてしまって見えない部分。
上記のサブキャリア、周波数は35kHzに届かない、デューティは50%。しかし調べたところじゃ、サブキャリアは38kHz、デューティ3分の1のハズなのだが。以下の回ではマイコン使って波形を生成したりもしてます。
PIC三昧(23) PWM+TIMER+DSM、赤外線リモコン波形、PIC16F18855
結構、サブキャリアの周波数ズレてデューティ違っても大丈夫ってことかい?どうなんだろ。