部品屋根性(111) AD8656、高精度CMOSオペアンプ、レールtoレール入出力

Joseph Halfmoon

今回はヤバかったです。折角購入したオペアンプをオシャカにするところでありました。それというのも普段避けている0.65mmピッチの表面実装品を購入したので、接続をテスタで当たるだけでなく、「2倍の非反転オペアンプ」として動作を確かめておこうなどと思ったからであります。老眼だけでなくボケも始まった年寄です。

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以前にも書いてますが、はんだ付けをちゃんと習ったこともなく(機械工学科出身、外資系半導体会社でキャリアをスタートしたので日本のメーカであればガッツリ訓練される「はんだ付け教育」なかったのです)不得意のまま今に至った年寄です。その上このごろは老眼も酷く、手先も覚束ないです。表面実装部品の手工作は1.27mmピッチ品までに自主規制、0.5mmピッチとか0.65mmピッチは避けてました。しかし、今回「トランスインピーダンス・アンプ」を作るべしという目論見のものと購入してしまいましたAD8556、0.65mm ピッチのMSOP品です。はんだ付けがちゃんとできているのかどうか確かめないと。。。

AD8656

AD8656は、アナデバ様のCMOSオペアンプです。2回路入り。マイコンなどのADに接続しやすい、3V~5V電源で動作する、入出力ともレールtoレールで、ユニティゲイン安定の「高精度」オペアンプです。製品ページが以下に。

AD8656 オペアンプ、デュアル、低ノイズ、高精度、CMOS

「DIP化」オペアンプの「受け入れ」テスト

例によって、ブレッドボード上に刺して、ちょこまかと動かしてみるために、在庫しております秋月製のDIP化ボードにはんだ付けいたしました(一応、0.65mm、0.5mmピッチともDIP化ボードは「在庫」しておるのです。使いたくないのだけれど。)

悪戦苦闘しながら、2チップをDIP化いたしました。一応、テスター使ってオープン、ショートは確認したつもり。でも、ちゃんと動くかどうか分からないデス。そこで「アリガチな」2倍の非反転オペアンプ構成にして、動作確認をいたすことにしました。フィードバックも負荷抵抗も全部10kΩ。お手軽。AD8656_DUT

しかし、やっちまいました。いつもオペアンプのテスト時、Vp=5V、Vn=-5Vでやっているのです。今回も何も考えずに動作させたらばおかしいデス。やっぱりはんだ付けミスったのか?ヤバイのははんだ付けではなかったです。このデバイス低電圧だよ、電源電圧の絶対最大定格6V。壊れたか?

電源を+2.5V、-2.5V設定にし、振幅1V、オフセット0Vの正弦波(1kHz)を与えた波形が以下に(黄色C1が入力、青色C2が出力。)2個のデバイスをX、Yと呼称。2回路のうちピン1側をA、ピン8側をBと唱えます。

    • Device ”X”、side A

DeviceX_A

壊れてなさそう。。。。

    • Device ”X”、side B

DeviceX_B

壊れてなさそう。。。

    • Device ”Y”、side A

DeviceY_A

壊れてなさそう。。

    • Device ”Y”、side B

DeviceY_B

壊れてなさそう。

とりあえず即壊れたということではないみたい。まあ、信頼性的には過大なストレス加えてしまったので、とてもマズイ気がしないでもないが。とりあえずトランスインピーダンス・アンプの実験だけでももってくれ。

2倍の非反転オペアンプのボード線図

折角なので周波数特性もとってみました。こんな感じ。DeviceY_Bbode

ともかく、壊れてなくて良かったよ。

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