帰らざるMOS回路(8) DUTは大人の科学で?

JosephHalfmoon
JosephHalfmoon

「連休」というより、長い「自粛」期間と言うべきでしょうか。外に出かけられない分、家に籠って「長いこと先送りにしていた片付けもの」をやっている方、多いような気がします。私も埃だらけのモノの詰まった部屋の片づけに勤しんでおります。すると時々「お宝」が出てくるのです。その一つ、学研の『大人の科学』誌付録の電子ブロック(mini)であります。遥か昔に「買い与えた」ものの、あまり使われた形跡もなく、埃の中から出てまいりました。

実は私自身は「電子ブロック」使ったことはありません。面白そうと思って買って渡したのですが、渡された方はあまりピンとこなかったのかもしれませぬ。自分が欲しかった、多分。それゆえ、埃地獄の底からこれを見つけたときにピンときましたよ。

M1Kのスペクトルアナライザを使ってみるのにちょうど良いDUTじゃないか

そうです、DUT=Device Under Test。良い響きです。M1Kのスペアナ(といってもM1Kは100Kサンプル毎秒なので極めて低い周波数ですが)を使ってみるのに、何か「信号源」が必要だよね~、できれば高調波が「出ている」ような奴、と思っていた矢先だったのです。掃除をしながら、ブレッドボードとなけなしの手持ちの部品で作るかなどと考えていたところに、それが出現。

トランジスタ(バイポーラ、NPN)2石(敢えてこの単位で呼びたい)

というつつましやかな装置(玩具とは言いますまい)ですが、ブレッドボードのような配線もいらず、パチパチ並べるだけで回路ができる優れもの(とはいえ、限られたブロックで例題回路を作る技は手練のたまもの、自分で回路を考えるのであればパズルの深みにはまりそうなので、ブレッドボードの方が楽か?)。NPNトランジスタの1石もあれば、発振器くらいできる筈。飛んで火にいる夏の虫的な回路が回路例の中にありました。

No.25 ツインT型発振回路

この電子ブロック、見れば見るほどM1Kと相性が良さそうに思えてきます。通常は出力をオシロで観察するとか想定できない「御遊び」用途なので、出力はスピーカになっています。発振したら「ピー」となることで確認できる仕組み。絶対音感があったら周波数も分かる?そのためブロックとは別にスピーカとそれを駆動するアンプが本体裏に隠されております。つまり、とりあつかう回路はDCから音声周波数程度ばかり。M1Kにはピッタリ。

とはいえ、例題には回路とその説明はあるものの、発振周波数とかには言及がありません。とりあえず回路の動きを把握するのはLTspiceにお願いする、と。何も考えずにRUNするだけ。例題相当の回路図はこちら

電子ブロックminiは、単4電池3本前提なので、4.5V想定なのですが、M1Kの電源にあわせて5Vにしてあります。回路図のC1とR1は裏側のアンプ基板内の素子でOUTがアンプにつながっています。本当はR1はボリュームでスピーカの音量を調整できるようになっています(最初ブロックを組んで動かしたとき、音が鳴らずにちょっと焦りました。なんのことはない、ボリュームが絞られていただけだったのですが。)

R2までの各素子が「ブロック」で実現されている部分です。TPの位置の信号をSPICEで観察してみます。(アイキャッチ画像だとR2とC1の間から信号取り出してますが、実際に観察したときはR2とR6の間のTP相当の接点から取り出しています。)

DC成分が乗っている、振幅1.5V、周波数920Hzほどの信号が観察できています。例題の説明によれば「綺麗な正弦波」とのことですが、微妙。多分、その前の例題が「汚い波形」であるようなのでそれとの対比でしょう。

M1Kの「スペアナ」で観察する例題にしようというので、波形があまり綺麗でもよくありません。ちょうどいい感じ?

実際にアイキャッチ画像のようにブロックを組んで、M1Kと接続し動作させました。自分で回路を考えたらブロック並べるのはかなり難しいパズルじゃないかと思いますが、例題回路を並べるだけなら数分、ブレッドボードでやるよりはずっと楽。

電源入れてみます。まずはM1Kのオシロスコープ画面で。時間軸方向は2ms/div設定です。

なんとなく、雰囲気でてるんじゃないかい。シミュレーション結果よりは、ちょっと振幅大きめ、周波数高めに見えるけど。

さて、本題のM1Kのスペクトルアナライザを起動。ただし、ただ起動しても何もでてきませんので念のため。最低Curvesボタンから観察する信号を指定しないとなりません。なお、「普通」のスペアナで設定するような基本項目はだいたい設定可能に見えるので必要に応じて設定しないとなりませぬ。スペアナ詳しくもないのでその辺はパス、今回はデフォルト設定のまま、CH.AでTPの電圧を観察しているので、こんな感じ。

ウインドウ全体をキャプチャすると波形が汚く見えていると思うので、下に部分拡大のキャプチャを掲げておきます。いかにもスペアナ。

発振周波数1147Hz付近、高調波が「綺麗」に並んでおります。これを見れば、これにフィルタ適用したくなる?そのためには、M1Kのもう一つのウインドウにご登場願うしかない?

世間は緊急事態でありますが、回路は平和か?

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