別シリーズにてPLLの練習を行いました。特にトラブルもなく動いてしまいました。物足りない?そこで定番のPLL-IC CD4046を入手、今回よりPLL回路をいくつかエクササイズしてまいりとうございます。PLLの応用回路っぽいところまでたどり着きたいものだ、と希望。とりあえず今回はVCOの周波数を観察。
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別シリーズでのPLLの練習は以下に始まる3回です。アナデバ様のStudent Zone(Studentじゃないケド愛読させていただいとります)の記事を実習させていただいておるもの。
お手軽ツールに今更学ぶアナログ(143) PLL実習の前準備、AD654再び
上記ではPLLを構成する要素部品それぞれは別々の部品でした。また「肝心の」VCO(電圧制御発振器)にはアナデバ製VFC(電圧周波数変換器)AD654を使ってます。
CD4046
「定番回路」なので、定番のPLL-ICを使用したいということで以下にご近影を掲げますデバイスを購入いたしました。
CD4046とな。CMOS 4000シリーズの中にあってPLL-ICの定番、古典じゃないかと思います。同じ4046という型番にて74HC4046とか、74HCその他のシリーズにまで端子がだいたい互換のチップ(細かいところは異なる)が各社から出ているらしいっす。知らんけど。
PLL素人が4046を掻い摘んで説明すると以下の図のようになります。
位相比較器、LPF(ローパスフィルタ)、VCO、N分周器と一周まわって位相比較器にいたるフェーズ・ロック・ループの中にあって上記図の緑色の部分をIC化したもの。1個のICの中に位相比較器とVCOが含まれておりますが、それらの端子は外に出ていて外部でLPFなりN分周器なりを接続するようになっているので、いろいろ「細工」がしやすいです。勿論、要素それぞれの観察もお楽。もちろんN分周器を使えわず、直結もOK。
VCOの発振周波数確認用回路
今回、まずはCD4046のVCO部分を単体で動かしてちゃんと発振することを確認してみたいと思います。使用した回路が以下に(普通と逆に信号が右から入って左に出て行っているけどDIP-ICの端子配置通りにピンを並べたためであります。ゆるしてね。)
VCO_INに電圧を与えれば、それに対応した周波数の信号がVCO_OUTからでてきます。その発振周波数はR1とC1で決まります。今回は以下の2つのケースを実測してみました。
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- R1=10kΩ、C1=1000pF
- R1=10kΩ、C1=47pF
実機で測定
上記の回路をブレッドボード上に組み立てたものが以下に。測定は例によってDigilent製Analog Discovery2使用です。
以下は、VDD=5V、R1=10kΩ、C1=1000pF設定でVCO_INに2.5Vを与えたときの波形です。黄色C1がVCO_OUT波形、青色C2がVCO_INの電圧です。
VDD=5V、R1=10kΩ、C1=1000pF設定のときの測定結果(1回しか測定してない手抜きだケド)をグラフにしたものが以下に。
VDD=5V、R1=10kΩ、C1=47pF設定のときの測定結果(これまた手抜きだケド)をグラフにしたものが以下に。
まあ、だいたいCD4046のVCOの雰囲気は分かった。ホントか?次は位相比較器を入れてフェーズ・ロックじゃな。大丈夫か?