定番回路のたしなみ(43) TC74HC123、モノステーブル・マルチバイブレータ

Joseph Halfmoon

本シリーズ第2回で定番の555をモノステーブルモードで使用。しかし定番の74シリーズ・ロジックにもモノステーブル・マルチバイブレータが有りです。74HC123であります。なんて言ったってこちらの方が「単安定」マルチバイブレータ専用IC。やっていることはほぼほぼ一緒だけれども入出力とも正負あり。使いやすい?

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Monostable Multivibrator

入力信号のエッジ(ポジティブまたはネガティブ)をトリガにして、規定の時間長さのパルス(ハイまたはロー)を一発「ワンショット」出力するというのが単安定マルチバイブレータの主要なお役目です。東芝デバイス&ストレージ社様の製品ページが以下に。

TC74HC123AF

このデバイス16ピンICの中に2回路入ってます。そして入力端子はネガティブエッジでトリガするA端子と、ポジティブエッジでトリガするB端子、出力端子は正のパルスのQと負のパルスのQバーを備えてます。RESETのためのCLRバー入力もあるのでまずは大抵のワンショットパルス生成はこれでOK?パルス幅はCXとRX/CXなる端子に接続する外付け抵抗とコンデンサの値で決定です。HC版の場合、電源電圧2Vから6Vと動作範囲も広いデス。

今回実験の回路

今回は1回路「1側」のみ使用し、「2側」は停止としてます。実験回路が以下に。なお、以下は1A入力にネガティブエッジを入れてトリガする場合の回路です。74HC123_DUT

 

上記のR2=10kΩ、C1=0.1uFで確保されるパルス幅の期待値は1m秒です。データシートによるとパルス幅は、Rx(図のR2)10kΩ、電源電圧3.3Vのとき定数k=1の以下の式で計算できると。

k ・Cx・Rx

計算がとてもお楽。

参考のため以下に555タイマICを使った場合のワンショットの回路(パルス幅は5秒以上の長いもの、C1がデカい)を掲げておきます。LMC555_monostable_DUT

実機での結果

上記の回路をブレッドボード上に実装した回路が以下に。74HC123_BB

A入力とB入力の両方をテストできるように両方にスイッチとりつけてありますが、A入力テスト時は、プッシュスイッチのプルアップ/プルダウン抵抗は図のようにハイに接続、B入力テスト時は、ローに接続しなおさんとなりませぬ。

A入力(ネガティブエッジ)トリガの場合の結果が以下に。黄色C1がA入力、青色C2がワンショット出力です。予定どおり立下りエッジでとりがされて約1m秒幅のパルスが得られてます。AinputWaveForm

B入力(ポジティブエッジ)トリガの場合の結果が以下に。黄色C1がB入力、青色C2がワンショット出力です。これまた予定どおり立下りエッジでとりがされて約1m秒幅のパルスが得られてます。BinputWaveForm

定番回路じゃ、予定どおりとな。

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