お手軽ツールで今更学ぶアナログ(175) ECM(エレクトレット・コンデンサ・マイク)を増幅

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』2023年11月号の実習1回目です。今回はマイクロフォンの実験。しかし手元のADALP2000部品キットにはマイクが含まれてません。実験に必要な部品はADALP2000に「ほぼ」含まれているのですが無いこともあり。でも手元在庫にマイクがあったハズ?

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ECMは何処?

アナデバ様のStudentZone 2023年11月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。回路図等は以下に記載されてます。なお例によってアナデバ製ADALM2000で実習すべき記事なのですが、Digilent製Analog Discovery2でやってます。

ADALM2000による実習:エレクトレット・マイク用のオーディオ・アンプ回路

今回はECM(エレクトレット・コンデンサ・マイク)の「オーディオ・アンプ」回路です。先ほど述べましたとおり、実験部品を「ほぼ」網羅しているハズのアナデバ製学習用部品キットADALP2000(手元のもの)にはマイクが含まれていませんでした。しかし、そういうこともあろうかとかねて4個入りの「パック」を仕入れてあったのです。あれを使えば良いだろ~。しかし老人の忘却力は非対称です。確かに購入し手元に届いた記憶があるのだけれども、どこに仕舞ったのか?部品箱をあちこちヒックリ返して調べましたありませぬ。どうしたものか?ちょうど年内最後のつもりで部品発注したばかりなのでタイミングも悪いよ。何か「壊して」中のマイクを取り出すか?などとと考えてたら見つけました。確かにECMらしき部品が一つだけ。虎の子が以下に。ECM

ころりと一つ、部品箱の片隅にありました。ラベル等無。しかし調査の結果、多分

DB Products社のC9767

であろうという結論に達しました。1個しかないけどあって良かった。実験できる。

ブレッドボード上に組み立てた実験回路

左上のデカイ丸の部品が言わずとしれたスピーカです。右下の方の小さい丸(頭が黒いやつ)がエレクトレット・コンデンサ・マイクです。ECM_DUT

回路はレールツーレールのオペアンプOP484(5V単電源で使用)を使って電圧増幅し、ディスクリートのNPNトランジスタ2N3904でスピーカに電流を流すというシンプルな構成です。アンプの電圧増幅率(目標)は10倍っす。

しかし、また、コマケー話なんだがアナデバ様の記事には申し上げたき儀これあり。図3に上記相当の回路が掲げられているのだけれど右上のCbpの値47kΩのΩって何よ。コンデンサ(パスコン)だと思うので47μFの間違いじゃろ。コマケー話なんだが。

先にマイク、スピーカ外してアンプを吟味せよと

折角上記のように回路をこさえたですが、記事を読むとマイク、スピーカを外してアンプの挙動を観察した方がいいみたいです。

まず最初はマイク側入力にピークツーピーク50mV、200Hz、オフセット2.5Vの正弦波を加えたもの。以下のC1(黄色)がそれです。出力がC2(青色)です。こんな感じ。MAG50mVPP

50mV(だいたい)の波形が、500mV(だいたい)に増幅されとりますな。

今度は入力の振幅設定ピークツーピーク100mVMAG100mVPP

それではと入力の振幅設定ピークツーピーク200mVMAG200mVPP

入力の振幅設定ピークツーピーク400mVまで上げたところアカラサマなクリッピングが発生しました。MAG400mVPP

 

出力はNPNトランジスタ2N3904が一人で頑張っているので、上の方まで持ち上げられないのだろうなあ。。。残念。

念のため、ゲインの周波数特性を測ったものが以下に。GainPlotpng

実機で音声を「見てみる」

マイク、スピーカをつけた状態で、マイクに向かって「あ~」と発声させていただいた波形が以下に。黄色C1がマイク側、青色C2がスピーカ側。MIC_AMP_WaveForm

つづいて、マイクの前で一発拍手をしてみたところです。handclap

やっぱ拍手の音はデカい。まあ、ちゃんとマイクの音を増幅しているみたい。

マイクの前にスピーカを近づけてみました。遥かな太古の時代の学校の講堂でやたら発生していた記憶のある「ハウリング」というやつ、「可聴フィードバック」というのかな、聞こえるかやってみました。耳をつんざく「キーン」という爆音を期待したのだけれど無いな。ちょっとブツブツ言ってる気がする程度。この際、爆音聞こえるように練習するか?

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