特許の失敗学[21] 特許の収益化

特許の失敗学

 特許法の目的は産業の発達に寄与すること(特許法第1条)ですが、個人発明家にとっては「収益化」でしょう。これは当世人気の職業YouTuberと似たところがあります。YouTubeは「収益化」しなくとも、趣味とか主張の発表を目的とするメディアでしょう。とすれば、特許出願も論文発表の場として利用可能ではと妄想する今日このごろ。「特許出願de論文発表」についてはまたの機会に… “特許の失敗学[21] 特許の収益化” の続きを読む

備忘録 2020/07/25 「仕事を楽しむ」

 あなたは仕事を楽しんでますか?
『失われた20年』が『失われた20年』となり『失われた30年』を経過した日本経済の低迷の一要因として『仕事を楽しむ』があるのではという仮説を立てました。逆説的には、経済低迷のために仕事が楽しめないという「鶏と卵の関係」でもあるかもしれません。
 まさかと思いつつ、Wikipediaにて『失われたxx年』の項目を探すと、10年、20年、30年は全て存在しました。『失われた40年』の項目は今のところありません。

 2020/07/28: 特許庁資料修正 2019→2020年版、◆ 働き方改革 の追記
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備忘録 2020/07/22 「2位じゃダメなんですか」

 「富岳」がスーパーコンピュータの性能ランキング世界第1位獲得し、理化学研究所と富士通株式会社は2020年6月23日に記者会見を開催しました。この報道で2009年の「2位じゃダメなんですか?」を久々に聞いて背景を調べてみた。 “備忘録 2020/07/22 「2位じゃダメなんですか」” の続きを読む

特許の失敗学[20] 事例研究(3) Aピラー透明化 その3

特許の失敗学


 発明アイデア「Aピラー透明化」事例研究の最終回です。

 ほとんどの発明アイデアは、Google検索で新規性が無いことがわかります。もしもキーワードを変更して検索しても先行技術が見つからないときには、別の特許検索ツールで確認します。先行技術が見つからない場合でも、特許明細書には先行技術文献との違いを記載します。そのため出願する発明に最も近い先行技術文献を探す必要があります。 “特許の失敗学[20] 事例研究(3) Aピラー透明化 その3” の続きを読む

特許の失敗学[19] 事例研究(2) Aピラー透明化 その2

特許の失敗学

前回は、アイデア「Aピラー透明化」の先行技術調査でした。「最低限の費用で特許収入を目指す」ミッションとしては、特許調査の結果で特許出願をしない場合、そこで終了してはなりません。発明の特許出願がありながら、その発明の実施が無い(量産されない)場合は理由を考えてみます。特許登録も大変ですが、そこから特許収入を得るのはもっと大変ですよ。 “特許の失敗学[19] 事例研究(2) Aピラー透明化 その2” の続きを読む

特許の失敗学[18] 事例研究(1) Aピラー透明化

特許の失敗学

 特許アイデアから出願権利化そして特許収入に結び付けるために、具体的なアイデアをとりあげて事例研究(case study)をしてみます。

 車を運転しながら考えました。カーブではフロントガラスのピラーで視界が制限されて危険を感じます。

 「このピラーが無ければなー」
 「せやけどピラーがあらへんと構造的に無理かいな」
 「ほな、光学迷彩みたく透明にしたらええんや」
 「曲げられるパネルが利用できるのちゃいますか」

『自動車のAピラーを透明化する』というアイデアを調べてみます。
 アイデアを発明として完成するには、最初のステップは先行技術の調査です。ほとんどのアイデアはこの段階で特許として新規性がないことが分かります。例え特許出願に至らなくとも、そのアイデアを事例研究して有効に活用しましょう。「特許の失敗学」のミッション「お金をかけずお手軽に特許収入を目指す」のために。
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特許の失敗学[17] 特許と英語(2) US特許出願の提案

特許の失敗学
 特許の失敗学[2] 自筆明細書 の投稿では、技術者が「特許明細書」を自筆する困難性を書きました。US特許の場合は、少なくとも「英語」という困難性が加わります。日本の特許事務所は、米国の現地代理人を通じてUS特許実務を行います。米国弁理士(Patent Agent/Attorney)の資格を持っていない限り、自分でUS特許の執筆(翻訳)や出願権利化の手続きをするのは無理でしょう。 “特許の失敗学[17] 特許と英語(2) US特許出願の提案” の続きを読む

特許の失敗学[16] 特許と英語(1) なんちゃって英語学習

特許の失敗学

 前回特許と英語(0) 私の英語歴」では、US特許のため英語能力の必要性を述べました。「うちは日本特許だけで勝負するで」と仰る方は「英語」は不要かもしれません。しかし、特許庁の「アドバス」が稼働すると、外国語文献が引例の先行技術として拒絶理由通知に示されることが予想されます。その場合は、先行技術文献は英語の可能性が高い。機械翻訳が完璧でない現状では、英語能力は必要となります。

ここで問題です。
fly on the wall を和訳せよ。
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特許の失敗学[15] 特許庁の広報(5) 特許庁の特許 (その2)

特許庁の特許 (その2) 

特許の失敗学[12]  にて紹介した「特許庁の特許出願」について、特許庁広報室あてにウェブフォームで質問送付しました。そして回答を受け取りました。特許庁から「特許の失敗学」の記事で開示する了承を得ましたので公開いたします。
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特許の失敗学[14] 特許と英語(0) 私の英語歴

特許の失敗学

特許と英語

 特許の収益化を図るのであればUS特許は避けて通れません。未だ世界特許は存在しないので、同じクレームであれば最大消費市場が存在するUS特許の特許価値が最大であります。
 特許の失敗学[6] クレーム(その1) において「最大の失敗は、外国出願(特にUS特許出願)をしなかったこと」とした所以です。もしもUS特許出願があればアップル社の対応も違っていたことでしょう。

 US特許といえば英語であり、機械翻訳が完璧でない現状では少なくとも英語Readingが必要条件です。代理人にお任せでない限り、自分のUS出願をチェックできる英語能力は必要となります。英語の文献は最大のビッグデータです。世界公知の特許の世界では、先行技術調査において英文で判断できる事が望ましいでしょう。 “特許の失敗学[14] 特許と英語(0) 私の英語歴” の続きを読む

特許の失敗学[13] 特許庁の広報(4) 特許庁の商標出願


特許庁の商標出願


 前回の投稿、特報 特許庁の特許 では、特許庁の特許出願のスクープ(ここは報道機関でないので不適切か?)しました。そのフォローアップ調査をしていたところ、更に謎は深まる結果となりました。そこで発見した謎は「特許庁の商標出願」です。特許庁(またしても出願人は特許庁長官)は、商標も特許庁に出願していました。

 前回の投稿に記載した疑問については、連休中で特許庁に電話が通じないため、特許庁HPの「お問合せフォーム」で広報室に問合せしました。 結果は来週か?乞うご期待 Don’t miss it. “特許の失敗学[13] 特許庁の広報(4) 特許庁の商標出願” の続きを読む

特許の失敗学[12] 特許庁の広報(3) 特報 特許庁の特許


特報 特許庁の特許

2020年4月28日(火) 特許庁長官が出願した特許が【特許番号】特許第6691280号(P6691280)、【登録日】令和2年4月14日(2020.4.14)、【発行日】令和2年4月28日(2020.4.28)として登録された。発明の名称は『管理システム及び管理方法』である。2020年5月4日現在、特許庁のホームページには、本件についての発表は無い。

本件は「失敗学」ではないのですが、特許庁の広報に訊いてみたい。
ということで、このカテゴリーで投稿します。
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