前々回、ロジックICを使ったレベル変換をおさらい。3.3Vから5Vへの変換ができました。続きの今回は当然5Vから3.3Vへの変換ですが、3.3Vから5Vへ行ってまた3.3Vへ戻ってくるというラウンドトリップで実験したいと思います。使用するICは、74VHCT541と74LCX245です。レベル変換は良いのだけれどもTSSOPの半田付けが辛いです。
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今回使用の2品種はどちらもOCTALなので8ビット分の信号をワンチップで処理できるデバイスです。端子配置も似ています。しかし電気的には異なるので、3.3Vから5Vへの往路は74VHCT541、5Vから3.3Vへの復路は74LCX245という構成になりました。
74VHCT541
前々回使用した「VHCT」のデバイスです。入力レベルがTTLレベルなので、5V電源で使用していても、3.3V系のデバイスからの信号を入力し、5V振幅の出力信号を得ることができます。電源電圧は4.5~5.5Vです。東芝様の製品ページは以下です。
G1、G2(いずれもロウアクティブ)という制御信号があり、両者ともLOWでないと出力はHiZになる単方向のバスバッファです。兄弟チップ?に540あり、540は反転です。
74LCX245
今回、5Vの信号を受けて3.3Vの信号を生成するのに使用しました。本来はDIR端子で方向を制御できるトランシーバです。しかし今回はDIR端子を固定として、単方向で使用することで5V信号の3.3V変換に使用しています。電源電圧は1.65Vから3.6Vです。電源電圧が低いですが入力端子に5.5Vまでの信号を与えても許容される仕様です。OE(ロウアクティブ)制御端子があり、ロウで出力イネーブル、ハイにすると出力はHiZです。東芝様の製品ページは以下です。
実験に使用した回路
回路は簡単、74VHCT541を通過して5Vになった信号は、74LCX245を通過して再び3.3Vになって出てきます。
まず、74VHCT541に、3.0Vピークの矩形波(C1、黄色)を与えた場合の出力波形(C2、青色)が以下です。レベル上がっているのが分かります。
続いて、74LCX245に5.0Vピークの矩形波(C1、黄色)を与えた場合の出力波形(C2、青色)が以下です。レベル下がっているのが分かります。
現物の実験回路(ブレッドボード)が以下に、上が245、下が541です。やっていることは単純ですが、配線は結構汚い。たった「8ビット」でもパラレル信号は辛いです。
それにもまして、TSSOP20のピンは、0.65mmピッチであります。老眼の上に手先が覚束ない年寄りにとっては、限界以下です。半田付けが辛い、本当に辛い。
8ビット分の動作確認
8ビット分の動作確認は、Digilent社 Analog Discovery2 のロジック・パターン・ジェネレータ機能で生成した以下のような「ジョンソン・カウンタ」バス信号を74VHCT541に印加して行いました。
74LCX245から出力されてきた信号は、ロジアナ機能で確認しました。こんな感じ。
ちゃんと動いてますな。奇跡的な半田付けの成功事例。いつもできると思うなよ、自分。もう少し、半田付けの易しいデバイスを選んだ方が良いかも。。。