特許庁の特許 (その2)
特許の失敗学[12] にて紹介した「特許庁の特許出願」について、特許庁広報室あてにウェブフォームで質問送付しました。そして回答を受け取りました。特許庁から「特許の失敗学」の記事で開示する了承を得ましたので公開いたします。
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特許の失敗学[14] 特許と英語(0) 私の英語歴
特許と英語
特許の収益化を図るのであればUS特許は避けて通れません。未だ世界特許は存在しないので、同じクレームであれば最大消費市場が存在するUS特許の特許価値が最大であります。
特許の失敗学[6] クレーム(その1) において「最大の失敗は、外国出願(特にUS特許出願)をしなかったこと」とした所以です。もしもUS特許出願があればアップル社の対応も違っていたことでしょう。
US特許といえば英語であり、機械翻訳が完璧でない現状では少なくとも英語Readingが必要条件です。代理人にお任せでない限り、自分のUS出願をチェックできる英語能力は必要となります。英語の文献は最大のビッグデータです。世界公知の特許の世界では、先行技術調査において英文で判断できる事が望ましいでしょう。 “特許の失敗学[14] 特許と英語(0) 私の英語歴” の続きを読む
特許の失敗学[13] 特許庁の広報(4) 特許庁の商標出願
特許庁の商標出願
前回の投稿、特報 特許庁の特許 では、特許庁の特許出願のスクープ(ここは報道機関でないので不適切か?)しました。そのフォローアップ調査をしていたところ、更に謎は深まる結果となりました。そこで発見した謎は「特許庁の商標出願」です。特許庁(またしても出願人は特許庁長官)は、商標も特許庁に出願していました。
前回の投稿に記載した疑問については、連休中で特許庁に電話が通じないため、特許庁HPの「お問合せフォーム」で広報室に問合せしました。 結果は来週か?乞うご期待 Don’t miss it. “特許の失敗学[13] 特許庁の広報(4) 特許庁の商標出願” の続きを読む
特許の失敗学[12] 特許庁の広報(3) 特報 特許庁の特許
特報 特許庁の特許
2020年4月28日(火) 特許庁長官が出願した特許が【特許番号】特許第6691280号(P6691280)、【登録日】令和2年4月14日(2020.4.14)、【発行日】令和2年4月28日(2020.4.28)として登録された。発明の名称は『管理システム及び管理方法』である。2020年5月4日現在、特許庁のホームページには、本件についての発表は無い。
本件は「失敗学」ではないのですが、特許庁の広報に訊いてみたい。
ということで、このカテゴリーで投稿します。
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備忘録 2020.04.28 「アポロ誘導コンピュータ」が「3NOR」のみの理由
備忘録 2020.04.28 「アポロ誘導コンピュータ」が「3NOR」のみの理由
論理回路は2NANDのみで構成できます。ずっと「NAND」のみで論理回路ができると思い込んでいましたが、「アポロ誘導コンピュータ」の記事を読んで「NOR」のみでも論理回路ができることを初めて認識しました。「思い込みは危険」を再確認する今日この頃。ただし「AND」や「OR」いわんや「NOT」だけでは論理回路はできません。
さて、備忘録【感想】Literature watch returns(15) CPUはこうやって動いている トランジスタ技術2020年5月号 の投稿にて、最後クイズの答えを省略しましたが、どなた様からも回答を頂けませんでした。仕方がないので、Arahaが考える解答を述べます。
(問2)「アポロ誘導コンピュータ 」が2NANDでなく、3NORを採用した理由は何でしょう。
もう一度考えてみたい方は「続きを読む」をクリックしてはいけません。
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備忘録 2020.04.23 『特許』君の名は、半導体の古代技術、『商標拳』
備忘録 2020.04.23 『特許』君の名は、半導体の古代技術、『商標拳』
Arahaの投稿記事の投稿後のフォローアップです。
今回のアップデートは以下です。
・『特許』君の名は: 特許庁も即答できない命名の謎
・半導体の古代技術:「情報デバイス工学特論」が「404 Not Found」
・ YouTube動画 :『商標拳』と『ヱヴァ』
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特許の失敗学[11] 特許庁の広報(2) 『特許』君の名は
『特許』君の名は
“patent”の語源は「開いていること」「公開すること」であり、“patent law”は発明者に発明を公開することを奨励して一定の期間の排他的な権利を与える制度です。しかしながら、『特許』には「権利を特別に付与する」という心象を受けます。明治の文明開化期は西洋文明からの新規概念に天才的な訳語が考案されました。例えば「経世済民」の『経済』です。『特許』君の名は誰が付けたの?
経済の語源|出典:集広舎
https://shukousha.com/column/hirota2/6033/
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備忘録【感想】Literature watch returns(15) CPUはこうやって動いている トランジスタ技術2020年5月号
備忘録【感想】CPUはこうやって動いている トランジスタ技術2020年5月号
コロナのため確定申告の期限がオープンエンドになったとはいえ、できれば4月16日までに確定申告すべくeTAXを調べ始めたところへ、この記事であります。Literature watch returns(15) CPUはこうやって動いている トランジスタ技術2020年5月号
『デスクリートでCPU作ろうというとても「遠大」な企画』と聞いては、最初のお仕事がMOS回路設計であった者としては見逃せません。調べ始めると『歴史のもしも』を考えることになり、記事の「感想」というより「備忘録」となってしまいました。 “備忘録【感想】Literature watch returns(15) CPUはこうやって動いている トランジスタ技術2020年5月号” の続きを読む
特許の失敗学[10] 特許庁の広報 ビジョン
特許庁の広報
特許庁のステータスレポートを見てみようと、特許庁のHPを探していました。興味を引くコンテンツが多数ありまして、また興味発散しそうなので適当なところで区切ります。
特許庁には広報課は無く、総務部総務課に広報室があります。広報室の予算は潤沢なように拝察いたしますが、SEOは気にしてないと見えます。あるいは、官庁としては民間企業のようなHPにはできないのでしょうか。民間企業のSEO担当者にしたら羨むような環境ですな。
「特許の失敗学」の過去記事のフォローアップも行います。
出典:明示のないURLは全て特許庁ウェブサイトです。
特許の失敗学[9] 特許庁のサービス はじめての方へ
特許庁のサービス
個人発明家が「いかに無料でお手軽に特許調査するか」という記事を書く予定でしたが、調べるうちに「知財システムのパラダイムシフト」を知りました。AIがひたひたと知財の世界にも進出しています。このままだと調べものが発散して記事が書けないので、特許の基本に戻ります。まずは特許庁が無料で提供しているサービスからの紹介です。Araha が知財部門を離れて数年になりますが、特許庁のサービスは驚くほど拡充していました。 “特許の失敗学[9] 特許庁のサービス はじめての方へ” の続きを読む
特許の失敗学[8] クレーム(その3) 発明の本質
「発明の本質」
クレーム(特許請求の範囲)は特許担当者にとって最重要なアウトプットです。上手いクレームができると仕事の達成感があり、特許出願に続く特許権利化や特許権活用に期待できます。上手いクレームとは、特許法の特許要件を備え、必要十分な最小の構成要素で、瑕疵が無く、かつシンプルなクレーム、であると考えます。その前提として「発明の本質」を捉えねばなりません。発明者のみならず、特許担当者や担当弁理士も「発明の本質」が何かを考えます。ところが優れた発明は「発明の本質」が解明しがたいことがあります。後年の実施製品を見て「発明の本質」に気が付いて後悔するという失敗は「特許あるある」でしょう。 “特許の失敗学[8] クレーム(その3) 発明の本質” の続きを読む
特許の失敗学[7] クレーム(その2)NGワード
NGワード
特許クレームは契約書と同じく一言一句、注意深く記載しなければなりません。特許クレームにはNGワードのようなものが多数あるため注意しないと失敗します。特許審査官は、当然ながら欠点のあるクレーム記載を理解していますが、問題点を出願人に教えてくれません。審査官は特許法や審査基準に基づいて審査して必要な拒絶理由を通知するのであって、審査した特許が有効(収益可能)かについては出願人に通知することはありません。 “特許の失敗学[7] クレーム(その2)NGワード” の続きを読む
特許の失敗学[6] クレーム(その1) Simple is best
Simple is best
テレビ番組に特許ネタが出てくると、知財業界人は思わずコメントをしたくなります。近年で最も有名なのは『下町ロケット』でしょう。実際の特許訴訟を扱ったNHKドキュメンタリー『逆転人生』にも多くのコメントがあります。
逆転人生「最強アップルVS.貧乏発明家」
この「クリックホイール特許」の話は『逆転人生』のタイトルとおりに感動的な実話です。しかし失敗学の観点では、失敗の状況をNever give upで成功達成した「はやぶさ」と似た実例であり、失敗の実施を繰り返してはなりません。 “特許の失敗学[6] クレーム(その1) Simple is best” の続きを読む
特許の失敗学[5] 特許は法律文書
特許は法律文書
特許は法律文書です。「特許の失敗学[1] 特許と論文」では著作権について違いを考えました。今回は特許文書と技術文書との法律的な違いです。特許文書を技術文書と同じつもりで作成すると失敗(残念な結果)となります。「特許は法律の世界」を意識したのは知財部門に異動した後のことで、設計者時代には特許の理解が浅く、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られそうなArahaでした。 “特許の失敗学[5] 特許は法律文書” の続きを読む