「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の今回は2021年3月号です。今回も実習の前にLTspiceで予習をしたいです。Spiceで当たりをつけておけば安心という素人の私の藁をもつかむ足掻きですが、存外アナデバ様も practical とぞおっしゃっているみたい。ホントか?
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まずはアナデバ様の記事(日本語)のリンクが以下です。今回は、ここ何か月にもわたって繰り返し練習してきた、カレントミラーやらゼロゲインアンプやらが総登場の巻です。
毎度申し上げております通り、アナデバ製の学習ツール ADALM2000を使って実習せよ、との記事です。しかし、当方Digilent製のAnalog Discovery2で代用してます。すみません。しかし部品はアナデバ製学習部品キット ADALP2000 を使っておりますので許してね。
なお、今回の記事の末尾の問題の解答編(英語)は存在しています。
March 2021 StudentZone Quiz Solution
上記の解答編を読むと、心強い一言が書かれてました。1文引用させていただきます。
A practical method to answer to this question is to simulate the circuit using LTspice.
なんだ、アナデバ様もLTspiceかけるのが practical、とおっしゃっているのね。素人とはレベルが違う話だと思いますけど。。。
電圧リファレンス回路
最初の回路は以下の電圧リファレンス回路です。上のQ3、Q4のところはさんざん何度もやったカレントミラー回路です。Q1、R1、R2のあたりはゼロゲインアンプ、Q1とQ2の関係はΔVBEです。
何度も繰り返しやってきているので、慣れはしましたが、アナログ素人が本当に分かっているかというと怪しい(ハッキリわかってないというのだよ、自分。)
上記回路をDC解析してみた結果が以下に。P、N両方あるからだろな~ かなりグニャっとしたカーブ。私にはとても説明できまっせん。
改良型の電圧リファレンス
上記のカーブはなかなか使い難いのではないかしらんと思ったら、直ぐ次に「改良型」が登場しました。ゼロゲインアンプとΔVBEに「面影」はあるものの、PNP型がいなくなって、大分構成変わりました。アナデバ様の記事の回路図ではR3は可変抵抗になっているので、代替案ということで .STEPでパラメータ掃引してみました。
シミュレーションかけたものが以下に。黄緑、青、赤の順に R3=1k, 5k 10k だと思います。これなら電圧リファレンス、と言える感じ?
シャント・レギュレータ
「改良型」の後に出てくるのがシャント・レギュレータです。この回路をみると、上の改良型の手を抜いたもの、に見えなくもない。
シミュレーション結果は以下に。結果のグラフだけでみると「改良型」とそん色ないようにも見えますが、そこに「問題」出題されるのです。
問題とその解答をシミュレーション
記事末の問題への解答、先ほど引用させていただいたとおり、LTspiceでやってみよ、と「心強い」ご指示です。やってみました。
なお、アナデバ様の解答記事では、R5のところを1k 10k 100k でステップしており、振れ幅100倍とってあるのですが、こちらは先ほどシミュレーションした回路図をコピーして(また手抜き)使ったので、1k 5k 10k で振ってます。
まずは、前の3例同様の出力電圧でみたもの。R5の抵抗が小さくて出力電流が多めに流れるときは、なかなか電圧上がってくれないことが分かります。
アナデバ様の解答記事では、X軸を入力電流値にとっていたので、そちらの方法にして表示しなおしたものが以下に。
ついでなので、勝手にY軸を出力電流値にしたものが以下に。
電流はちょっとしか流したらダメよ、ということですかい。次こそ、実デバイスで実習。