L.W.R.(43) 年度始まり恒例、トラ技誌付録、「エンジニア手帳」の変遷

Joseph Halfmoon

今回は、CQ出版社のトラ技誌に年度始まり頃の号の付録についてくる「エンジニア手帳」3冊、前後7年の変遷を「考察」してみたいと思います。といっても大した内容ではないけれど。以前、Interface誌の「コンピュータ手帳」についても比べているのでそのトラ技版。

みんな大好きCQ出版社の雑誌の付録の手帳、毎年恒例とは言えタイミングは違いますな。

  • Interface誌の「コンピュータ手帳」は、カレンダー・イヤーで年末に翌年分
  • トラ技誌の「エンジニア手帳」は、フィシカル・イヤーで年度替わり付近

今回は、トラ技誌の2022年5月号をば購入させていただいたので、「エンジニア手帳2022」が手に入りましたです。基本が手帳という趣旨なので、スケジュール記入可能なカレンダーはついています。その後に方眼紙、片対数、両対数などのグラフ用紙が続くところがエンジニア様向けのテイストを醸し出しております。まあ、この頃は年寄りでもスケジュール管理を紙の手帳でやっていない気もしますが、「手帳」と名乗るためにはお約束かと。

内容的には「過去記事」の中から「お役立ち情報」を簡潔に図表としてまとめ、エンジニアの皆さんに日々お役に立てていただきたい、という趣旨ではないかと勝手に想像。知らんけど。

皆がスマホを持っている今日的には、「ググればいいじゃん」と言われてしまいそうですが、そこは「練り上げられた基本情報」であります。インターネットで検索するよりかは、よほど早くて分かり易く正確(個人の感想です。)

さて、そんな手帳。トラ技誌が「ショバ」にしている電子工学、電気電子業界の基本情報は毎年一新、というわけではありませぬ。よって「毎年同じ」部分もかなりあります。しかし、日々トレンドの変わる業界のこと、微妙に内容が変わっています。細かい内容が更新されることは勿論、大項目自体が追加されたり、削除されたりすることもあります。

今回は、2016年版、2019年版、そして今年の2022年版の3年周期3世代の大項目を勝手に比較させていただきました。こんな感じ。

大項目 2016 2019 2022
電子回路の基礎知識
電子工学で使われる単位
部品定数の読み方・回路図記号
抵抗・コイル・コンデンサ
センサ × ×
充放電できるバッテリ
太陽電池・蓄電デバイス・照明デバイス・電気加熱 × ×
放熱器の選び方
よく使われる標準コネクタ
GPS × ×
電波・無線
製品出荷に必要な規格・認証マーク
オーディオ × ×
世界のオーディオ関連規格 ×
プリント基板・はんだ
プリント基板設計の基本 ×
LTspiceショートカット・キー一覧 × ×

最初の4項目は鉄板ですな。ただ微妙に内容が変わっていっている形跡あり。毎年検討が加えられておる、と。

センサの項目が以外と最近ですが、内容的には熱電対だけで結構手薄かも。でもま、センサ本気でやると分厚くなりそうだし。

一方2016年にはあった、「太陽電池その他」消滅してますな。「太陽電池」業界の盛り上がりとその後の着地?(どういうことだ)のせい?

「よく使われる標準コネクタ」も鉄板ネタですが、内容は追加されていますな。USBとかLANは定番にしろ、後からラズパイとかArduinoのコネクタが入ってきてます。もはや「標準コネクタ」じゃ、と。

そのまた一方、昔は無かったGPSが登場。大昔(ふた昔くらい?)はGPSのデバイスを手にいれること自体難しくて利用が一部にとどまっていたものが、このごろは数千円で通販で買えるようになったお陰かも。

扱いが微妙なのが、2022年版に存在する「オーディオ」と2016年版、2019年版に存在する「世界のオーディオ関連規格」かも。「世界の。。。」の方は、IECとか、ITUとか(勿論JEITAはいの一番)オーディオ関連規格の規格番号一覧表、という感じです。プロフェショナル向けなテイスト。一方「オーディオ」の方は、オクターブの周波数とか、ラウドネス特性とか一般的?なテイスト。大違いです。

「プリント基板設計の基本」、2019年版が△になっているのは、項目番号が振られている項目ではなくて特別企画「発注に役に立つ!。。。」と銘打たれているため。この号の裏表紙には P板.com社の広告入っているので、広告とのコラボねただったのかも。しかし、小口で自前のプリント基板を作る人の急増とともに、内容的にはそのまま大項目として定着した感じでしょうか。

LTspiceショートカットは、どのくらい需要があるもんだろ。ショートカットだけなく、もっと解説を載せろやとか言われないのでしょうかね。CTRL-RとCTRL-Eを除けば、メニューとマウスでなんとかなるような気もするのだけれど、それは私が使い込んでいないから?

全部覚えていたら役に立つのだけれど、端から忘れる私。読んでいるとヒマは潰れますわな。忘れたら見れば良いのだ「手帳」だし。

L.W.R.(42) 古文書編#13、闘うプログラマー、ザカリー著山岡訳、日経BP1994 へ戻る