鳥なき里のマイコン屋(66) SW4STM32、デバッガを使ってみる

何でまたMbedのWeb環境があるのに、SW4STM32のローカル開発環境をわざわざインストールして、Mbedからコードをイクスポートしたかと言えば、それは

デバッガ

を使いたかったから、という一点につきます。以前、同様な理由からMbedのCLI環境をインストールしてデバッガ動かしてみましたが、正直、

CLIのコマンドを覚える記憶力が失われている気がする

ので辛い。GUIでブレークポイント張って、変数の内容くらい確かめられたらとてもハッピー。ただそれだけでございます。

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IoT何をいまさら(28) サーミスタで温度を測る その3

『訂正』本文中のタイミング間違っています。こちらをご参照ください。

サーミスタもそろそろおしまいにして、そこからCDSのお勉強へ進もうと思いつつ、1点引っかかっていたのがサーミスタへの電流供給のOn/Off制御です。センサはOnにしておくと常時電流が流れるものが多く、使わないときにセンサへの電流の供給を止めておく、というのは、電池で駆動されるような装置では必須のことだと思います。過去見た装置の中には、

センサのデータシートの規定よりもOn時間を削り込んでいる

ような装置もありました。削り込める量は、装置を作っている側が(リスクを負って)測定して決めているのだと思いますが、電池寿命を延ばすための努力の一環でしょう。

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鳥なき里のマイコン屋(65) SW4STM32、MbedからExportしてみる

MbedのWeb開発環境で、Nucleo用にプログラムを書いていて、気になっていたものがあるのです。Exportメニューの最初に現れてくる

SW4STM32

というツールです。そんなメニューの先頭に出てくるくらいだから、きっとMbedからの移行は簡単なのに違いない。ローカルな環境だから、GUIからデバッガ使えてきっと嬉しい。などと考えて、ちょっと触ってみることにいたしました。 “鳥なき里のマイコン屋(65) SW4STM32、MbedからExportしてみる” の続きを読む

モダンOSのお砂場(2) Micro:bit についてちと調べてみた

教育用、と銘打って売られている「マイコン・ボード」的なもののひとつに

Micro:bit

というものがあるのをご存知かもしれません。小学生くらいを主対象にプログラミングの学習用など意図したボードのようです。世界中に蔓延っている?らしいです。調べてみると、この開発環境、如何にも「モダン」な要素にあふれています。子供相手のおもちゃなどと馬鹿にしたものじゃありません。

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鳥なき里のマイコン屋(64) Mbed、使われているコンパイラは何?

このところ、またMbedのWeb開発環境に戻って作業しています。大分慣れてきたのですが、ちょっと疑問に思うことがありました。Web開発環境の裏側では「コンパイラ」が動作している筈ですが、それはどのようなコンパイラなのかと。いろいろ見れば、Armの「純正コンパイラ」

Arm Keil

であるようですが、gccのように

gcc –version

などとやってコンパイラのバージョンとか分からないものかと思っていました。まあ、知ったからといって、コンパイラのバージョンにセンシティブなほど本格的な使い方はしていないのでありますが。心の片隅にしまわれた小さな疑問というだけのことです。 “鳥なき里のマイコン屋(64) Mbed、使われているコンパイラは何?” の続きを読む

鳥なき里のマイコン屋(63) NXPマイコンにみるMbed微妙な違い

一種類とか一社製品とかばかり見ていると知らぬ間に頭が「その常識」に囚われて、いろいろ見えなくなることがあるものです。このところ、ST社のSTM32マイコンを搭載したNucleoボードでばかり「遊んで」います。ちょっと他社のマイコン、それもArm EbedのWeb開発環境でプログラムを作れるものにもちょいと手を出しておくかいなと思いました。選んだのは、

NXP社のLPC11U35搭載のボード

です。正確に言えば、NXP社のLPC11U35マイコンを搭載したEmbedded Artists社のEA LPC11U35 QuickStart Board互換の秋月製ボードです。純正品に比べると大分お手頃だったので、つい。

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モダンOSのお砂場(1) Mbed OS、スレッド、セマフォ、イベント、割り込み

RTOS(リアルタイム・オペレーティングシステム)などと言うと、とても敷居が高くて、準備するだけで数か月みたいなイメージをもっていたのですが、

モダンOS

では違うようです。今日も実働時間1時間もかからずに、何の知識もない状態から、4スレッド(一般のRTOSでは普通タスクと呼ぶけど)、セマフォにイベントフラグ、割り込みハンドラなど含めたRTOS(Ebed OS5)の練習プログラム、動いてしまいました。でも、いつもの調子で大慌てなドタバタもあったんであります。まあ、書いてみないと分からない。 “モダンOSのお砂場(1) Mbed OS、スレッド、セマフォ、イベント、割り込み” の続きを読む

鳥なき里のマイコン屋(62) DfuSeとST-LINK Utility

先日からST社のツールを使わせていただいておりますが、よく資料も読まずに作業していたので、ここに来てちゃんと資料を読もうと思いいたりました。マイコンツールの基本中の基本に、作成したプログラムを実機のプログラムメモリに書き込むときに使うオブジェクトファイルフォーマットというものあり、古くから、

    • インテルHEXフォーマット
    • モトローラSフォーマット

などというものが使われております。当然、WindowsやLinuxでもオブジェクトファイルフォーマットは存在し、PEとかELFとかが使われます。マイコン用とパソコン用の違いを簡単に述べれば、以下のような感じでしょうか。

    • パソコン用のフォーマットではOSがロードするときに番地を操作して実行可能な状態にする。相対番地で、かつ動的に実行時にリンクされる部分がある。
    • マイコン用のフォーマットでは絶対番地で静的にリンク済で即実行可能な状態である(ことが多い)。

実際には、ELFフォーマットのような相対番地のフォーマットでコンパイル、リンクまで済ませた後、バイナリツールを使って絶対番地のマイコンに転送できるHEXフォーマットに変換し、書き込みツールでマイコンに書き込む、といったことが行われます。

ST社においても、この手の操作は必須なだけに当然ツール類がサポートされています。

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鳥なき里のマイコン屋(61) STM32CubeIDE その3

最初はカッコよさに目が眩んでいたのですが、触ってみるとちょっと不満も出てまいります。なにせこのSTM32CubeIDEのRelease noteのRevision historyを見てみると

19-Apr-2019 Initial release

とあります。ホント出たばかり。まだ出だし、こなれていない感じもします。これからいろいろ改良されたりすると期待しています。最初は、いろいろあるんじゃないかと思います。

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トホホな疑問(1) 仮想COMポートのお名前 WSL/Cygwin/MSYS

最近、マイコン開発ボード間の接続にUARTを使うようなことを始めております。時間もないので途切れ途切れにソフトを書くしかないのですが、そのマイコン上でなければ書けないようなものならともかく、UART使った文字ベースのプログラムであれば、

パソコンの上である程度作って、デバッグしてから

マイコンに持っていけば簡単じゃん、とか思ってしまうわけです。とは言え、VCでWindowsのAPI使って書く気が起きませぬ(普段Windows上ではお手軽なC#ばかりだから)。WSL(上のUbuntu)か、Cygwinか、MSYS2か、いずれにせよ、gccで書いてマイコンのgccに持ち込むのがよろしかろう、などと考えました。しかし、まてよ、WindowsのCOMxxってその手の環境で使ったことなかった。どんなお名前で呼べば良いの?トホホな疑問です。

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鳥なき里のマイコン屋(60) STM32CubeIDE その2

前回は、STM32CubeIDEをインストールしてプロジェクトを作ってみたところで終わってしまいました。今回は、恒例の「Lチカ」をビルドして走らせようと思うのですが、初めての環境、手探り状態です。そんな簡単な事でも、やはり初回はノーエラーとは行きません。またまたダウンロードが走り出します。

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鳥なき里のマイコン屋(59) STM32CubeIDE その1

マイコン開発ツールを毎月1種類使ってみて、これを1年も続けたら開発ツールの「今」が分かるんでないかい、と思って3カ月目なのであります。3つ目インストールせずにはいられません。と言って何に手を出すか?別にSTの回し者ではないのですが、このところSTのNucleoボードを使うことが多いので、まずはこのボードに適合するツールを「網羅」すべくという目標をたてました。しかし、調べると結構いろいろあるんでありますな、開発ツール。この頃、大分淘汰されているのかと思っていたのですが、勢いのあるマイコンはサポートされる、というところなのでしょう。

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IoT何をいまさら(23) PythonとBottleで通信相手を作る

前回はマイコン(ノード側)の通信テストの相手にするために、Raspberry Piを使おうと思い立ち、Raspberry Piを「数年ぶりの再稼働」いたしました。数年ぶりともなると溜まるものが溜まっています。ファイルの更新作業だけで夜中までかかってしまいました。ようやく今回から、Raspberry Pi上に「テスト用のサーバーもどき」を作り始めたいと思います。お手軽重視なので、簡単に作れるものが良いな~と探したところ

Python上で動作するBottleというフレームワークが良さげ

ではないかなと考えました。Pythonでしたら普段から使っているので(Python使いの人のPythonらしいPythonコードには未だに慣れず、ごくごく普通な書き方をしておりますが)何かとお手軽。

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Literature watch returns (4) あなたの知らないモダンOSの世界、Interface 2019/5月号 CQ出版

最近、マイコン用開発ツールをいろいろ勉強させてもらっている投稿が多いのですが、

最近のマイコン開発環境、便利すぎ、お手軽すぎ

と感心しきりだったのです。しかし、何でそんなに便利に、お手軽になったのかには、大きな事情というか流れというかがあったのでした。遅ればせながら CQ出版のInterface誌の2019年5月号(先月の内に読めばオンタイムだったのだが、読んだのは昨日、既に5月になっていた)を読んでようやく目から鱗というか、理解に至りました。

ベアメタルでスタートアップルーチンをアセンブラで書く

そういうスタイルが「まずい」理由が、令和になる前、とっくの昔に存在していたのですね。。。

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