Literature Watch Returns(13) STM32F マイコン教科書、トラ技2020年3月号

JosephHalfmoon

CQ出版の雑誌には毎月「お世話に」なっているのです。まあね、物欲も刺激してくれるんだ、これが。ついつい部品屋さんの広告(大昔に比べると大幅減)など舐めるように見てしまう。中でも「マイコン」関係にはつい目がいってしまいます。広告は勿論、本文ならなおさら。

さて、トラ技の2020年3月号は「STM32F マイコン教科書」ときましたよ、お目当てのマイコンだあ。それも三位一体?特集

  • 本文、STM32F マイコン教科書
  • 付録DVD、STM32FセミナDVD
  • 付録 IoT基本のキ! STM32F Armマイコン・プログラミング・ガイドブック

であります。私もね、ST社のSTM32は使いやすいな~と思っておりました。それが証拠に、本サイトでも度々とりあげさせていただいとります。サイト内検索のところにSTM32と打ち込んでいただければ、結構ヒットしてくる筈ですし、

Board別Index

というページからはST社のSTM32搭載のNucleoボード関係の投稿へのリンクが多数。それらすべてがSTM32Fマイコンです。そんなにやってりや、いまさら「教科書」や「基本のキ」でもないだろ~というなかれ。

心をいれかえて付録のガイドブックを最初から演習しようか

と思ったくらいです(一部はちゃんとやります、多分、全部はやらないケド。)最近の投稿を読んでいただいていたら分かりますが、しばらくArmマイコンから離れてRISC-VとかESP32とかに走っている。この辺でArmで主流派に戻ってみる必要もありかと思っていた矢先です。この特集読んだのは、良い切っ掛けかもしれない。。。

私も自分で触ってみて良さげなマイコンだと思いました。当然、かなり売れているのだろうな、と想像してました。すると本文イントロに曰く(1文引用させていただきます。)

汎用マイコン市場のシェアは、2007年当時3%未満でしたが、2018年には20%を越えました。

凄い伸びだな、おい。特集の頭に

世界スタンダード!

などとアオリを入れるだけのことありますな。しかしね、ケチつけるわけじゃないんだが、3%とか、20%とか、そりゃ数量ベースなのかい、それとも売り上げ金額ベースなのかい?だいたいベースになる100%は、ArmコアのMCUの中でなのか、それとも全ての32ビットMCU、それともビット数など関係ない全MCU?会議でそういう前提説明なしに%言うやついたら、私だったら突っ込み入れる よ(イヤなオヤジだ。)

ま、伸びていることは確かでしょう。そして、STM32をつかいはじめる人は勿論、既に使っている人でも普段自分の使っている「範囲外」を知るのに、良い特集じゃないかと思います。ついつい開発ツールなんかも一端使い始めると固定的になりまさーね。最近の進歩は著しいし。ときどきリフレッシュしないと。

先ほど三位一体などと書きましたが、実は4つめの「構成要素」がこの特集にありまして、

ARM-First

と呼ぶIoTプロトタイピング・キットがあるのです。本文のかなりな分量と、付録1冊はまさにこのボードと連動したもの。それが悪いとは申しませんよ、それどころか、そういうボードがあると、ついつい物欲刺激されてしまい、買わせていただいたものが多数あります(机のまわりを見回しただけでCQ出版様の雑誌記事連動企画の何枚もの小さなマイコン基板がいくつも)。

今回の基板は、Arduino互換の基板(これまたお世話になっとります)にSTM32F405を載せ、センサ多数、MEMSマイク、そして裏面にはWiFiモジュールとしてESPも搭載している(ESPシリーズにもお世話になっとります)というもの。

新人教育用

と銘打っているのは、1枚でいろいろできるからでしょう。新人でなくても、かなり物欲を刺激する一品であります。しかしね、予価の部分を見てちょっと考えました。手元にもSTM32F401搭載のNucleo持っています。405とくらべると401は大分メモリ容量など小さいし、速度も遅い。ただコアは同じM4。それにST社オリジナルの

Nucleoシリーズのボードのお得感、半端ない

のは、良く知っております。同メモリ容量のF405搭載のNucleoはラインナップされていませんでしたが、搭載ペリフェラルという点ではF405よりも充実していそうな(ただしメモリ容量は小さい)F446のNucleoはありました。値段みるとね、お手頃だな。確かに、トラ技のボードは、いろいろセンサやら無線やら1枚に搭載していて便利そうなのだけれど、安いNucleo買ってそこから線を引き出せば似たことはできるよな。。。

新人じゃないんだし、自分で工作すれば、だいたい似たようなことはできるか(やるかどうかは別ですがね)。今回は物欲、踏みとどまりました。すみません。

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