お手軽ツールで今更学ぶアナログ(181) インダクタンスの自己共振周波数、その2

Joseph Halfmoon

前回、アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』、2023年12月号で更新が止まっていると気をもんだのですが、どうやら大丈夫みたいです。2024年2月号のQuizの解答がありました。解答があるということは本文もあるのだよね。。。まだ恒例のWebページのURLには本文掲載されていないのだけれど。

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前回、『StudentZone』の行く末が気になって、2023年12月号の実習の途中、シミュレーションまで「止めて」ました。今回は既にシミュレーションした内容を実機で実験していきます。

今回の実機実験の回路から、こんな感じ。2023DecDUT

200Ωの抵抗なかったら100Ω2個で代替せよ、とわざわざ書いてあったのはADALP2000部品キットには200Ω抵抗が入ってない、からですかな、多分。当方在庫も220Ωはあるのですが200Ωは無。お言葉どおりにいたしましたぞ。

ネットワークアナライザの設定

『StudentZone』自体は、アナデバ製ADALM2000を使って測定することになってます。繰り返し述べているとおり、当方ADALM2000を持ち合わせていないので、Digilent Analog Discovery2(AD2)利用です。これら2機種は「ほぼほぼ」等価な測定が可能です。しかし今回、ネットワークアナライザの設定がピタンコにできないところを発見。

『StudentZone』の指定は

    1. 100kHzから30MHzまでスイープ(ステップ刻み100)
    2. 振幅1V
    3. オフセット0V
    4. magnitudeは-60dBから+40dBまで表示
    5. phaseは+180°から-180°まで表示
    6. チャネル1をリファレンスとする

ここで問題であったのはスイープ上限の30MHzのところです。ADALM2000では30MHz可能であるようですが、AD2の場合上限25MHzとなってました。ノージンジャー(しょうがない)ということで受け入れましたが、AD2の方が微妙に速かったんじゃなかったっけ。。。コマケーこというとステップ刻みも100ではなくて101と指定です。

ボード線図

実機測定したボード線図が以下に。

    • L=1mH、Rs=RL=200Ω

Bode1mH200R

    • L=10μH、Rs=RL=200Ω

Bode10uH200R

    • L=1mH、Rs=RL=1MΩ

Bode1mH1MegR

    • L=10μH、Rs=RL=1MΩ

Bode10uH1MegR

    • L=1mH、Rs=RL=200Ω、Lに並列に100pFを入れてみた

この設定は、Quizの下でExtra Experimentsということでやってみろ、と書かれているものです。こんな感じ。Bode1mH200R100p

 

インピーダンス・メータ機能で測定した1mH部品の値

ついでということでAD2のインピーダンス・メータ機能(@1kHzでインピーダンスを測定する機能)でインダクタンスを測定してみた結果が以下に。ImpMeter_1mH

まあ手は動かした。頭は使ってないっすけど。

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