土木でエレキ(15) 作業中止基準!雷の監視

最近、ゴロゴロと雷の音が聞こえます。雷の音を聞くと思い出すのです。10年近く前だったと思うのですが、土木関係の現場に行かせてもらったことがあり、あるところの橋脚にかけた足場に登ってプログラムの手直しをしていたことがありました。作業そのものは順調だったのですが、にわかに掻き曇ってきたかと思うと遠くから雷の音が聞こえてきました。素人なので、そこの現場の作業中止基準のレベルが高かったのかどうかは分かりません。しかし、現場事務所には作業中止基準が掲げてあり、その中に雷がxkm内に落ちたら中止みたいな項目があったのです。xkmの数字は憶えていないです。まあ、大きな橋桁の下でもあり、大雨が降っても濡れそうにもなく、雷も直撃を受けるような位置ではなかったです。また、まだかなり遠い感じ。そのうち「作業中止」とか言われるかもね、と思いつつ、作業を続けてました。しかし、ノートパソコンに触った瞬間、来ました。バチッとかなり強い衝撃が。どこからどう電荷がやってきたのか知る由もありませんが、計測器でワイヤをかなり引っ張っていたのでそれが拾ったのかもしれません。これはイケないと撤収することにいたしました。屋外の作業では、雷怖いです。今回は、そんな雷を実際に「見張る」ことに挑戦してみたいと思います。

雷というと「落雷からの保護」の方がメインの関心事です。これについては、JIS規格でも定めがあり、

雷保護一般原則 JIS Z 9290-1

また、業界団体も存在します。

日本雷保護システム工業会

今回は雷の「見張り」なのでこちらは「パス」させていただきますが、おいおいこちらについても勉強したいと思います。

さて、雷の見張り、近くに雷がやってこないか知る、というのであればまずは気象庁ですかね。

レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)

というところで地域を設定し、雷を選択すればどの辺で雷雲の活動が高まっているのか知ることができます。最近は民間の気象予報会社も多いですが、雷のスペシャリストというべき会社もあります。

フランクリンジャパン

こちらでもリアルタイムの落雷情報を知ることができる他、落雷対策の各種サービスから、「落雷証明書」といったものの発行まで行われています。なお、「雷業界」では「フランクリン」がやはり人気者です。この先、別な会社のセンサでも「フランクリン」を見ることになります。

雷の見張りを行うことができる、電子デバイス応用装置が無いかなということでちょっと調べてみました。

まずは米国の会社の製品です。

StrikeAlert

米国のOutdoors Technologies, Inc.という会社がパーソナルでハンディな雷検知装置を販売しています。想定用途は、米国らしく屋外でのスポーツなどを想定しているようですが、勿論、土木分野で応用することも可能でしょう。何機種かあるのですが最大60kmほどの距離まで検知できるといっている装置まであります。どうも、この会社を始めたのは元HPのエンジニアのようです。計測屋さん?この会社の製品はなかなかカッコいいのですが、この製品を輸入販売されているあおば屋さんという会社の

主な落雷事故(人身)リスト

というのが凄いです。登山、ゴルフ、海、川、農作業、学校、そして建設作業など各種状況下に分類された落雷事故がこれでもかと列挙されています。落雷対策を考えるときには一見に値する資料だと思います。

同じような雷検知装置で、国産のものはないかいなと探したところ、数件見つけることができました。まずは、「大物」から、

サンダーメーター

富士コム有限会社という主に水晶デバイスを扱われている「電子デバイス」会社の製品です。「大物」という意味は、据え置き式でアンテナなどがデカイという意味です。当然アンテナに雷が落ちて事故になったらシャレにならないので、アレスタなど防護装置も万全配備のようです。

そして土木用途でかつハンディ、ということでヒットしてくるのが、

携帯型雷検知器 雷探くん NTD-P01

マイゾックス社は、測量関係などがメインの会社のようですが、このハンディ型の雷検知器も販売されています(スペック見ると後に紹介するセンサに近い。)土木業界では使っている人多いのかな?

そして、電子部品屋さんにもありました。

雷放電探知機 高機能版 製作キット【MLDS-KIT】

時々通販でお世話になっているマルツ社の工作キットです。これはマイコンPIC12F683にインダクタンスを一種の「磁界アンテナ」として取り付けてやってセンスする回路のようです。

一方、秋月電子は、オーストリアAMS社(AMSについての投稿はこちら)の

Franklin Lightning Sensor Module

を販売していました。AMS製と聞いて、思わずこのセンサを買ってしまいました。これです。

左側のMA5532 -AEというシールの下にあるのがアンテナになるコイル(インダクタンス)ですね。そのよこにCとRが並んでいてまさに「共振系」を構成していることが分かります。そして、右上には黄色の稲妻ロゴとともに、Franklin Lightning Sensorの文字、そして、下にはパーツナンバ

AE-AS3935

が刻印されています。右側の端子名をみたらお分かりのとおり、I2C接続。Arduino用のサンプルソフトがダウンロード可能です。即ダウンロードして動かしてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繋げるだけなので問題なく動作しました。

が、今日は近くに雷雲がない

キャリブレーションフェーズを抜け、監視フェースに入ったのですが、何も報告がなく(落雷あればそこまでの推定距離が得られる)つまりません。

雷待たないと、

それにAE-AS3935の立派なアプリケーションノートもダウンロードしたので、雷が来るまでにその資料も読んでおかないと。

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