お手軽ツールで今更学ぶアナログ(82)MOSFETで構成したゼロゲイン・アンプの実習

Joseph Halfmoon

前回BJTであったので、今回はMOSFETで「ゼロゲイン・アンプ」です。毎度後からやるMOSFETの方は実習もシンプル。例の3回目接種にて熱がでた私メとしては実習が軽くて良かったです。BJT並みだと気力が持ちません。しかしコロナの2年間、注意していたので熱が出るようなことはついぞなかったのですが、予防接種にて当たりと。

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の今回は2020年12月号です。前回はBJTのゼロゲイン・アンプだったので、今回はMOSFETのゼロゲインアンプです。日本語記事へのリンクが以下に。

ADALM2000による実習:MOSトランジスタで構成したゼロゲイン・アンプ

毎度毎度オコトワリしておりますとおり、本来アナデバ製のアナログ学習ツールADALM2000を使って行う実習なのであります。当方ではADALM2000でなく、Digilent製Analog Discovery2(中身のチップはほぼほぼアナデバ製)使っております。実習に使う部品の方はアナデバ製ADALP2000学習用パーツキット使用しております。

今回は末尾問題への解答編(英語)もあり。正直、見に行かねばならないということもないかもしれない、知らんけど。

December 2020 StudentZone Quiz Solution

ターゲット部品

今回使用のMOSFETは、

ZVN2110A

であります。以前型番見間違えの件でもでてきたもの。ADALP2000所蔵のNch MOSFETです。

ゼロゲインアンプの実機動作

回路はごくごく簡単(抵抗3本、MOSFET1個)、デバイスの型番を間違えるようなバカな失敗もないので、直ぐにデータをとれました。

まずはC1黄色(振幅2V、オフセット2V、1kHzの三角波)に対するC2青色(ZVN2110Aのゲート電圧)の時間波形が以下に。

VgateTIM

上記の時間波形を、X軸C1、Y軸C2でXYグラフにしたものがこちら。グラフを読み取りやすい位置に調整するためにXY表示用に軸は調整する必要があります。

VgateXY

今度は、MOSFETのドレイン電圧の時間波形。C1黄色は入力の3角波、C2青色はドレイン電圧です。

VdrainTIM

やはり、XYプロットにしたものが以下に。

Vdrain

上記の生のグラフを見てもアナデバ様の記事と「大体おなじ」に見えます。入力2Vくらいから横に平らかな線になっていて期待どおり。

本当はXYプロットで上の2つのプロットを重ねて見えると良いのです。時間プロットでは、セーブしておいた別データを参照波形として読み込んで表示する機能があるのですが、XYプロットではどうして良いのか分かりません。アナデバ様の記事でも、2プロットを重ねるのは外部ソフト利用な感じだったので、こちらでも表計算ソフトにて重ねてみました。

冒頭のアイキャッチ画像をご覧ください。

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