データのお砂場(86) R言語、uspop、米国の人口(国勢調査)、1790-1970

Joseph Halfmoon

R言語所蔵のサンプルデータセットをABC順(大文字先)で見ています。今回はuspop とな。popといったってポップミュージックではありませぬ、人口のpopulation の方です。例によって古いデータセットです。1790年から1970年までの約200年間、第1回の国勢調査から10年毎の調査データらしいです。

※「データのお砂場」投稿順Indexはこちら

uspop

米国第1回国勢調査は1790年であったようです。それいらい10年毎、西暦末尾年0の年に行われておると。最新は2020年。ちなみに日本の第1回は1920年(大正9年)、前回調査で丁度100年の節目だったのね。

サンプルデータセットの解説ページへのURLは以下です。

Populations Recorded by the US Census

サンプルデータセットはR言語のお勉強用のセットなので、最新でなかろうがどうだろうが良いのですが、最近の動向、気になります。1970年以降、最新の調査までの動向については、JETRO(日本貿易振興機構)様の以下のページなどが読み応えあるかと思われます。

米国勢調査の最新結果から人口動態変化を読み解く

まず総人口についての記載を引用させていただきます。

2020年4月1日時点の米国の総人口(全米50州とコロンビア特別区の居住人口)は3億3,144万9,281人。

サンプルデータセットの末尾が2億人くらいなので、そこから50年間でほぼ日本の総人口に匹敵する1億3千万人くらいも人口増えているのね。また人口増加率についての記載部分も引用させていただきます。

10年前に比べ7.4%増加した。ただし、伸び率は以前に比べて鈍化している。10年間の伸び率としては、1900年以降で、1930~1940年の7.3%に次いで2番目に低い(図1参照)。

鈍化しても7.4%というのも日本と比べると差がありすぎ。その増加率の内訳の分析については、同じくJetro様の以下の記事に記載がありました。

米国の2022年7月までの年間人口増加率0.4%、過去最低記録した2021年から回復

上記より1行引用させていただきます。

自然増が24万5,080人、移民増が101万923人だった。

近年、移民政策で揺れている米国ですが、増加率のかなりな部分がいまだ移民であると。なんだかんだ言っても、米国の活力の源は移民が支えている気がします。また、先進国とはいっても自然増がかなりプラスですな。どこかの国のように自然減に直面しているところとは違います。ただ、この自然増がヒスパニック系の人々に偏っていたりして、これはこれでまた軋轢の原因にもなっておる?と。

まずは生データ

生データは、19回分の時系列データです。uspopRawdata

 

素の時系列プロットを行うとこんな感じ。ぐんぐん伸びてる?uspopRawdataPlot

いい加減な人口増加率計算

先ほどのJetro様のグラフには人口増加率も記載されていたのですが、こちらのデータにはありません。そこで勝手に計算してみることにいたしました。まず増加率の計算関数を定義。こんな感じ。

growthRate <- function(x1, x2) {
return (100 * ((x2 - x1) / x1))
}

上記関数を使用して着目回の調査とその前回調査の値から増加率[%]を求めてみました。時系列の操作の仕方になれないので、データ・フレームにしてしまってます。いいのかそんなことで。

gr <- growthRate(uspop[1:18], uspop[2:19])
gr.ds <- data.frame(time(uspop)[2:19], gr, uspop[2:19])
colnames(gr.ds) <- c("time", "growthRate", "Population")
plot(gr.ds$growthRate ~ gr.ds$time)

上記で計算した10年毎増加率の%のグラフが以下に。growthRatePlotC

10年毎に10人中3人も新顔が増えているという初期の拡大具合の凄まじさ。近年は大分減少したとは言え、かなりなもんです。なお一か所だけ特に落ち込んでいるのは第二次大戦の影響かと思います。

処理例

今回の解説ページには処理例ありです。しかし、やっていることは単純。uspopLogPlotOpr

上記のように、片対数プロットをしているだけ。時系列データでも片対数は簡単。uspopLogPlot

これみても19世紀半ばくらいまで、ほぼ指数関数的な増加であることが見てとれます。こんなもんかい。

データのお砂場(85) R言語、trees、ブラックチェリーの直径、樹高、体積とな へ戻る

データのお砂場(87) R言語、volcano、ニュージーランドMaungawhau火山 へ進む