鳥なき里のマイコン屋(169) 復活! PICkit2 で読み書き出来たものの

Joseph Halfmoon

前回前々回と8ビットPICマイコンを動かしてみたので、思い出したものがあります。引き出しの奥底に眠っていたPIC用プログラマ PICkit2とそのターゲットのデモボードです。しかし、公式サポートからは消えているPICkit2、Windows11上で動作させられるのか?先達の方のお陰でお楽に復活。あざ~す。

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PICkit2

PICkit2はMicroChip社純正の「お求めやすかった」開発ツールです。PICマイコンのFlashにプログラムを書き込んだりするだけでなく、デバッグにも使えるもの。しかし相当前にMicroChip社の公式なサポートからは外され、現在は販売されておらないようです。なお相当の「現在」バージョンはPICkit4だとか。

しかし、独特の使い勝手で根強い人気を誇っているツールなので、いまだ界隈の方々のサポートあり。また、MicroChip社自体、目立たぬところにひっそりと関係ファイルを配置したままにしてくれてます。どこかの会社みたいにディスコン決定した瞬間に全ての関係ファイルにアクセスできなくするようなことはしないと。この辺もMicroChip社が「電子工作業界」の方々から圧倒的な支持を受けてる要因の一つに思われます。

ただし、先日インストールしたMPLAB X IDEや、MPLAB IPEを起動してみてみてもサポートしているツールの中に PICkit2 は現れてきません。また、ひっそりと残っているPICkit 2 ProgrammerをWindows11(あるいはWindows10)にインストールしようとしても、そのままではうまく行かないようです。

今回、お陰をこうむりましたのは、Web Nucky様 の以下のページであります。

「PICKit2 Programmer」 の使い方(PICKit2)

上記に書かれた手順に従えば、すいすいとWindows11上にPICkit 2 Programmerをインストール、起動することができました。こんな感じ。

PICKIT2programmer

今回のPICKit2接続先

さて、PICKit 2 Programmer が立ち上がることになったので、その先にターゲットボードを取り付けて認識させてみたいと思います。使用するのはPICkit2とともに引き出しの奥底にしまい込まれていた、古色蒼然たる以下のボードです。

Low Pin Count Demo Board User’s Guide

登載マイコンはPIC16シリーズではありますが、近代化した PIC16F1xxx ではない以下のマイコンです。

PIC16F690

取り付けて PICkit 2 Programmer が認識したところが以下に。ちゃんとPIC16F690だと。PICKIT2detectedPIC16F690

多分、10年やそこら机の奥で眠っていたハズですが、Readかけるとほれこのように書き込まれたプログラムを読み出せました。READOK

念のため、Eraseかけて一度Flashを空に。そしてさきほどREADしたプログラム(勿論HEXファイルにセーブしてあります。)をロードして再書き込み。

成功とな。PGMOK

VDD PICkit2 「On」にチェックを入れれば、ターゲットに電源供給され、遥かな昔に生成されたプログラムが走ります。こんな感じ。

PICKit2_LPCountDemoBoardA

PICkit 2、完全復活?

MPLAB X IDE + MCC しようとするも

調子に乗って、MPLAB X IDE + MCC で小さなプログラムを書いて PICkit 2 経由でオブジェクト書き込みしてみんと。デバイスにPIC16F690を選択して新プロジェクトを作り、MCCボタンを押すと、あれあれ。

MCC_ContentTypes

どうも、PIC16F690は、MCCでお手軽開発できるターゲットには入れてもらってないようです。「昔ながらの」コツコツ一つづつ積み上げていく開発もMPLAB X IDEはできるので、それならばアリみたいですが。いまさらコツコツできんしなあ。。。横着者め。

なお、MCCのターゲットになるマイコンの品種は以下のドキュメントの後ろの方に列挙されとりました。

https://ww1.microchip.com/downloads/aemDocuments/documents/MCU08/ProductDocuments/ReleaseNotes/release_notes_pic10_pic12_pic16_pic18_v1_82_0.pdf

PIC16では、ざっくり PIC16F1xxxの1がつく近代化したシリーズには対応しているけれど、1がつかない伝統品種はMCCのサポート外みたいっす。 ちょっとトホホだけれども復活したPICKit 2 活用も考えてみたいと。

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