SPICEの小瓶(33) SPICE Macro ModelでOP177Gシミュレーション

Joseph Halfmoon

別件記事にて、超高精度オペアンプ、OP177の実機に「火を入れた」のですが、LTspiceシミュレーションは行いませんでした。OP177はアナデバ製のチップなのでLTspiceにもモデルが入ってます。しかし「デフォでモデルが入っているのはAバージョン」「手元の現物はGバージョン」デス。製品ページからマクロモデルをダウンロードして対応してみました。

※「SPICEの小瓶」投稿順インデックスはこちら

※ Analog Devices, Inc. LTspice XVII(x64) (17.0.36.0)を使用させていただいて動作確認しております。

OP177G

実機だけ「火を入れて」、LTspiceしなかった問題の別件記事が以下です。

OPアンプ大全を読む(25) 「ゴールド・スタンダード」OP177に「火を入れて」みる

目の前に現物とブレッドボードがあれば、シミュレーションするより動かす方が簡単だと。ホントか。

OP177の製品ページが以下に。

OP177 オペアンプ、超高精度

上記製品ページへ行けば、無印から”G”バージョンまで、SPICEマクロモデルがダウンロード可能であります。

さて、LTspiceを棚上げにしたのは以下のような問題があったからでした。OP177ですが、LTspiceの標準ライブラリの中のコンポーネント・シンボルの選択では、以下のようにOP177Aのみが選択可能です。

selectSymbolS

上記を選択し、G用のマクロモデルをインクルードしておいて、モデル名の「AをGに書き換えん」と試みると以下のごとく拒否られます。CanNotBeEdited

同じ一族の中で書き換えるのが一番穏当に思えたのですがナシね。

モデル名を書き換えられるシンボルを探す

そこで三角のオペアンプのシンボルの中で、自在にマクロモデル名を書き換えられる(他のファイルのモデルを参照できる)ものを探してみました。メンドクセー。

とりあえず見つけたのが以下です。「opamp2」とな。

opamp2S

このシンボルで回路図をエントリしておいて、以下のようにモデル名を差し替えてみます。

RenameOpamp2S

ようやくシミュレーション

別件記事で実機で動かした回路と同じものが以下に。インクルードしているop177g.cirはアナデバ様の製品ページからダウンロードしたマクロモデルです。OP177G_CIR

シミュレーション結果が以下に。黄緑が20mV振幅の入力信号、赤が約2V振幅の反転出力であります。OP177G_SIMS

OP177G、シミュレーションできてるみたい。予定通りでよかった。

SPICEの小瓶(32) BVエレメント使って、微分のビヘイビア・モデル に戻る

SPICEの小瓶(34) Behavioral Voltageモデル、rand、max試す。へ進む