定番回路のたしなみ(32) 今度はPNPトランジスタでエミッタ接地増幅回路。SIMのみ。

Joseph Halfmoon

前回はNPNトランジスタ、2N3904をつかってエミッタ接地増幅回路を嗜んでみました。NPNやったんだったら、PNPもやっておけよ、ということで2N3904の相方?2N3906、PNPトランジスタを使って同じくエミッタ接地増幅回路を嗜んでみます。コンプリメンタリってやつ。電圧に対して上下ひっくり返せばそのままでいける?

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2N3906

オンセミ様の2N3906製品ページが以下に。

General Purpose and Low VCE(sat) Transistors | 2N3906

手元に2N3906をいくらか在庫にしてもっているのは、このトランジスタがLTspiceにデフォでパラメータが含まれておるからなんであります。

前回のNPNのときの回路を上下ひっくり返せばよい?

今回は、前回同様、VCC=5Vということで考えたいと思います。前回エミッタ側にGND(0V)が来てましたが、今回はエミッタ側にVCCがくるようにすればよいハズ。

前回はここで.TF(小信号伝達関数解析)をおこなって、ベースのバイアス電圧などを決定しました。今回は前回内容の定数はそのまま「上下」を入れ替えるだけでその挙動を見ていきたいと思います。

まずはマイナス1倍の反転増幅構成の伝達関数解析から。PNPemitterCommonCIR_TF_M1x

グラフが以下に。前回のNPNのときのグラフと2枚ならべると見事に「コンプリメンタリ」な雰囲気かもしてますな。PNPemitterCommonWAVE_TF_M1x

実際の増幅回路としたときは、約マイナス4.5倍の反転増幅であったので、そのときの伝達関数解析の回路が以下に。PNPemitterCommonCIR_TF_M4_5x

グラフが以下に。PNPemitterCommonWAVE_TF_M4_5x

PNPトランジスタ使った増幅回路

上の伝達関数解析結果から、前回のNPNトランジスタのときの定数をそのままに、「上下の定数を逆さま」にすればほぼほぼ前回同様な挙動を示すハズ、と考えました。回路が以下に。PNPemitterCommonAMP_CIR

シミュレーション結果が以下に。黄緑が入力Vin、赤が出力Voutです。

PNPemitterCommonAMP_WAVE

NPNトランジスタからPNPトランジスタに交換して抵抗値の定数を上下ヒックリかえしたら、クリソツな特性っす。流石コンプリメンタリ?

本当は実機組み立てて動作確認するべきなのだけれど、これだけクリソツだとメンドイっす。見送り。手抜きだあ。

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