誘うPC98互換機(4) ハイレゾのメモリーマップです

Kitsuneno_shippo

ハイレゾになるとVRAMが増え管理の方法もノーマルと異なることからメモリマップを追記します。また80286以降のCPUが織りなす当時としてはハイテクなメモリーマップモードもありました。なお前回PC9801-RL記載の訂正をします。<外伝>この時期に、電源回路不良としてきっと後々問題になるだろうとなった件をご報告します。

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ハイレゾは1画面が1120×750ですので、メモリ1枚あたり84万画素です。当時は1バイトが8Dotsを構成する仕組みでしたので、8で割ると105kバイトです。VRAM1枚で128kバイトあれば足ります。PC98本体(PC98RL*1)は1Dotsは4枚の構成で、Dotあたり16色を表現できる、もしくはCADなどでは4プレーンの表現をできる構造になっています。また、漢字モードも24dot漢字で横80文字、縦25行/31行(750ラインを25行の漢字にするか、31行の漢字にするか)ができます。もちろん、PC98互換機も同等です。

なお、ノーマルモードでは、4プレーンが別々の領域にありますが、ハイレゾは128kバイト×4で512kバイトとなり、システム領域に入りきりません。従って、バンクC0とB0に4枚を詰め込みました。どのプレーンに書き込むかはIOポート(A8~AE)から行います。

また、バンドルするのは時代的に80286以降のCPUですから、それらが織りなすモードが入りました。これも91hあるいは93hから指定ができます。従って、たとえばCPUがリアルモード時、io命令でout 93h 18hとすれば、180000hから19FFFFhがA0000hからBFFFFhに張り付いて見える様になります。(イニシャル時は100000h-11FFFFhが80000hに、120000h-13FFFFhがA0000hに張り付いてます。)

091h/093h 

また、MSDOSのバージョンにより、B0バンクにEMSメモリを貼り付けらることもできる様になっています。

※1 ここでとあるネットからPC9801-RLの実売はなく、PC98RLですと言われました。従って、以降は98本体はPC98RLとし、PC98互換機もPC98RL互換と言い直します。ハイレゾの型番がPC98**やPCH98**となっていることに初めて気づきました。(社内的には通名としてRL互換と言ってました。ごめんなさい)

<外伝>

PC98互換機の一部にバッテリーの回路異常があり発煙がありました。日本中に配られたラップトップPCでの発煙です、日本中で数台発煙したとのことです。そこで、事業部と販社が一体となり販売先の訪問をすることになるのですが、私にも担当があり、某電力機器大手に行きました。

さすが大手です(現在も一緒なのでしょうか)、業者向けの(ぼろい)入口と、来客向けの(豪華な)入口が異なっていて、当然業者側を選択させられました。窓口嬢はおろか、厳しそうなガードマン(?)、しかもお一人の対応でした。

待たされること小一時間で、当該社内のPCが某会議室に集合していました。バッテリーと周辺回路を全数交換し、無事対応しました。

社内的には、N副事業部長が責任をとって辞任する形で、実際の設計者や技術者には責任を与えない様な配慮がありました。Nさんは私が入社する際に面談を受け付けた人で、入社後も大変お世話になっていました。その後大手ソフトベンダーに転職されました。

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