部品屋根性(103) MOSFET、BSS138、DC特性を測ってみる

Joseph Halfmoon

別件シリーズ記事にて「たまたま在庫あるから」という薄弱な理由でNch. MOSFET、BSS138を使用いたしました。在庫あり、いろいろ使っている気がする割にはまったくもって特性とか気にしてなかったデス。箱から出したので「折角なので」という理由でAD2のカーブトレーサ機能を使ってDC特性を測ってみました。それだけ。

※「部品屋根性」投稿順Indexはこちら

Nch. MOSFET、BSS138

BSS138は小信号用のごく普通のNMOSエンハンスメント・トランジスタじゃないかと思います。SOT-23という「小さい」表面実装パッケージ品です。多分オリジナルは老舗中の老舗フェアチャイルド社(オンセミに買収されてます。オンセミはオンセミで昔はオン・セミコンダクタと唱えていた筈がいつの間にか略称が正式社名?になったみたい。知らんけど。)

ただし、秋月電子通商殿から購入の際、以下のPanjit製のBSS138を買った記憶があるような。

BSS138 Panjit製

なお、秋月殿はオンセミ製のデバイスも販売されています。

BSS138 ONセミコンダクタ製

以下、秋月殿のPanjit製のページから1か所引用させていただきます。

エンハンスメントモードNチャネルのチップMOSFETです。2N7002よりもゲートスレッショルド電圧が低く、低電圧でも使用できます(レベルシフト回路等に最適です)。2SK1062相当品です。

ということです。良く分かった?

Id-Vgs特性を測ってみる

さて、早速、Digilent、Analog Discovery2のカーブトレーサ機能でId-Vgs特性を測定してみます。Y軸がドレイン電流[mA]、X軸がゲート・ソース間電圧[V]、そしてパラメータとしてドレイン・ソース間電圧[V]をとるグラフであります。

その時の測定回路は以下の画面キャプチャの右上端に。BSS138_Id_Vgs

ブレッドボード上に組んだ、測定対象の回路が以下に。

BSS138DUT指示されたとおりに接続すればグラフが得られてお楽。

上のグラフからVgs(Vth)推定

上記のグラフからスレショルド電圧を読み取るべし、と思い立ちました。Vthの測定条件をデータシートで確認すると、オンセミ殿とPANJIT殿ではIdの規定値が異なりました。どちらも「Vgs=Vds」で規定されているので上のグラフには該当のVds不在、でもどうせスレショルド付近は全てのVdsがほぼほぼ重なっているので読み取れるっしょといういい加減。なお、データシート上のIdの既定値は以下のとおりです。

    • ONセミ、Id=1mA
    • PANJIT、Id=250μA

まずはオンセミの既定値1mA付近で読み取ってみます。BSS138_Vth_ID1mA

 

 

つづいてPANJITの既定値250uA付近で読み取ってみます。BSS138_Vth_ID250uA

読み取れた値は、どちらのデータシート上もOKな値デス。でもま、まったく同じグラフから2種類の値が読み取れるっと。現物デバイスはPANJITだけど。PANJITの既定の仕方だと「低め」にでるぞなもし。

Id-Vds特性を測ってみる

つづいてId-Vds特性を測ってみます。今度はX軸がドレイン・ソース間電圧[V]、パラメータがゲート・ソース間電圧[V]をとるグラフであります。右上の回路図のようにプローブの接続を変更しないとなりません。BSS138_Id_Vds

 

データシートの規定の仕方は「かなり」異なる

今回、2社の「BS138」のデータシートを参照してみて気か付いたのは細かい規定の仕方がかなり異なる、といいうことです。例えばオン抵抗の規定です。スペック値そのものは「微妙に異なるけれども似たような数字」なんだけれども

    • ON Semi、Id=0.22Aで規定
    • PANJIT、Id=500mAで規定
オンセミの0.22A(220mA)は、連続使用の場合の絶対最大定格の電流値での値です。一方、RANJITの方は、連続使用の場合の絶対最大定格の電流値は300mAと書いてあるのですが、Id=500mAで規定してます。まあ、500mAはパルスで一瞬流れる分には許容範囲の値ではあるのだけれども。PANJIT、結構、攻めてる?

部品屋根性(102) NJL5513R、トランスインピーダンスアンプで受ける へ戻る

部品屋根性(104) LTC1144、スイッチトキャパシタコンバータ、正電源から負電源に変換 へ進む