レトロな(13) 74HC74で漏れなく1ウエイト、必要ないけど入れてみる

Joseph Halfmoon

「バスウエイト」、現代でも縁の下ひっそりと働いているハズですが今や滅多に聞きませぬ。みな自動で良きに計らってくれるシステムばかりだからか。昭和の御代ではまず間違いなくココは何ウエイト、あそこはいくつと設定せねば動かぬシステムばかりであったのでありますが。今回はそんなウエイトをかけてみます。実際は要らないのだけれども。

※「レトロな」投稿順index

最低速度で動いているターゲット・システム

最近動かしている古代の8ビットマイコン8085の実験機に与えているクロック周波数は1MHzです。内部で2分周したクロックを使って動作しているので動作速度は500kHzということになります。これはスペック上許される「最低速度」なんであります。今時のCMOSフルスタティック設計のマイコンであれば「最低周波数」なんてものは無用。しかしNMOSの時代、回路はダイナミック設計。ある最低周波数以下になると回路誤動作の怖れありっと。知らんけど。

バス・ウエイト

実験機は限界ギリギリの遅い速度で動かしているので、後でメモリなどを接続した場合も、よっぽどでなければウエイト・ステートなどを挿入する必要は無い、と目論んでおります。しかしま、折角8085が無限NOPループを回転しているので、ウエイトとかホールドとか「バス・サイクルねた」を今のうちに観察しておきたいと。今回は、

全てのバスサイクルに漏れなく1ウエイト

いれてみようと思います。といって無限NOPループなのでフェッチ・サイクルに1ウエイトが入り続けるだけですが。

通常は、アドレスをデコードして、ROMは遅いからxxウエイト、などと接続されるデバイス毎に必要なウエイト数を決める回路を作らないとならないのですが、今回は一律。

回路に使用するICは以下のDフリップ・フロップです。
74HC74AP
製品ページが以下に。

東芝 TC74HC74AP

なお、以下別件記事であつかった通り、TTLコンパチのNMOS-IC 8085の出力信号を74HCシリーズに接続する場合は注意が必要っす。特に今回は74LS373に接続されているALE信号に接続するので。とりあえずプルアップ1個追加しただけだけれども。

部品屋根性(118) 5V~3.3V電源 入出力レベルVIL、VIH、VOL、VOHおさらい

強制1ウエイトの追加回路が以下に。74HC74は2回路入りなのでピッタリっす。

1waitSchematic

上記の回路を実機に追加すると、ますます回路がスパゲッティ。こんな感じ。1waittDUT

実際に実験機に上記回路を接続してバスウエイトがかかる様子を観察したものが以下に。READY信号が凹になってその後1クロックサイクル期間リードサイクルがひきのばされて(赤字のWのところ)ます。1waitWaveForm

引き伸ばされないときの前回のバスの様子と比べると、NOP1個の実行が4サイクルから上の5サイクルに伸びているのが分かるかと。ALE_ADRBUS_2

まあね、WAIT挿入回路は今回1回だけで外してしまうつもり。スパゲッティがひどすぎるです。

レトロな(12) ALEの御供といえば、74LS373だっ。その当時はね。へ戻る

レトロな(14) HOLDかけてバスの使用権リクエスト、アクノリッジを観察 へ進む