SPICEの小瓶(11) アクティブ・フィルタが作れる気がする(たぶん錯覚)ウイザード

Joseph Halfmoon

別件で入力信号にLPFかけたくなりました。RCパッシブフィルタであれば自分でも何とかなりそう。でもそれでは進歩がない、と。そういえばアナデバ様のWebツールでフィルタをつくれるものがあった筈。今回はWebツールで「所望の」アクティブフィルタを構成した上で、ダウンロードしたSPICEモデルをシミュレーションしてみました。

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作りたいフィルタ

カットオフ周波数5kHzのローパス・フィルタ、なるべく急峻な特性のもの、でも手元にある部品で作れるという条件付きです。まずはRCのパッシブ・フィルタのLTspice回路図が以下に。「自分でなんとかなりそう」と書いてしまいましたが、RCの定数はスマホツール、Electroid つかってます。計算楽だし。

RCpassiveCIR

上記のAC解析設定でシミュレーションした結果が以下に。

RCpassiveAC

アナデバ様のウイザードを使ってみる

自分でアクティブフィルタなど作れる気などしないのですが、ウイザードにお願いすれば「なんとかなる」ような。以前の投稿で一度使わせていただいたことがある、アナデバ様のアクティブ・フィルタ生成用のウイザードのページは以下です。

アナログ・デバイセズ アナログ・フィルター・ウィザード

Web上のツールに必要事項を指定していけばアクティブ・フィルタが設計される優れものです。

最初にフィルタの仕様を指定します。今回はこんな感じ。最速設定、3次ベッセルとな、猪口才な。計算するのはツールだし。ActiveSpec

何も制約条件を付けないと、最適な部品ということでアナデバ様の各種オペアンプのラインナップの中から適合するもの、そして受動部品もなるべく指定の仕様に近いもので回路が提案されてきます。

しかし、手元にあるアナデバ様のオペアンプ、受動部品の精度など「アベイラビリティ」制約で指定していくと以下のような回路となりました。ActiveCircuit

決定ということで回路を表示させると上記回路に加えて、パスコンまで列挙されとります。パスコン忘れるなよ、ということですかい。ActiveCircuitA

また上のプルダウンメニューで、表示をいろいろ変更することも可能です。振幅特性を開くと以下のようです。部品の許容誤差を考慮にいれて幅を持たせてグラフを描いてくれています。やっぱ、RCパッシブより格段に急峻よな。

ActiveGain

LTspice上でシミュレーションも

上記まで出来てしまうとそれで良い気もするのですが、『SPICEの小瓶』にならないデス。WebツールからはSPICEモデル(勿論LTspice前提)をダウンロードできるようになっているので、ダウンロードしてみました。ZIP解凍するとこんな感じ。ActiveSpiceModelAC

AC解析用の回路図を開くと以下のようでした。そのままRUNすればシミュレーションが即可能です。

ActiveCIR

先ほどのRCパッシブ・フィルタのときのAC解析のパラメータに合わせて、シミュレーションをし直したものが以下に。ActiveAC1

これって、ツールが生成してくれたとおりに回路を組めばそうなるってことだよね。自分で作った気は全然しないですが、アクティブ・フィルタ、一撃だぞ、と。いいのか、ホントに。

SPICEの小瓶(10) 電圧制御Switch、.model文が必要なのね。へ戻る

SPICEの小瓶(12) アクティブ・フィルタ(実機)を組み立てた結果。動いて当然か?