お手軽ツールで今更学ぶアナログ(148) LEDをライトセンサとして使う、実用になるじゃん

Joseph Halfmoon

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」、今回は2023年1月号の2回目実習です。ぶっちゃけ前回の回路をダーリントン接続に変更しただけ。「前回の素の回路」では頼りなかった出力電流がガツンと流れだしました。これならセンサとしてみても十分実用になるんでないの?知らんけど。

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アナデバ様のStudentZone 2023年1月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。

ADALM2000による実習:LEDを光センサーとして使用する

今回は上記の記事からステップ2を実習させていただいております。なお、巻末の課題の解答編(英文のみ)も以下にあります。

January 2023 StudentZone Quiz Solution

まあ、本文をちゃんと読んでいるよゐこなら、解答編を見に行かずとも答えは明らかかと。

ダーリントン接続

前回の回路では、NPNトランジスタ1N3904のベースにLEDが光に反応して流れる電流を流し込むことでコレクタ電流を引いて負荷抵抗を駆動してました。大した電流を引けないので負荷抵抗は100kΩとデカい値で頼りない感じでした。

今回のSTEP2の実験では、NPNトランジスタをダーリントン接続にせよ、という思し召しです。アナデバ様の記事的には「マッチングのとれたトランジスタ・ペア」SSM2212(勿論アナデバ製)を使えとのことです。しかし以前にも書いたとおり、手元にあるアナデバ製の学習用部品キットADALP2000にはSSM2212は入ってません。手元在庫を調べたら某社のNPNトランジスタ・ペアを見つけたのですが、そこは忖度して、キット所蔵の単体の1N3904を2個づかいということでお茶を濁しました。ま、前回と同じトランジスタで比較もしやすい?ということで。

ダーリントン接続に変更した回路が以下に。LEDlightSensor

 

R1は100kから2.2kへ変更となってます。電流的には前回の50倍くらいは流したい雰囲気を醸し出しとりますなあ。いやβ2倍だ、もっとだと。

実機実験結果

前回実験した4種類のLEDのうち、一番感度が良さそうだったのはQED123であったので、今回はQED123で実験しました。まずはデスクトップにおいた実験回路のQED123を掌で覆って「暗く」してみたときの様子が以下に。QED123_COVERED

上記では照明器具の明かりが指の隙間から漏れているのか50Hzの商用電力起因とおもわれる周波数がみえとります。

掌をのけて、デスクトップの通常照明状態にしたところが以下に。平均値的には掌で覆ったときよりも「明るい」ように見えますが、「メリハリ」は小さくなるのね。QED123_DESKTOP

さらに前回使用したLEDのスポット照明で照らしたところが以下に。照明の明るさは数段階に切り替えられるのですが、ここでは一番暗い設定にしてあります。明るい方向に振れているけれども、なにやら波形も広く広がっている?QED123_LEDLIGHT

上記の波形の時間軸を拡大したものが以下に。細かい振動が見えます。どうもこれはスポット照明側の電源に起因する照明の明るさの変動が照明を介して伝わっているのではないかしらん?ホントか?QED123_LEDLIGHT500u

LED照明の強度を最強(前回測定の状態と同じ)にしたものが以下に。LED照明の方も元気に電流流してやると細かな振動は見えなくなるみたいっす。QED123_LEDLIGHT_S

最後に、実験装置を窓近くにもっていって窓を覆うシェードを外しました。外は晴れです。50Hzの商用電源の影響など吹き飛ばしてDC。太陽光(直射日光ではないです。青空の光)最強だな。QED123_OUTSIDE

このくらいの変化が読み取れるのなら十分に光センサとしてやっていけるんでないの?

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