鳥なき里のマイコン屋(15) 消えゆく4bitマイコン

レガシー8051で引っ張るのももう限界、そろそろ別な「レガシー」ネタも設定しておかないと、ということで「4ビット」マイコンを取り上げさせていただくことにしました。ご存知かとも思いますが、世界初のマイクロコンピュータ、インテル4004は4ビットでした。ですから、マイコン業界で4ビットマイコンは「元祖」とか「本家」とか言われるべき本流だった筈なのですが、いまや絶滅危惧種になっています。

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鳥なき里のマイコン屋(14) シリアルポート、デジタル系センサ接続

直接、電圧を測る、あるいは電流を測らないとならないセンサの場合は、どうしてもアナログを避けては通れませんが、この頃は「デジタル接続」の「センサ」の品種が大変と増えたので便利です。多くはセンサの内部に測定回路まで含まれていて難しいアナログの部分は隠してくれています。多くの場合、何かコマンドを送れば設定がいろいろでき、結果はデジタルな値で読み出せるようになっています。そういうデジタル接続の「センサ」をマイコンに接続するときに使われるのがシリアル系のインタフェースです。今日はマイコンのシリアル・インタフェースを調べていきます。

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鳥なき里のマイコン屋(13) TIにも8051発見

業界じゃTexas Instruments社(TI)のMCUといえばMSP430で決まりです。大ベストセラー。一応16ビットというカテゴリになっていますが、8ビットクラスの小規模なところにも手が届く豊富なラインナップじゃないでしょうか。勿論、32ビットではArmも使っています。アプリケーションプロセッサ系では当然ですが、MCUでもArmコアの製品群があります。そんなTIに8051の入り込む隙間があったのか。いよいよ「Armのお供にレガシー8051説」崖っぷちです。

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鳥なき里のマイコン屋(12) タイマー、周辺回路をささえる

いままでMCUのコアばかり探ってきましたが、そろそろ周辺回路にも目を向けていきたいと思います(勿論、まだまだレガシー8051とArmを探すつもりです)。周辺回路もいろいろある中、まず間違いなくほとんどのMCUに必ず搭載されているものが「タイマー」回路です。用途によっては「カウンタ」という名で呼ばれることもありますが、基本的な回路構成はかわりません。これで結構いろいろな関連用語が使われるので、本日はその辺をおさらいしていきたいと思います。

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鳥なき里のマイコン屋 (11) 中国MCU調査第1回

レガシー8051を追いかけていると、否が応でも中国(人民共和国)のMCUベンダ各社を調べてみないとイケなくなります。欧米日本などが、合併、買収等によってMCUベンダの数がどんどん少なくなり、その結果、製品ラインも絞り込まれる傾向がある中、中国のMCUベンダ、いったい何社あるの?数え切れない、という感じです。まさにここは勃興期で、昔、狭い日本にMCUベンダが溢れていたごとく、雨後の筍か百花繚乱か、といった塩梅。勿論、レガシー8051も、Armも登場します。今回は第一回ということで、調べられた限りのMCUベンダを列挙したいと思います。

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鳥なき里のマイコン屋(10) On Semiconductor

今日調べるのは On Semiconductor です。この名前になってからも20年くらい経過していますが、ある意味ここはとても歴史があるのです。母体となったのはモトローラ社の半導体部門の「一部」です。モトローラ社の半導体部門の分社化といえばフリースケール・セミコンダクタ社(今では第2回でとりあげたNXP社の一部ですが)が有名で、こちらの会社が旧モトローラのMCUを含む集積規模の大きな半導体製品は皆もっていったわけです。On社の方に残っていたのはディスクリート(集積回路でない)半導体と、パワー系、アナログ系といった渋い半導体ばかり。だからそのままではMCUの話には出てこない筈。でもこちらの方が実は儲かるのですかね。SoCプロセッサなど、開発にお金がかかるので、一発外れるとダメージが大きい。その点、渋い「玄人」向けのデバイスを受け継いだOn社は、着実というより、かなり急速に成長しています。原動力は「買収」です。

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鳥なき里のマイコン屋(9) Z8とZ8051

そろそろ「Armのお供にレガシー8051」説も打ち止めにして、次の話題に進みたいものだ、と考えている今日この頃なのですが、まだまだ成り立ってしまう事例が現れてくるのです。今日取り上げさせていただくのは、IXYS CORP.という米国の会社です。パワエレの会社で、正直、あまり馴染みがありません。しかし、この会社に「Z80の」Zilog社が買収されていたのです。さらにIXYS社はLittelfuse社というもともとヒューズの会社だったらしい会社(あちこちの会社を買収しまくっている)に買収されたので、Zilogはいまやヒューズの会社の孫部門ということになるようです。最近、合併とか買収でMCU製品が「呉越同舟の梁山泊」状態、になっている会社が多いですが、ここもまた例外ではありませんでした。

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鳥なき里のマイコン屋(8) レジェンド6502ベースMCU発見

毎度お騒がせしております「Armのお供に8051説」ですが、本日はレガシー8051に加えて、こちらはレジェンドとでも言いたい6502ベースのMCUまでやっている会社発見。6502、ご存知ですか?古き良き時代の8ビットのCPUです。Apple社の礎を築いたApple IIのCPUです。あるいはパソコン黎明期のコモドール社やアタリ社が使っていたCPUだと言ってもよいでしょう。しかし、何といっても、日本では任天堂ファミリーコンピュータのCPUと言うべきでしょう。登場以来40年以上たちますが、生き残っていました。それも地味なMCUとして。

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鳥なき里のマイコン屋(7) 益々快調Armのお供に8051説

今日は「Armのお供に8051説」ではなく「8051のお供にArm説」と逆転するべきかもしれません。どこの会社でも、崖っぷち、窓際、隅っこに追いやられている感じがする8051コアMCUなのですが、今日取り上げさせていただく会社から引用させていただくと「8051 マイクロコントローラ(MCU)の大手サプライヤーとして」と自ら8051大手を名乗っているのです。そんな好待遇に涙がでますね。もっと早くにとりあげるべきでした。

Nuvoton Technologyの会社の話はこちら 2019/11/28投稿

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鳥なき里のマイコン屋(6) Analog Devices、一味違うレガシーコア

次々と検証?される「Armのお供にレガシー8051説」ですが、本日取り上げさせていただくのは、アナログ半導体会社の最右翼といってよいでしょうAnalog Devices社です。ご存知ない方に申し上げておきますと、アナログといっても出入り口だけがアナログで、内部の処理はデジタルという信号処理システムは現在とても多いのです。Analog Devices社(以降アナデバと勝手に省略させていただきます)は、そんなデジタル信号処理にもぬかりはありません。

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鳥なき里のマイコン屋(5) Arm Cortex-Mのおさらい

「Armのお供に8051説」を唱えて以来、快調?にArmコアと8051コアの両方をMCUに採用している各社を経めぐっています。しかし、その度出てくるArm Cortex-M0とか、M3とか、M4とかArmコアにもいろいろあって分けが分からない。そこで今回はちょっと立ち止まって、MCU向けのArmコアのおさらいをしておきたいと思います。

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鳥なき里のマイコン屋(4) Cypressいつの間に

快調に仮説検証がつづいている「ARMのお供に8051説」です(そういう会社ばかり取り上げているのだろ~と言われると返す言葉もありませんが)。そんな中、本日とりあげるのは、Cypress Semiconductor社のMCUです。CypressのMCUと言えばユニークなアナログを搭載したPSoCという頭でいたのですが、その頭は古い頭でした。ちょっとびっくり。まあ、当然といえば当然なのですが。

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鳥なき里のマイコン屋(3) ARMのお供にレガシー8051説

前回、米、台湾、欧州などを代表するMCUメーカ3社を調べていましたが、そこで思いついたのが、以下の説であります。

8ビットのレガシー8051は死なず、実はARMコアの32ビット製品ラインのお供に蔓延っている説

お供なのかどうかは別にして、前回とりあげた3社中3社該当(最初3社中2社と誤解していましたが、よくみたら3社とも8051製品もっていました)、本当でしょうか(自分の説だろ~)。ARMコアをMCUに採用している会社を調べるついでの「仮説」として調べてみることにしました。

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鳥なき里のマイコン屋(2) ARMにする, ARMじゃない?

スマホやタブレット向けのSoCプロセッサではARMが世界を征服したような状況です。よりローエンドな組み込み向けのMCU業界でも「ARMにあらずんばマイコンにあらず」的世界は変わりません。ARMの存在感は強まるばかりに見えます。そんな中、数多い(といっても大分淘汰されてしまいましたが)MCU屋さんが今どんな感じでARMに向き合っているのか、勝手に観察してみよう、と思い立ちました。本日取り上げさせていただくのは以下にリンクを貼り付けてある3社です。

microchip

Holtek

NXP Semiconductors

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