介護の隙間から(18) 介護/見守り用途とセンサ

ここまで介護保険適用になる徘徊検知機器を中心に調べてきました。ここからは少しスコープを広げ、介護保険適用にならない各種の見守り機器についても調べていきたいと思います。「徘徊」には当てはまらないのだけれど、「見守り」は必要というシーンは多いと考えられるからです。第2回に要介護度とその対象者の人数の統計を引用しましたが、介護保険でサービスを受けている方々の約半数はそもそも「徘徊検知機器」の貸与の対象にはなりません。そして要介護度2以上だからといって徘徊検知機器が必要かと言えば、そんなことはないわけです。要介護者の方々に必要なケアは千差万別、要介護度の数字でデジタル的に分けられるわけもなく、また、介護する側の事情も千差万別でしょう。介護保険の福祉用具貸与の対象にならない「支援は必要だけれど、自分で結構やれる」方々に対してこそ、電子デバイスによる「見守り」は有効なのではないか、とも思われるのです。

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介護の隙間から(17) 徘徊検知、会社と技術のマップ

徘徊検知装置、メーカ、センサ、無線この辺で徘徊検知装置「業界」の一断面を一目で把握できるように、装置を販売しているメーカや輸入元とそこで使われている、センサと無線技術をマップにしてみました。「続きを読む」の後に原寸大のマップが貼り付けてありますので、御覧ください(環境によってはダウンロードした方が見やすいかもしれません)。 “介護の隙間から(17) 徘徊検知、会社と技術のマップ” の続きを読む

介護の隙間から(16) GPSは辛いよ

素人目に考えると「徘徊検知」という言葉からまず発想できた「センサ」はGPSでした。なんらかの形で徘徊する人にGPSを「持っていて」もらえれば、今何処にいるのか直ぐに分かるからです。(身の回りの物にこっそり「取り付ける」感じになってしまうかもしれませんが)実際、何社もGPS応用製品を福祉用具として登録されている会社はあるのですが、介護保険適用という観点ではGPS端末はかなり苦しい感じです。GPS端末「も」やられている数社の製品を通じて、どの辺にボーダーがあるのか「観察」させてもらいました。

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介護の隙間から(15) LoRaで見守り

徘徊検知装置の場合、徘徊に出る前で「水際」で押しとどめるということが大事なことです。そのためか、まず離床センサでベッドから出ることを検出し、次には出入り口などを見張るというシステムが多いです。しかし、万が一、外に出てしまったら後はどうするか。普通に考えるとGPSで場所を検出し、携帯電話網で通知するというシステムになりそうです。当然、そういう製品もあるのですが、介護保険適用の条件を考えると、徘徊検知に特化していない一般的なGPS端末+インターネット通信のような構成では保険適用は難しいのではないかと思います。また、携帯網に接続する場合は電池の持ちも気になります。そこで、徘徊検知に特化しつつ、電池の持ちがよい、それでいて屋外のある程度の範囲の位置を測定できるもの、があれば良いなと思ったらありました。ことし発表、新製品です。一種の無線タグと言って良いかと思います。

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介護の隙間から(14) 電池の要らない無線、EnOcean使われていた

『マットセンサで離床を検知し、特小無線で介護者の近くにあるアラームを鳴らす』というのが、ティピカル(デバイス屋らしい言い方です)な徘徊感知機器の姿ではないでしょうか。しかし、今までいろいろ調べてきた通り、各社いろいろ工夫をしていて、平均像に収まらないところこそ、「差別化」部分であると言えます。前回、使用されている無線の中間まとめをしていて、ちょっと目を引いたのが、3社(うち1社は推定)もEnOceanという無線方式を使っている会社があったことです。EnOcean、コンセントも電池も要らない無線です。

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介護の隙間から(13) 使用されている無線、中間結果

徘徊検知装置への応用が予想される無線方式を、いろいろ調べ始める前の第4回で列挙してから、具体例にあたってきました。調べも進みほぼ概要が明らかになったように思うので、ここで一旦まとめておこうと思います。予想通りの部分もありますが、予想とはかなり違う使い方もあり、やはり調べてみなければ分からないものだ、というのが正直な感想です。まずは使い方とそこで使われている無線方式の対応表を作りましたので御覧ください。

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介護の隙間から(12) インターネット接続と介護保険適用

昨日の投稿でようやく「認知症老人徘徊感知器」にカメラ(イメージセンサ)を利用する事例がでてきました。もともとこの辺を調べようという意図があったので、ようやく第11回にてそこに辿りついたか、と思います。しかし、当然、他社にもそのような製品はあるのです。また、ご存知のとおり単なるWebカメラのような製品は多数あり、価格もこなれています。実際は介護用途に使われている(しかし介護保険適用にはならない)Webカメラもままあるのではないでしょうか。その辺を考えると第1回第2回あたりでちょっと調べた介護保険の適用について少し立ち止まって調べておいた方が良い気がしてきました。

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介護の隙間から(10) バイタルセンサ再び

ちょっとのつもりで調べ始めたものの、今や「徘徊感知機器のラビリンス」に取り込められた感がある今日このごろです。調べていくと次々と現れるシステムは予想を超えたユニークさです。単に物理量を測定すれば良いセンシングシステムであれば、多分これほどの多様性は成立しないんじゃないかと思います。人を測るというよりは、人をケアするという目的が、多様なシステムの存在を生み出しているのかと。今日もまた、3社のシステムを調べます。

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介護の隙間から(9) 徘徊感知機器の源流

現在、電子デバイスを使った徘徊感知機器というのは数百種類以上は存在すると推定できます。介護保険適用の装置についてはその登録を調べれば列挙できないこともない(しかし全てが売られているとは限りますまい。電子デバイス屋的言葉で「ディスコン」とか「EOL」もある筈)ですが、施設用の装置については「一品料理」的な装置も多数存在すると思われるのでその数を数えあげることはなかなかできないでしょう。本日は、それら装置の源流はどのあたりにあったのかを探ってみたいと思います。

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介護の隙間から(8) バイタルセンサ、徘徊検知だけじゃ勿体ない

今回注目するのは、バイタルセンサー(脈や呼吸といった生体特有の情報をセンスするセンサ)を用いた見守りシステムです。どうも荷重センサとか無線タグとかばかり考えていると、計測の対象は人間様なのだ、ということを忘れそうになります(私の個人的な反省です。実際に販売されている各社の人々は忘れることはないでしょう。)。人をケアするのが目的、あまりセンシング、センシングとはいいますまい。けれど本当のところ、MCUの方でSiLabs社調べていたときに、脈拍センサ(こちらはオーソドックスなLED使った接触型)を見つけ、そういえば徘徊検知分野でも、バイタルセンサを使っている会社さんがあった、それも特小無線使った非接触のタイプだった、と思い出したのが今回の入口です。

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介護の隙間から(7) 「ベッド」の特許に意外な会社が。。。

前々回、ベッド業界の2巨頭の対比を調べてみました。電子デバイスの応用は幅広いとは言え、私には背景知識のない業界なのでとても興味深かったのです。また、前回の徘徊検出向けのセンサの特許をざっと調べる件は、ありとあらゆるセンサが動員されている感じで、アイデアは尽きないものだと感心しました。それもあって、徘徊とか転落とかに関係しそうなベッド回りのセンシングの特許をもう少し調べてみました。ちょっと驚いたのが、そこにあらわれてくる意外な会社の名前です。

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介護の隙間から(6) ざっと特許を

技術的なところを調べるとなれば、何はともあれ特許を調べておかないと。畑違いも甚だしい「認知症老人徘徊感知機器」なので、とりあえずざっくりしたところを抑えておきたいです。そこで、以下のような検索ワードで調べてみました。

徘徊or認知症or転落or高齢者
and
センサ

これで435件がヒットしてきました。「徘徊or認知症or転落or高齢者」というのは、「認知症老人徘徊感知機器」からするとちょっと広すぎるかもしれませんが、435件なら全部当たることも可能ではあります。

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介護の隙間から(5) 徘徊センシングから眠りへの回帰?

今回から「認知症老人徘徊感知機器」に対する具体例を調べていきたいと思います。まずベッドの会社2社の取り組みを比較してみることにいたしました。何と言っても「特殊寝台」というカテゴリは介護保険適用の「用具」の中では中心的な存在なのでその「付属品」的な扱いでベッド会社は取り扱っているんじゃないかと勝手に想像したためです。しかし、調べてみるとそんな想像を超えたところに進んでいるようでした。

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